火麻 激(ひゅうま げき)

   GGG作戦参謀総長。機動部隊の実動における具体的な作戦立案などを行うGGG参謀部を統括する。しかし、彼自身は現場至上主義的信条の持ち主であり、メインオーダールームよりもガンドーベルガングルーを駆って実動現場へ直接出向き、指揮を執ることの方が多い。そのため作戦立案は主に参謀部スタッフの仕事である。
   GGGに参入する以前はアメリカ陸軍に身を置く歴戦の兵士で、スワン・ホワイト獅子王雷牙博士とも親交を持っていた。GGG長官であり、またID5以来の戦友であった大河幸太郎の招きに応じ帰国する。ちなみにID5時代のコードネームは「シルバーピューマ」である。生来の格闘センスに加え、アメリカ陸軍時代に培った戦闘技術によって、一兵士としても優秀な能力を発揮する。これをかわれ、獅子王凱氷竜炎竜に格闘術の指導を行っている。
   性格的には獅子王凱と同等か、それ以上の熱血直情型で、体育会系硬派。独特のヘアスタイルであるゴジラモヒカンは学生時代からのトレードマークだとか。興奮してくると思わず力が余ってしまい、トランシーバーを握り潰してしまう。とにかくじっとしているのが苦手で、考えるよりもまず行動、が彼の行動原則である。そのせいか独断専行や、越権行為は数え切れないほどあり、彼のデスクワークの殆どは始末書の作成である。しかも、当人にはこれを改める気がまるでないらしく大河長官の頭痛の種となっている。しかし、おおらかな人柄と持ち前の指導力によってGGG隊員からの信頼は厚い。また精神的にも相当に強靭で被験者に多大な精神的負担を強いると言われているAIへの人格移植に際しても、殆ど精神の失調は見られず、翌日には通常の職務に復帰していた。
   GGGに実際の運用を振り返ってみると、長官に対するいわゆる参謀役をこなしているのは研究開発部主任兼スーパーバイザーの獅子王麗雄博士や諜報部オペレーター主任である猿頭寺耕助といった人物である。火麻参謀自身は前線にあることが多いため、特に作戦行動中において大河長官のサポートはこの二人の仕事となる。そのため火麻激という人物が参謀長という地位にあることに対し、日本政府首脳部や国連内部でも疑問の声は少なくない。だが、彼が参謀長という地位にあることの意義はそんなところに有るのではない。近代以降の戦争において、参謀とは本来高級指揮官の幕僚として人事、情報、兵站、教育訓練などの計画・指導にあたる将校を指す。つまり参謀とは作戦を考えるだけの役職ではない。くわえて近代以降の軍隊(GGGが「軍隊」か否かという議論はここでは置くが)では余程のことがない限り、原則的に作戦立案は複数の参謀による合議制であるし、個々の参謀の間でも訓練計画を専門にしているものなど、職務は多種多様である。そのような参謀部という部署を束ねる人物に求められるのは、高度な作戦立案能力よりもそういった人材をまとめあげる能力と、軍全体を叱咤激励し士気を高める指導力である。この点に関する限り、火麻参謀は申し分ない人物といえよう。
 なお、現在の国連事務総長兼国連最高評議会議長であるロゼ・アプロヴァールとは大河長官を交えた共通の知己であるが、火麻参謀にとっては苦手意識が先行する人物らしく、大河長官とは異なってなかなか直接会おうとはしないまま年月が過ぎ去っているという。大河長官に言わせれば「あれは照れているだけだ」という事らしいのだが。
   45歳、蟹座のB型で、口癖は「体を鍛えておけ!」弱点は貧弱なボキャブラリ。声優は江川央生さん。