ヤマハッカと仲間達

ヤマハッカ

秋に山裾を散策するとオランダハッカ、ナギナタコウジュ、ヒメジソ、イヌコウジュ、キバナアキギリ等、種々のシソ科の花に出会うが、ヤマハッカもその一つで、この地方にかぎらず日本全国の山野の草地や林縁によく見られる。( 「芳香の薬草ナギナタコウジュ」 「ヒメジソとイヌコウジュ」 「日本のサルビアキバナアキギリ」 の項参照)
山に咲き、ハッカに似ているのでヤマハッカと名付けられたが、同じシソ科ではあるもののハッカとは別属で、ハッカのような香気はなく、役に立つ植物ではない。( 「オランダハッカとミント」 の項参照)

それでもシソ科ヤマハッカ属を代表する花で、この属にはヒキオコシ、クロバナヒキオコシ、アキチョウジ等がある。

ヤマハッカ

クロバナヒキオコシ

アキチョウジ

ヤマハッカは香気はなく、役に立たない花ではあるが、拡大すると特徴の有る花を付け、夏の終わりから秋にかけて山野でそれなりに自己主張する。
ヒキオコシは野の花として取り上げるにはあまりにも花が目立たないが、古来から有名な苦味健胃薬で、瀕死の病人がこの薬を飲んで立ち上がった事からヒキオコシの名が付き、延命草とも呼ばれる。 ヒキオコシに似て黒い花を付けるクロバナヒキオコシは花としても比較的目立つが、日本海側に多い花で、この地方でも北の山裾まで行かないと見つからない。
アキチヨウジは花が丁子形(ちょうじがた)をして秋に咲くのでその名があり、関東と関西では花柄の長さ等が若干違い、関東のものはセキヤノアキチョウジと呼ばれる。 「関屋の秋丁子」 と書き、関屋は関所の事で、箱根に多い事からその名がある。
ヤマハッカ、ヒキオコシ、クロバナヒキオコシ、アキチョウジは同じシソ科ヤマハッカ属に属する近縁の花である。

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