店主の釣りバカ日誌2001 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2000
9月26日「禁漁前釣行」の巻
いよいよ、今シーズンも最後の休日釣行となってしまった。9月に入って、大物の出そうな場所に足繁く通ってはいるのだが、電子ビク(デジカメ)にキープするようなサイズにはお目にかかれない。今日は、最近入っていないポイントに的を絞り、最後の期待をかけてみる事にした。ここのところ高い水位を維持しているため、ウエットフライと言う手もあるが、ドライフライにこだわり締めくくる事にした。
だが、今日もやはり、出てくるのはチビヤマメばかりである。出てきても、大き目のフライを付けているため、フッキングに至らない。しかし、フライチェンジはしない。狙っているのはこのフライをガッポリ飲み込んでくれる大型サイズだから。
数十メートルの長い流れを、丹念にフライを流してみるが、相変わらずチビヤマメのご挨拶である。もう夕暮れも迫り「今シーズンはこのまま終わってしまうのか」と今シーズンの釣行の記憶を思い出しながら、慎重にキャスティングを繰り返す。流れの中ほどに突き出し石があり、その脇をフライが流れたときだった。「ガボッ」と今までと違う物体が水面を割った。「またウグイか?」と前回の苦い思いが脳裏をよぎる。しかし、明らかに今回のは引きが違う。グリグリとローリングする引きは間違いなく鱒族の引きだ。葦に絡まないようコントロールし寄せてくると、パーマークがはっきり確認できた。ランディングネットを差し出し慎重にランディング。「やった!」精悍な顔をしたオスアマゴだ。
急いで電子ビク(デジカメ)を取り出し、記念撮影をする。???が、フラッシュが点灯しない。もうすっかり日は落ちて、辺りは暗くなっているので、自動でフラッシュがたかれるはずだが、何度撮影しても点灯しない。どうも以前落としたショックで壊れているらしい。どうした物か思案しているうちに辺りはどんどん暗さを増してくる。何種類かの選択肢を思い描く。思い出だけ残しそのままリリースするか・遠い道のり別のカメラを取ってくるか・キープしてしまうか。しかし、死んだ魚の写真は撮りたくはない。あれこれ考えているうち、妙案がひらめいた。キャンプ用のクーラーボックスに生かして帰り、後でリリースしてやるという方法だ。
こうして、妙案が功を奏し、無事写真を撮り終え、アマゴも無事某所で結婚相手を探しているはずである。
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9月某日「魚無滝釣行」の巻
禁漁も間近の9月某日、近郊のにある滝まで釣行してみた。噂では魚はいないということだが、その事実を確かめる為、滝までの区間約1kmの遡行である。
ポイントごとにフライを落としてみるのだが、フライは静かに下流に向かって流れていくのみである。見るからに魚のいそうなポイントを見つけ「ここで出なけりゃ嘘だよなー」と思いながら、フライを流してみるが、噂どおり魚影らしき物は見える気配は無い。いくら釣り荒れたといっても、毒流しでもしなければ、釣り人に釣りきられるものではない。
水質は文句無しのジンクリアウオーターである。「この水質で魚がいない訳ないだろう」と流れで喉の渇きを癒しながら遡行を続けたが、ついに何事のドラマも起こらないまま滝が見え始めた。「いくらなんでも1匹は釣れるだろう」という期待も空しく、1kmの釣行を終えた。
噂に聞いたように、本当に素晴らしく綺麗で、魚さえいない清涼な流れであった?
そうそう、滝の名前は、・・・魚無滝とでもつけておきましょう。
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9月19日「魚止め堰堤の尺○○○」
早いもので、今シーズンも10日ほどを残すのみとなってしまった。納得できる釣果も無くこのままシーズンを終えてしまうのかと、気ばかりが焦る。
そろそろ、渓流魚たちは結婚相手を探して、移動を始める時期だ。しかし、ほとんどの河川には堰堤という人工構造物が存在する。遡上しようとする渓魚たちの行く手を阻み、時にはこれが釣り師にとって、良い結果をもたらす事があることは周知の通りである。
数日前から、気になっていた2メートルほどの堰堤があり、500メートルほど下流から入川した。チビヤマメと戯れながら遡行し、堰堤に着いた時は、すでに日も落ち、絶好のイブニングタイムを迎えた。魚たちの活性は高く、釣果に期待した。
ドライフライが流れに乗り、左右の流れが合流する所で、波にもまれ消えた。そのときフライラインが引き込まれ、水面に突き刺さった。間違いなく大物の感触だ。スコットのそう柔らかくない#3番ロッドがバットから曲がっている。「やった、これで今シーズン有終の美を飾る事ができる」そう思いながら、慎重にやり取りし引き寄せる。ランディングネットを手にし、万全の取り込み体制を整えた。魚がだんだん近づき、魚体が見えてきた。「よっしゃ!」とランディングネットに収まったのは、ヤマメではなく、アマゴでもなく、イワナでもなく、それは丸々と太った尺ウグイであった。しかも、たて続きに3匹も・・・残念!しかし、なかなかドキドキさせられた釣りではあった。
9月9日「秋の出勤前釣行」の巻
例年に比べ、禁漁前の川のコンディションが良く、ついつい、秋の出勤前釣行の回数が増えそうな感じである。人間が快適な気温は、魚にとっても快適温ということなのか、日中でも、よくフライに反応してくれるようだ。春先よく通った、堰堤から堰堤までの淵を攻略してみるとチビヤマメが元気良く飛び出してくる。しかし、求めているのは君たちではない。「どこかに秋の本流大ヤマメが潜んでいるはずだ」と執拗に核心部を流しても、なかなか本命のサイズは現れない。本日の最大サイズはこの約25センチであった。まだまだ大きい奴がどこかに潜んでいるはずだ。
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9月5日「白い渓」の巻
今年は、近年にしては珍しく水量に恵まれている。台風のおかげで、大地が充分潤いどちらかというと、フライフィッシングには水量が充分すぎるようだ。こんなときは、濁りの心配のないH川へ出かけることが多い。花こう岩質のため濁りにくく、他の川では釣りにならない日でも釣りが可能なケースが多いからである。
先ず、ペアリングを前に遡上してくる大ヤマメを狙って、魚止め堰堤あたりを釣ってみるが、お相手してくれるのは今年生まれたばかりの赤ちゃんヤマメばかり。フライを乾かしてはドライシェイクスプレーをシューシューするのが忙しい。(シャカシャカやる人は少なくなりましたね)
やはり、「マムシや熊を怖がっていては、良い釣りは出来ないのか」と思い切ってエイヤーと藪を走り抜け、上流部に分け入ってみると、やはり反応が違う。写真のようなイワナ君とヤマメ君がお相手してくれた。
以前から、白い石の渓には白いフライ。黒っぽい石の渓には黒いフライという俗説があるが、前記したように白い花こう岩のこの渓の魚も白いフライに反応が良いらしい。水生昆虫も保護色になるのどうかは良く知らないが、釣れた魚も気のせいか白っぽく見えた。
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