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左の容器の薄緑の豆は、焙煎する前の珈琲の生豆です。珈琲の木には、熟すと赤くなる実が生るそうなのですが、その赤い実の中に入っているのが、珈琲の豆です。一つの実に2つの豆が入っていて、豆同士が接する側は平らになっているそうです。だから珈琲豆は扁平な感じの形なのですね。でも、一つの実の中に豆が一つだけということもあって、その豆はコロンと俵型のようになっています。ピーベリーと言うそうです。生豆の香りは、青臭くて、コーヒーらしい良い香りは全然しません。
生豆に熱を加えて焙煎すると、右の容器のような褐色の珈琲豆になります。香りも、あの珈琲の香りがします。珈琲豆の色は、焙煎の度合いによって変わり、浅く焙煎すると薄茶色ですし、深く焙煎すると焦げた黒っぽい色になっていきます。ですから、焙煎も、最後の方は煙がけっこう出てきます。
焙煎をすると、薄緑の豆がだんだん乾燥してきて、色は黄色っぽくなっていきます。さらに焙煎が進んで水分が抜けて豆の温度も上がってくると、色は黄色から茶色味を帯びてきます。香りも徐々に変わってくるのですが、その変化を見ていると、何だかワクワクします。
家庭で行われる最も手軽な方法は、木の実などを煎るための煎り網を使うことです。私も煎り網を使った、通称「手網焙煎」という方法で焙煎しています。
以下に、私のふだんの焙煎手順を紹介します。ほどほどにおいしく飲めれば良いという考えで焙煎しているので、あまり細かいところにはこだわっていません。焙煎時間もその時々でだいぶ違います。火加減や時間を変えながら試しています。最初は、12分から15分くらいを一つの目安にしていましたが、20分程度の焙煎時間になることが多くなってきました。その方が、焙煎後の味が安定して、劣化が遅いような気がしています。
その後、焙煎時間は短くなって来ました。150グラムの生豆で1ハゼまでが5分くらい、8〜9分程度で焙煎を終了。200グラムの生豆で1ハゼまで7〜8分くらい、10〜12分程度で焙煎を終了。味や劣化の具合も問題ありません。強火・短時間を心がけるようになりました。
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1.生豆の計量
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生豆を計量します。
この200CCのカップの縁まで入れると、
約150グラムになります。
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2.ハンドピック
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不良豆がないか、ハンドピックと言われる選別を行います。
不良豆が多い銘柄や少ない銘柄があるようです。
キレイで不良豆が少ない生豆は、気持ちよく扱えます。
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3.水洗いと再ハンドピック
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流し台の三角コーナーなどのネットに入れて水洗いします。
1分ほどでザルに移して水洗いを続行。
全体の洗い時間は1分30秒を目安にしていますが、
手際が悪くて2分くらいかかる時もよくあります。
三角コーナーなどのネット無しで、
最初からザルで水洗いをするときもあります。
使い分けというのではなくて、
何となく気分でそんなことになっています。
水洗いは、チャフという豆の薄皮や豆の汚れを落とすのが目的です。
チャフの量も汚れの量も、生豆の種類によりだいぶ違うようです。
水洗いしておくと、焙煎の時にチャフが散らかりにくくなります。
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水洗いすると、濡色になって豆の欠点が目立つようになるので、
再度ハンドピックを行います。
欠点の少ない豆は水洗い前のハンドピックを省略して、
この水洗い後のハンドピックだけにすることもあります。
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4.焙煎開始
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水洗い後にハンドピックした生豆を手網に入れます。
水気はタオルで拭いていますが、
豆は濡色で水分がかなり付着しています。
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5.焙煎途中
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焙煎を始めて2~3分ほどするとチャフが出始めます。
水気が抜けてきて、手網の中の豆の音も軽やかになってきます。
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さらに水分が抜けて緑から黄色に変化してきます。
手に持った感じも最初よりずいぶん軽くなります。
この色になるまでの時間を一つの目安にしています。
最初の頃はこの色まで6〜8分。
強火・短時間をこころがけるようになってからは、
3〜4分で黄色を目安にしています。
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実際の焙煎はフタをしているのでこのような感じです。
荒いザルをフタにしているので、中の豆が見やすいです。
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だいぶ茶色っぽくなってきました。
もう少しで最初のハゼになります。
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最初のハゼが終わる頃です。
ハゼの音は、ポップコーンほどではありませんが、
パンパンとはじけます。
でも、あまりはじけないこともあります。
のんびり動かすと、このようにムラが多くなります。
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6.焙煎終了
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火加減に気をつけながら、
最初のハゼが終わってからもしばらく焙煎を続けると、
2回目のハゼがやってきます。
2回目のハゼに入って間もなく焙煎を終了しました。
中煎りから中深煎りくらいと言えば良いのでしょうか。
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7.豆の冷却
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焙煎終了後は、冷却器で豆を冷やします。
手早く冷やさないと、余熱で焙煎が進んでしまうそうです。
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8.焙煎後の豆の保管
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焙煎後は、このようなビンに入れています。
食品の瓶詰め用に販売されている瓶です。
このサイズ、この形が気に入っています。
120~150グラムが一瓶の容量の目安です。
左のビンのフタにマグネットが付いているのは、
このビンのコーヒーから飲んでねという印です。
以上、私の焙煎はこのような感じです。
焙煎の画像や動画はネット上にたくさんありますので、
興味のある人は探してみてください。
私が最初に参考にさせていただいた、
こちらのサイトにもわかりやすい解説や動画があります。
crazy cafe のサイトへ。
以下はおまけ記事です。
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お気に入りのタイマー
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焙煎するときには、必ずタイマーを使っています。主にカウントアップで使いますが、このタイマーはカウントダウンの時の時間の設定も簡単で、使いやすくて気に入っています。簡易防水なので、手に付いた多少の水気はあまり気にせずに、ピピッとボタンを押すことができます。
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焙煎前と焙煎後
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生豆と焙煎された豆を並べてみました。焙煎されると豆が膨らんで大きくなっているのがわかると思います。ポップコーンまでとはいきませんが、焙煎すると豆がハゼますし、生豆の時よりも膨らみます。その反面、重量は軽くなります。十数パーセント軽くなることが多いようなのですが、私はだいたい2割くらい軽くなると大雑把に考えて焙煎しています。
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オーブンで焙煎
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ある日、きっとオーブンでも焙煎はできるのだろうなーと思いついて、生豆をオーブンに入れてみました。焙煎していて豆がハゼる温度は、200度前後になるらしいので、設定は240度の30分で予熱無しでオーブンに入れました。
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およそ20分後に、このように一応は焙煎されました。途中、豆がはじける瞬間を見れたのがおもしろかったです。でも、味はひどいものでした。とても飲めたものではありませんでした。オーブンでもちゃんとした焙煎はできるのかもしれませんが、私の場合は完全な失敗でした。我が家のオーブンと私の技量では、もう2度とオーブン焙煎は無いでしょう。
見た目はそれらしいのですが、中身は全然違うという感じでした。コーヒーも中身が肝心なのですね。
ただ単に熱を加えて豆が褐色になれば良いというものでもないし、豆の水分が抜けて乾燥すればそれで良いというものでもないし、きっといろいろな化学的な変化が豆に起こっているのでしょうね。詳しいことはわかりませんが、なかなか奥深い世界のようです。
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電子レンジで焙煎
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電子レンジでも加熱してみました。上の画像のような無残な結果になりました。もしも豆を撹拌しながら電子レンジで加熱できれば、もう少しは良くなるのかもしれませんが、初回がこの結果では、これ以上試してみる気持ちにはとてもなりませんね。
家電の中では、ホットプレートなどでの焙煎も可能かもしれません。でも、たぶん面倒なので私が試すことはないと思います。それなりの価格はするようですが、珈琲豆焙煎用の専用の家電製品もあり、ネット上の記事などを見ると、なかなか使いやすいようです。
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