赤い光を見えなくさせる

赤外線オプティカルマウスに改造する



免責:改造は自己責任でお願いします。また動作を保証するものでもありません。改造してもまともに動作しないマウスもあります。ふたを外した時点でメーカー保証も受けられませんので十分検討の上、改造を行ってください。

玉を転がして移動量をエンコーダー板で読み取るメカニカルマウスに代わり、最近は光を照らし移動量をCCDで読み取る光学式マウス(オプティカルマウス)が安価に手に入るようになった。認識性を向上したレーザマウスなるものも出回っている。PCにこのマウスを繋げれば、カーペットでも太ももでも毛玉くずや髪の毛を吸い取ることがなく、すいすい動いて便利な代物である。掃除も基本的にいらないのでメンテナンスも無く長寿命である。

私はUnited Devicesの分散コンピュータによるがん解析プロジェクトに参加しているので、ノートパソコンをつけっぱなしにして就寝することが多い。そのとき、マウスの光が意外にも明るい事に気が付いた。一度気になると、ずっと気になりだすもので、使用しない場合はマウスをUSBから抜くとか、マウスをハンカチなどで覆ってみたりと光を出さないように対処療法を施す程度であった。



※これはイメージ合成です。

光学マウスは光を放つ物が多い。光学マウスが出始めの頃は、光を放つのがさも当たり前とされていた。今はどうだろう。用途によっては、光ってほしくない人もいるのではないか。私もその一人である。
光らない光学マウス?そんなものはどういう風に作るのか?答えは「赤外線」である。赤外線リモコンの光は肉眼では見えない。その光をデジカメ(ケータイのカメラでもいい)で覗くと光を観察することが出来る。光学マウスに使われているのはCCDカメラと基本構造は一緒である。つまり、光源を赤外線にすればいいのである。
この赤外線照明を利用したマウスは、今では普通に売っていると思うが、あいにく自分の手持ちには光学マウスが2個もある。ならばそれを改造して使ってみようと思いやってみた。


改造手順




テフロンが貼り付けられている部分を外し、ねじを外す。


この部分が赤LEDである。これを取り替える。ハンダ吸い取り線をつかえば楽に取れる。LEDをブラケットから取り出すときはツメで引っ掛けて固定されているので外すのには多少コツが必要だ。マイナスドライバーをツメとLED部分に差込んで、ペンチでLEDの足を引っ張ると抜ける。このLEDは万一赤外線LEDで動かなかった場合、元に戻す部品として捨てないでとっておく。余談であるが、LEDの中の円錐型をした反射鏡の位置でアノードやカソードを判断してはいけない。メーカや特性によってその位置がマチマチであるのだ。新品ならリードが長いほうがプラス(実際はアノード)短いほうがマイナス(実際はカソード)である。一般的に切りカキはがあるほうはカソードである。



LEDは前に秋月電子通商で大量に買い込んだものがあるので、それを使った。要らないリモコンを分解して赤外線LEDとかでも代用できると思われる。


外すとプラスとシルク印刷していたので、極性が分かるが、マジックで念のためにLEDの切りかき部分が分かるようにマークをしておく。この+と書いてあるほうにリードの長いほうが入ればよい。



新しい赤外線LEDを装着して、ペンチで丁寧に足をL字に曲げる。


装着したところ。この状態でマウスをPCに接続し、移動させてテストする。もし動かない場合はLEDが逆の可能性がある。デジカメで赤外線LED部分を観察すると手っ取り早い。動きがぎこちない場合は、残念ながらそのCCDセンサーでは対応が難しい。



動作中。デジカメではちょっと写るが、肉眼では全く明かりが出ない。暗闇でも分からない。



左は赤外線LED、右は普通の高輝度LED。実際は左の赤外線LEDは真っ暗である。


実際これを使ってみたが動作に問題がなく、非常に満足している。

これに味を占めて、もう一つのマウスにも同様な改造をした。東京ニーズのUSBマウスで2001年頃に購入した。残念ながら、これはマウスポインタが期待通りの動作をしなかった。ポインターがプルプル震えながら移動するので、さすがにこれは使えない。外付け電流制限抵抗を変更して電流を増やしても微々たる改善のみ。CCDの性能に依存するのであろう。


メーカー 製品名 型式 購入時期 CCD型番(刻印) 赤外線改造 備考
3R systems corp. Optical mouse 3R-M2055R 2004年 C1165/05176AL 動作OK 後継機としてレーザマウスがある
東京ニーズ
(現オプティマ(株)
MOUSE TN-USBJRIII 2001年 H2000*0025 動作NG CCD感度が不足している。


この赤外線LEDの応用は、色々考えられる。防犯カメラの光源にも使えるだろう。





2007/2/9

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