オランダハッカとミント類

オランダハッカは盛夏から初秋にかけて土手で良く目立ち、独特の爽やかな香りを漂わせる。
ハッカ(薄荷)はミントとも呼ばれるハーブの一種で、メントールと呼ばれる清涼感を出す成分を含み、医薬、料理、歯磨等の香料として数千年の歴史を持つ植物で、4000年前のエジプト文明の頃、富豪の香水風呂に用いられたとされ、ミイラの頭に乾いたハッカの葉が敷かれていた事が分かっている。
ハッカ(ミント)は大きく分けて、緑ハッカ(スペアミント)、和種ハッカ(ジャパニーズミント)、コショウハッカとも呼ばれる洋種ハッカ(ペパーミント)の三種類に分けられ、オランダハッカはスペアミントのひとつである。

オランダハッカ        和種ハッカ          洋種ハッカ

日本のハッカの歴史も古く、和種ハッカは600年頃中国から渡来したとされるが、平安時代の書 「本草和名」 には 「中国で言うハッカは日本のメグサが相当している」 と有り、疲れ目等にメグサ(目草)として用いられているので、古来から日本で自生していたかも知れない。
その後、江戸時代に本格的に栽培され始め、明治の頃には北海道の北見地方で大々的に栽培され、最盛期は世界のミント生産の70%以上を生産していた。
戦後、ブラジル産の洋種ハッカに押され、昭和58年に北見ハッカ工場の幕が下ろされた歴史がある。
和種ハッカはメントール含有量がハッカ(ミント)の内では最大であるが、人工メントール等にも取って代わられ、現在では細々と栽培されているに過ぎない。
ハッカの名の由来は漢名の薄荷の音読みで、薄荷の意味は膨大な量の原料からコンパクトに商品化されると言う事から来ているようである。 オランダハッカはヨーロッパから来た薄荷の意味である。

 オランダハッカに群れる蝶

洋種ハッカも和種ハッカも散歩道や野原で見られるが、特にオランダハッカは各地で野生化し、ひときわ目立つ。 花の盛りになると色々な種類の蝶を始め各種の昆虫が群がる。

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