クルマバナと夏のシソ科の花

クルマバナ

夏の土手や野原の散歩道で遠くからでも目に付くシソ科の花の代表例が、初夏のトウバナ、盛夏のクルマバナ、晩夏のオランダハッカである。( 「トウバナとその仲間」  「オランダハッカとミント類」 の項参照)
中でもクルマバナは他のシソ科の花に比べれば花自体も比較的大きく見栄えがし、野に咲くシソ科の花の中でも目立つ花である。
ピンクの花が茎を車の車輪のように取り囲み、輪生して咲くのでこの名が有り、日本、朝鮮半島にかけて分布し、日当たりの良い山野の草地に7月から9月にかけてその可愛い姿を現す。 

四角い茎と唇形花を持つシソ科の花の特徴をよく現す多年草で、仲間にはヤマクルマバナがあるが、ヤマクルババナはクルマバナの変種で、クルマバナのガクが紫がかるのに対し、緑色である。


   クルマバナ         クルマバナ        ヤマクルババナ

クルマバナはトウバナ属の花であるが、目立つクルマバナやトウバナ以外にも気をつけて見れば夏の土手や野原には小さなシソ科の花々が次々と咲く。
イヌトウバナ、ミヤマトウバナやレモンエゴマ、ニガクサ、あるいは別の項で紹介してあるウツボグサ、メハジキ、イヌゴマ等種類も多い。(「和洋共通の薬草ウツボグサ」  「世界の婦人病薬メハジキ」 「イヌゴマとカラスノゴマ」 の項参照)

イヌトウバナ         レモンエゴマ         ニガクサ

イヌトウバナはクルマバナと良く似ているが花が小さく、クルマバナほど目立たない。
レモンエゴマはエゴマ(荏胡麻)に似て、揉むとレモンの香りがするのでこの名がある。
ニガクサは苦草と書くが苦くはなく、名の由来は不明である

春の花が盛りを過ぎ土手や野原がが寂しくなる頃、小さな可愛いシソ科の花々が散歩をする人の眼を楽しませてくれる。

次へ

最初のページへ戻る