<テレビテニスとシステム10の時代>

【寺町】 テレビテニスについては、エポック社制作ではないと思うんですが、あれは持ち込みですか。

【堀江】 そういうものだと思いますよ。オリジナルをつくったのは知りません。NECとも違います。

テレビテニスと画面 【寺町】 OEMのような?違うところで中身作ってもらって・・・という感じの

【堀江】 当時みんなそうですよね。

【寺町】 エポック社として、手応え的にはどうだったんでしょう。

【堀江】 当時としては画期的だったと思います。

【寺町】 なるほど。ところで、次のテレビゲームまで2年間の空白期間がありますよね。あれはやはりシステム10を開発されていたということですか。

【堀江】 そうですね。テレビテニスはすべてTTLでつくってあり、ディスクリートで組んであります。システム10はハードワイヤードロジックといって、マイコンじゃないんですよ。TTLの回路をそのまま石(チップ、半導体の俗称)にした、ただの集積回路なんですよ。だから、新しいゲームをつくろうとするとね、プログラムを組むんじゃなくて、ハードの回路を設計するんですよ。だからすごくたいへんなんですね。

NEC製のゲームLSI。これはシステム10からとりだしたもの 【寺町】 システム10の中は分解して見たことがありますけど、あれはゲームLSIですよね。

【堀江】 テレビ野球ゲームでようやくマイコンになるわけです。ビデオ処理を含めて1チップで処理したんですよね。

【寺町】 システム10には堀江さんは参加されていませんでしたが、どういうような印象を持たれていましたか。

【堀江】 これはおもしろかったですね。社員としても。けっこう家でも遊んだし。4人でやると盛り上がるんだよね。5回あたる毎にボールが速くなったり、すごく速くなったあと、後衛がジグザグボールを打ったのを、前衛がスルーさせると突然ボールが速くなる攻撃(笑)。友達とやったり、会社でもやったり。スカッシュをえんえんとやったり。

【寺町】 光線銃があったり。

【堀江】 これね、おかしいんですよ、試作品では、引き金スイッチがチャタリングおこすんですよ。接点がダダダってはずむじゃないですか。そうするともろにそれカウントするもんだから、一発で3発くらい撃っちゃうんです(笑)。連射ですよね(笑)。で、コンデンサを急遽追加したんです。それを1発に吸収する。

【寺町】 バーチャガンですねえ(笑)。


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