乾電池1個で白色LEDを点灯させる実験


ここに紹介している回路は、実験としての回路であり、部品の耐久性や実用性などは考慮していません。車載用に使用することや、製品にそのまま応用するなどで、何らかの不具合や経済的損失が発生したとしても、管理人は一切関知致しませんので予めご了承ください。またそのような内容のご質問もお答えできません。









簡単な回路で白色LEDを乾電池一つで点灯させることができる回路です。乾電池は、0.8V位までなら使えますので、使用済みの電池を利用して、常夜灯などの応用が利くと思います。





動作説明



この回路は、弛張発振回路(しちょうはっしんかいろ)といって、回路構成が簡単な発振回路として昔から利用されてきた回路です。応用は色々あります。今回はその応用として乾電池一つでLEDを比較的明るく点灯させる試みです。





回路図








部品表


No. 個数 リファレンス パーツ名 詳細
1 1 BT1 BATTERY_1.5V 乾電池1.5V(0.8位まで使用可能。3V位が限度)
2 1 C1 100pF セラミックコンデンサ
3 1 C2 0.1uF セラミックコンデンサ
4 1 D1 1N4148 小信号用ダイオード(できれば電源用ショットキーが良い)
5 1 LED1 WHITE LED OSPW5111A(25000mcd)
6 1 L1 470uH 100uH〜1mHの間で調整。ラジアルタイプの方が内部抵抗が小さくて明るい
7 1 Q1 2SA1015 PNP型一般用トランジスタ
8 1 Q2 2SC1815 NPN型一般用トランジスタ
9 1 R1 10 10Ω(10〜220Ω位で調整)
10 1 R2 100K 100KΩ(33K〜100KΩ位で調整
11 1 SW1 SW 必要に応じて電源スイッチをつける

※この定数で動くという保障がありませんので、各部品はその近辺の値を用意することをお勧めします。

部品は全部入手が簡単なもので安いものばかりです。適正値はカットアンドトライで決定しました。
電源電圧は3V位が限界と考えておいた方が良いでしょう。
通電中LEDを開放して、再度接続しないように注意してください。高電圧ですぐにLEDが壊れてしまいます。LEDにはある電流以上は流れないのでR1を直結でも点灯はしますが、保護の為に一応抵抗を入れてあります。
D1とC2でパルス状の電圧を平滑(へいかつ)しています。これで直流として使用しています。この回路を取り、LEDを直接接続しても点灯しますが、パルス点灯のため、暗くなってしまいます。



性能


電圧 電流 ワット 条件
入力 1.38V 18.4mA 25.392mW 発振周波数24KHz
R1=100Ω
LED Vf=2.7V
METEXのテスターで計った為、電流測定で約10Ωの電流制限が入る
出力 3V 3.3mA 9.9mW
効率 39%

効率は良くありません。簡単な回路で点灯させる目的なので仕方ないでしょう。



シミュレーション




BLUE BACKSのCD−ROM付電子回路シミュレータ入門でチェックしてみました。LEDに入れる後段の平滑回路は省いています。


約65Vのパルス状の電圧がでております。周期は44KHzでした。



点灯させた所



回路構成は至ってシンプル。コイルは評価するため外に出しています。


新品の電池を使えば、暗くはなりますがLEDを直列に9個位まで点灯させることも可能です。こういう用途であれば、電池2本の3Vで動かしたほうがよさそうです。(表題の乾電池1つでという事に反しますが。。。)




アキシャル型のコイルでも点灯はしますが多少暗くなります。




コイルはこのように2種類の形があります。一般的にラジアル型の方が電流を流せられます。






2008/11/24 初版作成

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