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トップページ> 映画>レビュー> 2006年> 3月
March, 2006
ブロークバック・マウンテン
Brokeback Mountain
監督: アン・リー
原作: E・アニー・プルー
脚本: ラリー・マクマートリー
ダイアナ・オサナ
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
出演: ヒース・レジャー
ジェイク・ギレンホール
ミシェル・ウィリアムズ
アン・ハサウェイ
ランディ・クエイド
リンダ・カーデリーニ
アンナ・ファリス
ケイト・マーラ
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第78回アカデミー賞最優秀監督・脚色・オリジナル音楽賞受賞
アン・リー監督の作る映画は、美しい。 ★★★★☆
今年のアカデミー賞では、作品賞こそ逃しましたが
その他の映画賞をほぼ総ナメした、この映画。
以前、どこかの記事で、アン・リー監督自身が
「まさかこの映画がここまで評価されるとは思ってなかった」
と発言していた気がするんですけど、

その気持ち、よ〜くわかります!

なにせ、超地味な作りですもんね。
でも、その地味さ(いや、地味というと言葉が悪いな)
そのシンプルさが醸し出す、作品の奥行き・深みみたいなものを
じわじわと感じています、今。

だからね、この映画が素晴らしいということには
何の異存もありません!

イーストウッドの傑作『許されざる者』を彷彿とさせる
雰囲気があったように思いますね。
まず、セリフやナレーションでいろんな背景を説明する
のではなく、俳優たちの視線や仕草や行動でニュアンスを
伝えようとする、繊細で正直な作りが好感持てました。
そして、それに見事に応えていた俳優陣がすばらしい!
人の持つ強さも弱さも、キレイなところも汚いところも
ありのままにブチまけられていたと思います。

ヒース・レジャーがあんなに芸達者だったとは!
ジェイク・ギレンホールがあんなに素晴らしいとは!
アン・ハサウェイがあんなに美乳だったとは!
ミシェル・ウィリアムズ、名前を覚えておかないと!

シンプルなギターサウンドで構成された音楽もすばらしく、
壮大な風景と細かな心情の機微を余すところなく映し出した
映像もすばらしかった!

もう、言うことなしですね。

-----

ひととおり絶賛したところで。
さて、この映画の主題は何なのか?
これがまだよくわからないんです。
わからないというのは、映画が悪いんじゃなくて
オレのアタマが悪いだけなんですけど…。

主人公のイニスとジャックは、アメリカ南部に住む
ビンボーなカウボーイ。羊の放牧の仕事を二人で
やることになり、山の中で二人きりの生活を送るようになる。
そのうち、二人のあいだに愛情が生まれたのだが、
偏見の根強い地方で男同士の愛が認められるはずもなく、
ふたりは別々の場所で女性と結婚をし、子供を作った。
それでも、ふたりは密会(?)を重ねるのであるが…。

というこの映画は、イニスとジャックの
20年に及ぶラブストーリーという風に扱ってもいいのかな?
男同士ということで違和感は残るものの、
映画を観ているうちに「性別」の問題は些細なことなのかな?
とも思えるようになり、ふたりの恋愛(というか不倫というか)
の行方を素直に見つめることができました。

こんな受け止め方でいいのかなぁ?
背後にはもっと深い意味みたいなものがあるのかなぁ?
とも思うんですけど、なんなんだろ?わからん。
この答えは、もっと時間が経ってからじわじわと
わかってくるようになるのかもしれませんね。
posted on 2006.03.28
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ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!
Wallace & Gromit : Curse of the Wererabbit
監督: ニック・パーク
スティーヴ・ボックス
脚本: スティーヴ・ボックス
ニック・パーク
ボブ・ベイカー
マーク・バートン
音楽: ジュリアン・ノット
ハンス・ジマー
声の出演: ピーター・サリス
レイフ・ファインズ
ヘレナ・ボナム=カーター
ピーター・ケイ
ニコラス・スミス
《日本語吹き替え版》
萩本欽一
飯島直子
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第78回アカデミー賞最優秀長編アニメ賞受賞
待った甲斐がありました! ★★★★★
劇場公開作品としては4作目になりました、グルミット最新作!
アカデミー賞の長編アニメ賞も獲りましたし、アニー賞という
アニメ界の最高賞も独占しました。
ま、シリーズ2作目・3作目では
アカデミー賞短編アニメ賞を獲ってますから
今回の受賞でギャーギャー騒ぐことはないのです、本来。
当然の結果であった、と言うべきでしょう。

そんな大ヒット作も、日本ではあまりヒットしていない模様。
映画館に行っても、子供連れのファミリーがチラホラ
見受けられるだけで、とても一般層にまで浸透しているとは
思えませんでした。なんかすげぇ寂しいな…。

ほぼ全編が粘土で作られたこの映画、すごいんだから!

1作目は宇宙旅行、
2作目は泥棒ペンギンとのクライムサスペンス、
3作目はヒツジの毛を狙うサイボーグ犬とのアクション、ときて
今回は「月の出る夜に現れるウサギ男をめぐるホラー(?)」です。

オオカミ男伝説に
ヴァン・ヘルシング』と『シザーハンズ』を足して
グルミット風味に味付けした、って感じでしょうか!?
(なんか違うかも?)
90分の長編にうまく対応した、楽しい物語でしたね。
ウォレスの人柄も、グルミットのひたむきさも、ウサギたちの
存在感も、脇役キャラたちの個性も、みんなよかった!
ニコニコ顔が止まらず、ほっぺたの筋肉が疲れましたもん!
クライマックスの疾走感は、やっぱり気持ち良いし!
すっげぇ楽しかったよ。ガキどもよりも楽しんだ自信あり!

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一部「欽ちゃんの声」に拒否反応を示している人たちの意見も
目にしますが、その気持ちはわかります。10年以上前、
初めてこのシリーズをビデオで見たとき、オレもダメでしたから。

なぜ欽ちゃん?

と思いましたもんね、最初は。
それがどーでしょ?
今では、ウォレスの声は欽ちゃん以外ありえない!
としか思えなくなっています。
人間、イヤなことでもちょっとだけガマンすれば、そのうち
長所も見えてくるものなのです。(エラそうですけど…)

それから、今回の作品では一部でCGが使われているそうです。
今までは、この「ひとコマずつ粘土模型を動かしていく」という
超アナログな手法のみで作られていたシリーズに、デジタルが
入り込んできたということで拒否反応を示している人がいるかも
しれません。

が。
それも、些細なことだと思います。
CGといっても、単なる装飾に過ぎず、全編にわたって
粘土の魅力満載ではありませんか!
これぞグルミット!これぞアードマン!と拍手を贈るべきです。
5年間かけて作り上げられた、このすばらしい作品に感謝。
posted on 2006.03.27
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ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女
The Chronicles of Narnia: The Witch, The Lion and The Wardrobe
監督: アンドリュー・アダムソン
原作: C・S・ルイス
脚本: アンドリュー・アダムソン
クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
アン・ピーコック
音楽: ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演: ウィリアム・モーズリー
アナ・ポップルウェル
スキャンダー・ケインズ
ジョージー・ヘンリー
ティルダ・スウィントン
ジム・ブロードベント
ジェームズ・マカヴォイ
リーアム・ニーソン
ルパート・エヴェレット
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第78回アカデミー賞最優秀メイクアップ賞受賞
んーー、ビミョー。 ★★☆
『ロード・オブ・ザ・リング』と並んで
児童文学界での大ベストセラーなんだそうですね、
この『ナルニア国物語』って。
映画化されるまでは、どっちの作品についても
タイトルさえ聞いた覚えがなかったです…。
ごめんなさい。

別の映画を観に行ったところ、満員で入場できなかったため
替わりにこの映画を観ることにしたんですけれども、

んーー、ビミョー。

第2次大戦下のイギリス。
田舎に疎開したペベンシー家の子供たちが
古い洋服ダンスに潜り込むと、そこは雪に覆われた別世界だった。
半馬半人のケンタウロスや半山羊半人のフォーンなど
伝説上の生物たちが住み、動物たちが人間の言葉で話す
不思議の国ナルニアで、白い魔女の支配から住民たちを救うため、
少年少女の冒険が繰り広げられていく。

というお話。

つかみは上々でした!
半山羊(ヤギ)半人のフォーン、タムナスさんが登場したあたりは
今後の展開にワクワクしたものです。
でもねぇ、その後は、なんかだんだん腑に落ちなくなってきた
というか、話が雑になった印象があったり、
お子様向けのテイストが鼻につく雰囲気が感じられたりして、
『ロード・オブ・ザ・リング』のような
圧倒的な迫力に欠けてるような気がしたんですよねぇ〜。
比べちゃいけないとはわかっていても、ついつい比べてしまう。
この映画の宿命みたいなもんです。

子供たちはとてもかわいくて(特に末っ子の女の子!)、
運命に翻弄されながらも一生懸命がんばっている様子が
すごく伝わってきましたし、悪役もバッチリ、
動物たちも愛くるしかったり、威厳があったり(ライオン!)、
よくできていたと思うんですけども。

やっぱ、肝心のお話がなぁ〜、ダメだとなぁ〜。

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本編とは関係ありませんが、
エンディングで流れた音楽ですね。
これが、ちょっとよかったです。
特に大トリを務めたのがティム・フィンだというところが
心憎いというかビックリ!
ニュージーランドに敬意を表しての人選でしょうか!
フィン兄弟らしい、いい曲でした〜♪
posted on 2006.03.22
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フライトプラン
Flightplan
監督: ロベルト・シュヴェンケ
脚本: ピーター・A・ダウリング
ビリー・レイ
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ジョディ・フォスター
ピーター・サースガード
ショーン・ビーン
ケイト・ビーハン
マーリーン・ローストン
エリカ・クリステンセン
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
ジョディ・フォスターがスゴイだけ。 ★★☆
ひさしぶりのジョディ・フォスター主演作は
パニック・ルーム』にも通じる、密室サスペンスです。
ただ、その密室となる舞台が"最新鋭のジャンボジェット機"
というところが、目新しいのかな?

夫を失ったばかりの女性航空機設計士カイルは、
6歳の娘とともに自分が設計したジャンボ旅客機に乗って旅立つが、
飛行中に機内で娘が姿を消す。
客室乗務員も乗客たちもカイルの娘の姿を見た記憶がない。
娘の存在はカイルの妄想なのか、それとも何者かの陰謀なのか?

というお話であります。

この「妄想なのか、それとも陰謀なのか?」という点で
ジョディ・フォスターの存在意義というか、この女優のすごさ
というものをまざまざと見せつけられたような気がします。

この映画は、ジョディなくしてありえなかった!と断言できます。
役柄は『パニック・ルーム』とカブりまくりですが、それでも
観てる間はそんなことを忘れさせてくれるほど、素晴らしい演技
でしたねぇ。やっぱり芸歴40年の女優は違うわ。

そして、最近のハリウッド映画に欠かせない存在となりつつある
ピーター・サースガードとショーン・ビーンの役どころもかなり
ツボをついていたと思います。

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あ、あとは、大衆心理みたいなものの描写を物語の中に
うまく取り入れていた点はよかったなぁと思いました。
人の持つ「先入観」とか、他人に対する「無関心」とか
「長いものには巻かれろ」みたいな心理とか
さらには9・11以後の「人種差別」まで…。

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でも、まぁ、この映画で印象的なのはそこまでですね。
俳優陣のがんばりだけで、なんとかギリギリつないだ、って感じ。
肝心のサスペンス部分に関しては、なんつうか、ちょっとお粗末?
映画を観終わってから、いろんなギモンがフツフツと湧いてきました。
なんで?なんで??そんなの、あり??
わかりません。全然わかりません。誰か答えてーーー!!

くわしくはネタバレなので書きませんけど、
なんか消化不良なんですよ…。
posted on 2006.03.13
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