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綿棒ホルダー?

綿棒ホルダーではないのだけれど、綿棒ホルダーなのです。



 私は、綿棒を仕事では使っていませんでした。それが2004年のある日ある時に、突然使ってみようと思い立ちました。

 まずは、近くのスーパーや100円ショップで綿棒を何種類か購入してきました。その中に、一つ気に入った物がありました。

 そして、その綿棒ならば使えそうだと思い、実際にどのように使おうかと考え始めました。

 まずは、綿棒は短いと言うのが問題でした。そして、両端が使えるようになっているけれども、普通に持って使うと両端を使うのはどうも難しそうです。やはりホルダーがあると使いやすくなりそうです。

 いくつか候補はあったのですが、ふと目にとまったのは、ペン立てに立てていた芯ホルダーでした。製図やドローイングに使うものですね。冒頭の画像は、その芯ホルダーに、綿棒をくわえさせた画像です。

 綿棒の軸は、おおむね2.5ミリほどの太さでしたが、芯ホルダーは2ミリ芯用の物でした。どうかと思って差し込んでみましたが、ほぼちょうど良く納まり、使いやすそうな感じです。

 

 芯ホルダーへの綿棒の差し込みは楽ですし、綿棒を捨てる時も簡単です。長さや剛性感なども問題なく、使いやすいものでした。

 使用する芯ホルダーは、ドロップ式のものが適しています。芯を少しずつ繰り出す、ノック式の芯ホルダーも少数ながらあるのですが、綿棒ホルダーにはノック式は合わないと思われます。

 芯ホルダーの先端に、半分に切った綿棒をくわえさせていますが、この画像の綿棒は頭の大きい、「シャワー綿棒」という名称で販売されているタイプです。



 さて、これはステッドラーと言うドイツのメーカーの、オールプラスチックの安価な芯ホルダーを分解したところです。この安価な製品は、むりやり引っ張り出さないと分解できないようになっています。

 実は、この写真の物はすでに壊れておりまして、私があれこれと試してみた残骸です。写真の中央の細い棒は、芯ですね。

 このホルダーが壊れた直接の原因は、口の奥の方を丸棒ヤスリで削ったためです。綿棒が入りやすくなるかと思って、削ってみました。最初はうまく行ったと思っていたのですが、部品のジョイント部分を削ることになるので、少し使っているうちに、突然壊れてしまいました。




 上の左の写真に写っているのは、芯ホルダーと真鍮の丸棒です。真鍮の丸棒は直径が3ミリの物を、先端を少し細く削ってあります。

 芯ホルダーを綿棒のホルダーとして使うには、口を少し広げなくてはいけないのですが、口を広げるために真鍮の丸棒を用意しました。実は、教室用も含めて、まとめて芯ホルダーを仕入れたので、できるだけ楽に口を広げようと思って用意したものです。

 口を広げること自体は、目打ちを使ったり、ただ指で広げるだけでもできるので、自分の物だけを調整するためでしたら、特別な道具を用意する必要はありません。

 それから、上の右の写真は何かと言いますと、ホルダーの口の奥に革の小片を詰めるところです。

 綿棒を奥まで入れると、ホルダーの軸の部品が狭いために、そこに綿棒があたり、綿棒を捨てる時に口をゆるめても綿棒が落ちてくれません。そこで綿棒が奥に入りすぎないように、ストッパーを入れておこうというものです。

 このストッパーのアイデアは、悪くないと思ったのですが、実際に使ってみると、たいして使いやすくなるわけでもなく、手加減で綿棒をくわえさせた方が楽でした。あえなく、この革の小片は取り除かれることとなりました。

 いつものことながら、余計なことをしてしまう私です。




 ところで、2ミリ芯用の芯ホルダーで、日本で最も一般的に販売されているのは、スデッドラーのホルダーと、三菱のユニのホルダーだと思われます。

 この画像の茶色い軸のホルダーが、ユニのホルダーです。2本のうち、上の細身の物が昔のユニの製品です。私が20年前くらいに買ったものです。そして、下の少し太目に見えるのが、現行のユニのホルダーです。

 実は、ユニの昔のホルダーは、綿棒ホルダーには最適です。昔のユニのホルダーは、口の奥の部品にも十分な内径がありまして、綿棒を奥まで入れても詰まりません。もしも、昔のユニのホルダーを持っている人は、試してみてください。使いやすいですよ。

 現行のユニのホルダーはどうかと言いますと、昔のものと比べると、今ひとつ使いにくいものがあります。芯を入れる軸自体は太いのですが、口の奥の軸のジョイント部品の内径が狭くなっているようです。綿棒用に作られているわけではありませんから、仕方ないですね。

 また、このページで紹介しているステッドラーのオールプラスチックの芯ホルダーは、以前は軸の色に数色の種類があったのですが、2004年現在いまでは青軸だけになりました。ステッドラーと言えば青軸。ブランドの象徴的な色だけを残したようです。ワンランク上の製品は、プラスチックの軸に、指で握るグリップの所が金属製になっています。綿棒ホルダーとして使うに当たっての使用感は、あまり変わりないようです。

 他に、ファーバーカステルなどのホルダーが日本国内で販売されているようです。世界中ではもっと数多くの種類のホルダーが販売されています。

 興味のある方は、「lead holder」で、検索してみてください。ものすごい種類のホルダーが出てきてびっくりするかもしれません。私は、びっくりしました。




 次なる画像は、綿棒を切っているところです。ハサミやニッパーで最初は切りましたが、切り口が太くなってしまい、どうもしっくり来ませんでした。

 ストローのような、プラスチックの軸は、ハサミでいいように思いましたが、紙軸用には裁断用の台を用意して、カッターで切ることにしました。

 これがなかなか快適でして、時間もかからず紙軸もきれいに切ることができるのです。ホルダーに差し込む時も快適です。

 角材にコルク板を張り付けたものですが、底には滑り止めの素材も貼りました。それから、コルク板の中央部を少し低く紙ヤスリで削るのがポイントです。軽く転がしながら綿棒を切ります。


 1パック切り終わると、ご覧のように裁断用の台の両側に、綿棒がわさわさと落ちています。ハサミなどで切ると、飛んでいってしまう時があるのですが、この切り方ではそういうこともありません。

 綿棒を切るのに、こんな台まで作ることはないんじゃないかと、自分でも思うのですが、これで切ると気持ちが良いのです。

 ところで、私が気に入った綿棒は紙軸タイプだったのですが、ストローのようなプラスチック軸の綿棒も、たくさんの種類が販売されているようです。このストロータイプは、使い方によっては軸の中を染料などが伝って、ホルダーの軸の中まで染料で汚してしまうこともあるようでした。あまり使っていないので、確信が持てないところもあるのですが、どうもそんな気がしました。念のため、ストロータイプにはお気を付けください。


「プラスチックの軸の綿棒は、そのまま使っているとおっしゃるとおり毛細管現象で染料が登ってきて反対側の綿に染み出して手が汚れます」 _暁さん談_  ということです。

やはり、気を付けましょう!これで私は完全に紙軸派!!




 話は芯ホルダーに戻りますが、残念ながら、私の住む田舎の町では、この手の文房具の入手が楽ではありません。以前はけっこう種類もあり楽に入手出来たのですが、文具店の品揃えは以前よりも貧弱になってきています。地方の衰退、あるいは小売業の衰退には、厳しいものがあります。

 グリップが金属のステッドラーのホルダーや、ユニのホルダーを置いている文具店は多いのですが、安価なオールプラスチックのステッドラーのホルダーを置いているところが、近くにはありませんでした。そこで、私がまとめて仕入れました。その時感心したのが、箱でした。下の画像です。


 箱の正面には、ドイツ語や英語などで(他はよくわからない)製品名が書かれていました。

 そして箱の右横には、「芯ホルダー」と日本向けの表記と、その隣に中国の省略文字のような書体で「自動鉛筆」という表示があり、そしてそのまた隣には「活動鉛芯筆」という表記がありました。(略字については、もしかすると文字の解釈が間違っているかもしれません・・・)

 箱の左横には、アラビア文字のような表記があり、箱の後ろの面には、世界の各国語と思われる表示がありました。

 この箱を見て、けっこうおもしろさを感じた私です。世界的な製品なんですね。



 さてさて、それにしましても、綿棒ホルダーの専用品が見あたらないのは、不思議な気がしますね。あるといろいろな用途に使えそうな気がするのですが、どこかで2.5ミリ軸用の、快適に使うことのできる専用のホルダーでも作ってくれないものでしょうか。



「綿棒ホルダー てんまつ記」

 綿棒のホルダーに、芯ホルダーが使うことができると気が付いた時、自分では目からウロコで、けっこううれしくて喜んでしまいました。そしてその日の夜、私は検索サイトで「綿棒ホルダー」で検索をしてみました。すると先頭に表示されているのは手縫い鞄の暁工房さんのサイトではありませんか。

 「やっぱり〜」と言う感じです。なにせ、暁さんはたくさんのアイデアを紹介されていて、何か思いついた時に暁さんのサイトに行ってみると、同じことがすでに暁さんのサイトで紹介されていることも、少なくないのです。

 暁さんのサイトで紹介されていたのは、黄色い軸のデザインナイフを改造した綿棒ホルダーでした。実は、私もこの黄色い軸のデザインカッターを、綿棒ホルダーに改造しようかとも思っていたので、ドキッとしたのでありました。手持ちが一本しか無くて良かったー。余分があったら、間違いなく改造していました。

 暁さんのとは違うアイデアでセーフだと思った私は、暁さんに「そのうち綿棒ホルダーの記事を書くかもしれませんが、記事がかぶるのですいませんー。」というメールを送りました。すると、衝撃の返信メールが・・・・。

 「製図用の芯ホルダーは綿棒ホルダーに使うことができると、日下さんがおっしゃっていましたよー。」 と言う内容の返信メールが届いたのでありましたー。芯ホルダーのことはメールに書いていなかったのに、暁さんはピンと来たんでしょうね。あー、暁さんの壁をクリアしたと思ったら、こんどは鞄工房:日下公司の日下さんの壁が待っていたのであります。

 そうか、日下さんもお使いになっているのかー。私は、日下さんにも早速メールして、あれこれ教えていただいたのでありました。気になっていた太軸ホルダーについても日下さんに質問しました。

 芯ホルダーには、3ミリ以上の太さの芯に対応しているタイプがあるのですが、私の地元の文具店には在庫がなく、取り寄せるにも一箱でと言われたりで、なかなか気軽に試すわけにはいかなかったのです。

 日下さんにお尋ねしたところ、日下さんも太軸はお使いになっていなかったのですが、なんと綿棒をポケットに忍ばせて、東急ハンズに試しにいってくださったのです。う〜ん、どういうタイミングで綿棒を取り出したんだろう?そっと隠れて?それとも店員さんの目の前で、堂々と?ムムムム〜〜〜〜ン?

 太軸ホルダーについては、ぜひとも知りたかったので、わざわざ試してくださって、ありがたかったです。日下さん、ありがとうございました。それにしても、ハンズが隣だなんてうらやましい限りです。で、気になる太軸ホルダーですが、綿棒はくわえやすいそうですが、固定力はやや甘いかもしれないそうです。実用上は問題ないかもしれないけれど、自己責任で選択をするようにと言うことでした。

 太軸のホルダーが入手しやすい人は、太軸も試してみると良いかもしれないですね。

 さてさて、私よりもずいぶん前から芯ホルダーが綿棒ホルダーとして使うことができることに気が付いていた方が、すでにお二人。そこで、サイトの新しいページを作るにはどうかと少々悩んだのですが、教室でこのホルダーを紹介してみると、なかなか好評だったので、ページを作ってみることにしました。そして、できたのがこのページです。

 もちろん、暁さんと日下さんのお二人には、前もってページを見ていただき、ここに登場していただくことにもご了解をいただきました。

 お二人には、お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!!今後とも記事がかぶった時には!?、よろしくお願い申し上げます〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。(日下さん流〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜の技〜〜〜。)



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