心臓原種

   機界31原種の指令塔的存在であり、Zマスターとなって各器官へのエネルギィ供給を行なっている。。マイナス思念(怒り、憎しみなど「負の感情」と呼ばれるもの)を発散する生物の機界昇華を大宇宙の意志として自らの使命としていた。即ち心臓原種は機界31原種の思想的存在価値を確立する者であり、あるいはゾンダーメタルのプログラム開発の段階で何者かの人格が移植されていたのかもしれない。
   先述した通り、心臓原種の役割は機界昇華の完了を果たすための作戦立案と、残る原種30体の指揮が主なものとなる。初期の機界31原種の指揮官を務めたパリアッチョはこの心臓原種の情報収集及び作戦指揮用の端末の一つであり、EI−01・パスダーに至っては、更にその端末にしか過ぎない存在だった。
   だが、パスダーが東京中の電力を味方につけ、GGG機動部隊にかつてない苦戦を強いたのに比べ、心臓原種本体は、さほどの事もなく撃破されてしまった。しかし、これは心臓原種が戦闘力的に劣っているわけではない。機動部隊にザ・パワーがあったとしても、Zマスターもまたザ・パワーを取り込んでいるのである。一時的にとはいえガオガイガーを見えざる手で押さえつけ、その装甲を貫いてフェイスガードを破壊しているのだ。攻撃力からいえば、翼原種腕原種に劣るとしても、少なくとも鉄髪原種を上回っているはずである。
   やはり人間の心臓同様、心臓原種の能力も体内で他の器官と連結してこその能力ではないだろうか。各原種の能力が非常に専門化されているため他の原種とその責任を分かち合うわけにもいかず、単独で活動する事もかなわず、Zマスター体内で爆発的な力を振るうわけにもいかなかったのだ。指令塔としての役割上、端末を幾重にも使用する事で、いわば自らの分身を前線においていたわけだが、予想外の抵抗にあい、自ら出征する事を余儀なくされてしまったのであろう。
   こう考えると、心臓原種は限りなく孤独な存在に思えてくる。
   ちなみに声を担当していたのは石井康嗣さん。