笑顔

Happiness Mari

最近読んだ本の中から思わずにっこりしてしまった私でした。
それは「張り紙で看護婦さんを笑顔にした淀川長治さん」です。

ある大学病院の入院患者に「あなたはどんな看護婦さんが好きですか?」と アンケートをとったところ結果は、 技能の高さでも知識の豊富さでも経験年数でもなくまして美人かどうかは関係ありませんでした。
人気ランキングのトップは「よく笑う看護婦さん」でした。

映画評論家の故・淀川長治さんが東京のある大学病院に入院した時のことです。
忙しすぎる看護婦さんたちはつっけんどんでこわい顔ばかりに見えたので淀川さんはあることを思いつきました。
病室のドアに一枚の紙を貼りつけたのです。
それには「このドアを開ける人は笑顔で入ってきてください」と書いてありまし た。

検温のためにドアを開けようとした看護婦さんはそのメモに気づき、にっこりし て「いかがですか」と優しい声で淀川さんに話しかけました。
笑顔の和は病棟から病院中にひろがりみごと淀川さんのねらいは功を奏し病院長か らとても感謝されたそうです。

自分の顔は自分のものだけど、自分では誰も見ることができないものです。
自分の顔は自分が見るためではなく、みんなに見ていただくためにあります。
人の体には使えば発達する、使わなければ退化するという法則があります。
いつも鬼瓦みたいな顔をしているとその表情筋だけが発達して固まってしまいいざ笑 おうと思ってもひきつった顔になってしまいます。
むずかしい顔をしつづけた結果が「仏頂面」なのです。

これはまさに今の私でした。
たんたんとした平凡な毎日を過ごしていた私は笑顔という表情をすっかり忘れて いました。
一日出勤する家族に「いってらっしゃい」「お帰りなさい お疲れ様」の心がな かったような気がします。
「行ってらっしゃい」の言葉こそ言いますがそのあとには「やれやれ」と。
また「おかえりなさいお疲れね」と言いながら心は「食事の支度をしなくっちゃ、 あーあ…」なんて。
きっと私の顔は面倒そうな顔をしていたと思います。

家庭はみんながやすらぎの場でなくてはいけません、それには笑顔が大事でした。
笑顔の効用をもう一度見直し実行してみたいと思った一冊の本でした。