<これが1チップマイコンテレビゲームだ>

【寺町】 '78年のテレビ野球ゲームから、いよいよ堀江さんが開発に加わられるわけですが、ハードの設計もされたんですよね。やっぱり、秋葉原とかに行って、部品を買ってこられるわけですか。

【堀江】 いや、大体この構成は決まってたんですよね。外形の設計はさせてもらったんです。寸法もはかって。あと、それをデザイナーにレンダリングしてもらって、で、会議に通ったわけです。

【寺町】 マイコンでいこうというのはNECから?

【堀江】 といいますかね。システム10がハードワイヤードロジックで、9月に発売されまして、その時にはもう、次のスーパー10というのを単独で開発していたんですよ。システム10の内容をバージョンアップしたやつ、もう完成しつつあったんですよ。それがマイコンだったんです。

ようするに、毎回毎回ハード・ワイヤード・ロジックで作っちゃうと、2年もかかってしまうんですごくたいへんなんですよ。ソフトを代えれば別のゲームがどんどんできるわけだから、テレビゲームはこれからも需要があるというわけで、じゃあマイコンでいこうとしたんです。設計したのはもちろんNECですけど。

カセットビジョンのカセットに積まれている1チップマイコン 【寺町】 ハード的にはプログラミングによる開発ができるようになったわけですが、ソフト的に新たに可能になったことなどあるのでしょうか。

【堀江】 表現的に・・・か。ななめの線が出せるようになったとか。

【寺町】 あ、ベースボールのフェアラインですね!パクパクマンの背中だとか。

【堀江】 これはけっこう制約があってたいへんだったんですけどね。平行四辺形しか出ないわけですよ。口側が・・・こういう四角だから。三角形を出そうとすると、あまった部分はどうしょうかってことでね(笑)。

【寺町】 あははは!3つの背中のギザギザを閉じると、下の三角があまっちゃうわけですか!こういう・・・(と、絵を描く)

パクパクマンイラスト

【堀江】 そうそう(笑)。もとが四角だから。それをななめにタイミングをずらしているだけだから。

【寺町】 サウンドは?

【堀江】 単音ですよね。マイコンになってからよくなったと思うんですけどね。プログラムでカウンター組めば、音程は一応だせますからね。システム10は2音かな?ピッピッピとポッポかな。高い音と低い音という感じで。それで固定しちゃいますから。こっちはメロディ出ていますよね。

(※ハードに関しては、この後のページでもふれられています)


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