PICkit 2を乾電池で動かす


PICkit2がVer.2.50より、Programmer to goというスタンドアロンでの書き込みをサポートしました。これで予めPICkit2にプログラムを入れておけば、PCが無くてもプログラムが書き込めるようになります。

しかし、書き込むためにはPICkit2のUSB端子から4.5V以上の電源が必要になります。
PICkit2のヘルプを見ると、携帯電話の充電器などを利用する方法や、乾電池を利用する方法が掲載されています。

今回は、これを作ってしまう企画です。
コンビニエンスやキオスクなどでよく目にする携帯用簡易充電器がありますが、これの中身で昇圧型のDC/DCコンバータが搭載されている商品があります。中身はオキシライド乾電池などが多いです。
これが、使い捨てで、609円(2008年4月現在)オキシライドは大体1本200円近くしますから、昇圧回路のみを考えても250円位です。今回はこのコストパフォーマンスを生かした製作を行います。

警告
この製作にあたり、乾電池を搭載した商品を改造します。製品の分解・改造はメーカー保証が無くなるだけでなく、故障・ショート・発火・副次的な災害の危険、また工作時のケガの危険性があります。機器を改造する場合は十分な電気工作の知識を学習の上、自作の回路・装置として取り扱うことを前提に全て自己責任で行ってください。この改造による動作保障と安全保証はありません。当方は一切の責任を負えませんのでご了承ください。この商品をメーカーの想定外の使用方法にて改造使用している関係上、メーカーへのお問い合わせは大変迷惑になりまので絶対おやめください。
これが今回改造する充電器
商品名 ヨコ型使いきり充電器foma用M441
発売元 TOPLAND
販売 セブンイレブン(2008/4現在、関東のみ確認)他の機種は開けていないですが、恐らく同じような回路構成ではないかと思われます。
カッターでシールを切る
マイナスドライバーでこじ開ける。(ツメは多分割れると思います。)
中から電池とユニットが出てきました。
乾電池を取り去った所。
基板です。左上から、ポリスイッチ、コンデンサ、LED、下の黒いのはIC、大きなチップ部品はインダクタです。小さいですね。自分で部品を集めると1000円位はするでしょう。
千石電商の地下で売っていた単三型x3の乾電池ホルダーを使用しました。[SBH−331AS7ARN-BMEC]スイッチ付き電池ボックス(単3X3)
この電池ひとつ分の空きスペースにUSBと回路を搭載します。
熱でつぶしてあるスタッドをニッパーで切り取り、スイッチ部分の配線をはずします。
USB TYPE B TYPE Aを使用しました。極性は写真の通りです。真ん中の2本は不要なので、予めニッパーでカットしておきます。

ニッパーでケースを加工して、USBの穴を開け、USBのケースと、グラウンドを半田付けして、USBのケースを電池のマイナス電極へ半田付けします。ケースは特別な工具がなくても、ニッパーで切れ込みを軽くいれて、ペンチでむしりとれば簡単に加工できます。スライドスイッチは、電極を取り去り、赤いリードの方にスイッチをつけます。スイッチはぐらぐらしますが、最後に押さえてあったプラスチックを元に戻せば問題ありません。

写真の半田は、光沢が無いですが、鉛フリー半田を使用したため、このような状態です。
携帯電話のコネクターです。半田部分が細かいので、ニッパーで切断したほうが簡単でしょう。
ここから細かい作業に入ります。+とレジストされている部分の電極をはずして、電池のプラスである赤いリードを半田付けします。そして、携帯電話コネクター3本の外側同士を電線でショートさせます。
真ん中が4.8V出力になります。これをUSBのプラス側へ接続します。
マイナス側の電極を半分ほどニッパーで切断して、USBのケースへ半田付けします。基板の固定もこれで兼ねています。
PICkitをつける前に、電池とスイッチを入れて、USBの電源が4.6〜4.9V位出ているかを確認します。極性も大丈夫か今一度確認してください。
PICkit2とつないで見ましょう。Powerランプが点灯すれば、OKです。
蓋を閉めて出来上がり。USBの携帯充電器としても使用できます。

簡単な測定では、PICkit2接続時、100mA@3.3Vの消費でした。また、電池を1.2V位のものを1本入れても4.8Vの出力ができます。

参考にしたサイト
 気の迷い ★★ 小ネタ集 ★★
 携帯電話充電器をDC-DCコンバータにしよう!


2008/4/13 初版作成

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