ナギナタコウジュ

10月の中旬、関東平野に位置する埼玉県深谷市の最高峰ではあるが、僅か330mの里山である鐘撞堂山の山裾を散策すると、日当たりの良い林縁に紫色の小さな花を片側だけにいっぱい付け、その反り返った花穂が薙刀(なぎなた)を思わせる花があちこちで見られる。
ナギナタコウジュ(薙刀香需)と呼ばれるシソ科の花で、その花穂を薙刀に見立て、この植物から漢方の薬 「香需(コウジュ)」 を造る事でその名がある。

ナギナタコウジュの花と葉

ナギナタコウジュ開花中の地上部を刈り取り、日陰で乾燥させれば漢方薬の 「香需」 となり、風邪の発汗、解熱、神経痛に効き、又、口臭の予防や暑気あたり、下剤等にも用いられる。
この花はシソとハッカを合わせた様な強い香りを持つ。 漢名の香需もこれら香りを持ち薬草となる植物群を指すようであるが、いわゆる西洋で言うハーブの事で、シソと並んで日本の代表的なハーブである。( 「シソとハーブ」 の項参照 )

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