ところで中学のほうで一緒に社会科を教えている40代後半くらいの女性がやたらとマンガに詳しいことを知る。「ガロ」から「スピリッツ」までほぼ網羅していて、いまだに雑誌で買って読んでるという。きっとあの学校で一番マンガを読んでいる人ではないかと思う。外見からカタイ一方かと思ったけど、人は見かけによらない。給食をくいながら、なぜかつげ義春と滝田ゆうの話になって、そうかちょうど全共闘世代なのかと気づく。きっと生徒たちは小テストばかりするきまじめで小うるさいおばさんくらいにしか思っていないんだろう。そう思うと少し可笑しい。そうして人生はめぐりすれ違っていくってわけだ。こういう時、私は頭の中でルイ・アームストロングの古い歌"What a wonderful world"が鳴っている気がする。