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(1)
上に有界な広義単調増加列は、その上限に収束する。
つまり、
もっと言うと、
※なぜ?→証明
※予備知識:上に有界な数列には、つねに、上限が存在する
→杉浦『解析入門I』I-§3-定理3.1 (p.17);
青本『微分と積分1』§1.3(b)命題1.24(p.19);p.20中間;
黒田『微分積分学』§2.6.1定理2.13(pp.55-6)
(2)
下に有界な広義単調減少列は、その下限に収束する。
つまり、
もっと言うと、
※なぜ?→証明
※予備知識:下に有界な数列には、つねに、下限が存在する
→杉浦『解析入門I』I-§3-定理3.1 (p.17);
青本『微分と積分1』§1.3(b)命題1.24(p.19);p.20中間;
黒田『微分積分学』§2.6.1定理2.13(pp.55-6)
(3)
有界な広義単調列は収束列である。
(単調でない有界な数列については、収束するかどうか、わからない)
→笠原『微分積分学』1.2定理1.10(p.13)
※なぜ?→上記の(1)(2)より。
(4)
上に有界でない広義単調増加列は、+∞に発散する。
つまり、
[杉浦『解析入門I』I-§3定義2-3.5(p.19):+∞の定義より]
(5)
下に有界でない広義単調減少列は、−∞に発散する。
つまり、
[杉浦『解析入門I』I-§3定義2-3.5(p.19)]
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[文献−実数の連続性まで見通したスケールの大きな説明]
・赤攝也『実数論講義』§5.4公理6-3(p.129):(1)証明付;公理6-3'(p.129):(2)証明略;
p.130,pp.133-4では、
「実数のデデキントの連続性公理」⇔「ワイエルストラスの実数の連続性公理」⇔「有界単調数列の収束定理」
⇔「アルキメデスの公理+区間縮小法の原理」
が指摘。
p.129:「ワイエルストラスの実数の連続性公理」⇒「有界単調数列の収束定理」
pp.133-142:「有界単調数列の収束定理」⇒「アルキメデスの公理+区間縮小法の原理」
⇒「実数のデデキントの連続性公理」
・神谷・浦井『経済学のための数学入門』定理2.2.2(p.71.)
:(1)(2)(3)すべてワイエルストラス連続性公理から証明。
注意2.2.1(p.76)で
「ワイエルストラスの実数の連続性公理」⇔「有界単調数列の収束定理」⇔「アルキメデスの公理+区間縮小法の原理」
⇔「アルキメデスの公理+ボルツァノワイエルストラス」
⇔「アルキメデスの公理+コーシー列の収束」
等を指摘。証明は略。
・杉浦『解析入門I』I-§3-定理3.1(p.17)→R17実数の連続公理(p.7):(1)(2)証明付;I-§3定義2-3.5(p.19):(4)(5)
1章§3冒頭(p.17)注意4(p.27)で、
ワイヤストラス⇒有界単調増加数列の収束⇒「アルキメデス+区間縮小法」
⇒ボルツァノ・ワイヤストラス⇒「アルキメデス+コーシー収束条件」⇒ワイヤストラス
を提示。
・斎藤『数学の基礎:集合・数・位相』2.5.8定理(pp.55-58):
順序体一般において
「ワイエルストラスの連続性公理」「有界単調数列の収束定理」「コーシー完備+アルキメデスの公理」
が同値であることを証明。
これら同値な条件を備えた順序体として実数体を定義[2.5.13(p.59)]、
これらの同値な条件を実数の連続性と呼ぶ。
・黒田『微分積分学』§2.6.1定理2.13(pp.55-6):(1)(2)。(1)の証明付。
・松坂『解析入門1』2.2-B単調有界数列の収束定理(p.69):(1)(2)。(1)のみ証明付。
・岡田『経済学・経営学のための数学』定理1.4(pp.9-11)
(参考として)
・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』定理16.9(p.173):(1)実数の連続性公理からの証明付
(ただし実数がデデキントの切断として定義されている。);
系16.10(p.174):(2)証明略
・青本『微分と積分1』§1.3(b)命題1.24(p.19):(1)(3):これを実数の連続性公理として提示。
ここから、 上に有界な数列には、つねに、上限が存在するを導出。
実数の連続性の説明:例(5)(p.2)→§1.3(pp.17-19):有理数列の極限としての実数。
・志賀『解析入門30講』第2講(pp.10-11;13):単調有界数列の収束定理を定理ではなく「実数の連続性の公理」として提示。
p.11実数の十進小数展開との関連。
pp.13-14:単調有界数列の収束定理⇒区間縮小法
[文献−実数の連続性まで見通さないスケールの小さい説明]
・小平『解析入門I』§1.5-b 定理1.20(p.37):(1)(2).証明は(1)のみ。
・笠原『微分積分学』1.2定理1.10(p.13):(3)。証明は(1)。小平と同じ? ・和達『微分積分』7章2節有界な単調数列(pp.173-174).証明なし
・吹田・新保『理工系の微分積分学』定理4(p.10.)
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cf. 定理:収束する数列は(数の集合として)有界である。
ボルツァノ・ワイエルストラスの定理
※活用例:有理数指数の累乗の大小関係/
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