ブロークバック・マウンテン |
Brokeback Mountain |
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監督: |
アン・リー |
原作: |
E・アニー・プルー |
脚本: |
ラリー・マクマートリー
ダイアナ・オサナ |
音楽: |
グスターボ・サンタオラヤ |
出演: |
ヒース・レジャー
ジェイク・ギレンホール
ミシェル・ウィリアムズ
アン・ハサウェイ
ランディ・クエイド
リンダ・カーデリーニ
アンナ・ファリス
ケイト・マーラ |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第78回アカデミー賞最優秀監督・脚色・オリジナル音楽賞受賞 |
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アン・リー監督の作る映画は、美しい。 |
★★★★☆ |
今年のアカデミー賞では、作品賞こそ逃しましたが
その他の映画賞をほぼ総ナメした、この映画。
以前、どこかの記事で、アン・リー監督自身が
「まさかこの映画がここまで評価されるとは思ってなかった」
と発言していた気がするんですけど、
その気持ち、よ〜くわかります!
なにせ、超地味な作りですもんね。
でも、その地味さ(いや、地味というと言葉が悪いな)
そのシンプルさが醸し出す、作品の奥行き・深みみたいなものを
じわじわと感じています、今。
だからね、この映画が素晴らしいということには
何の異存もありません!
イーストウッドの傑作『許されざる者』を彷彿とさせる
雰囲気があったように思いますね。
まず、セリフやナレーションでいろんな背景を説明する
のではなく、俳優たちの視線や仕草や行動でニュアンスを
伝えようとする、繊細で正直な作りが好感持てました。
そして、それに見事に応えていた俳優陣がすばらしい!
人の持つ強さも弱さも、キレイなところも汚いところも
ありのままにブチまけられていたと思います。
ヒース・レジャーがあんなに芸達者だったとは!
ジェイク・ギレンホールがあんなに素晴らしいとは!
アン・ハサウェイがあんなに美乳だったとは!
ミシェル・ウィリアムズ、名前を覚えておかないと!
シンプルなギターサウンドで構成された音楽もすばらしく、
壮大な風景と細かな心情の機微を余すところなく映し出した
映像もすばらしかった!
もう、言うことなしですね。
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ひととおり絶賛したところで。
さて、この映画の主題は何なのか?
これがまだよくわからないんです。
わからないというのは、映画が悪いんじゃなくて
オレのアタマが悪いだけなんですけど…。
主人公のイニスとジャックは、アメリカ南部に住む
ビンボーなカウボーイ。羊の放牧の仕事を二人で
やることになり、山の中で二人きりの生活を送るようになる。
そのうち、二人のあいだに愛情が生まれたのだが、
偏見の根強い地方で男同士の愛が認められるはずもなく、
ふたりは別々の場所で女性と結婚をし、子供を作った。
それでも、ふたりは密会(?)を重ねるのであるが…。
というこの映画は、イニスとジャックの
20年に及ぶラブストーリーという風に扱ってもいいのかな?
男同士ということで違和感は残るものの、
映画を観ているうちに「性別」の問題は些細なことなのかな?
とも思えるようになり、ふたりの恋愛(というか不倫というか)
の行方を素直に見つめることができました。
こんな受け止め方でいいのかなぁ?
背後にはもっと深い意味みたいなものがあるのかなぁ?
とも思うんですけど、なんなんだろ?わからん。
この答えは、もっと時間が経ってからじわじわと
わかってくるようになるのかもしれませんね。 |
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posted on 2006.03.28 |
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ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ! |
Wallace & Gromit : Curse of the Wererabbit |
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監督: |
ニック・パーク
スティーヴ・ボックス |
脚本: |
スティーヴ・ボックス
ニック・パーク
ボブ・ベイカー
マーク・バートン |
音楽: |
ジュリアン・ノット
ハンス・ジマー |
声の出演: |
ピーター・サリス
レイフ・ファインズ
ヘレナ・ボナム=カーター
ピーター・ケイ
ニコラス・スミス
《日本語吹き替え版》
萩本欽一
飯島直子 |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第78回アカデミー賞最優秀長編アニメ賞受賞 |
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待った甲斐がありました! |
★★★★★ |
劇場公開作品としては4作目になりました、グルミット最新作!
アカデミー賞の長編アニメ賞も獲りましたし、アニー賞という
アニメ界の最高賞も独占しました。
ま、シリーズ2作目・3作目では
アカデミー賞短編アニメ賞を獲ってますから
今回の受賞でギャーギャー騒ぐことはないのです、本来。
当然の結果であった、と言うべきでしょう。
そんな大ヒット作も、日本ではあまりヒットしていない模様。
映画館に行っても、子供連れのファミリーがチラホラ
見受けられるだけで、とても一般層にまで浸透しているとは
思えませんでした。なんかすげぇ寂しいな…。
ほぼ全編が粘土で作られたこの映画、すごいんだから!
1作目は宇宙旅行、
2作目は泥棒ペンギンとのクライムサスペンス、
3作目はヒツジの毛を狙うサイボーグ犬とのアクション、ときて
今回は「月の出る夜に現れるウサギ男をめぐるホラー(?)」です。
オオカミ男伝説に
『ヴァン・ヘルシング』と『シザーハンズ』を足して
グルミット風味に味付けした、って感じでしょうか!?
(なんか違うかも?)
90分の長編にうまく対応した、楽しい物語でしたね。
ウォレスの人柄も、グルミットのひたむきさも、ウサギたちの
存在感も、脇役キャラたちの個性も、みんなよかった!
ニコニコ顔が止まらず、ほっぺたの筋肉が疲れましたもん!
クライマックスの疾走感は、やっぱり気持ち良いし!
すっげぇ楽しかったよ。ガキどもよりも楽しんだ自信あり!
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一部「欽ちゃんの声」に拒否反応を示している人たちの意見も
目にしますが、その気持ちはわかります。10年以上前、
初めてこのシリーズをビデオで見たとき、オレもダメでしたから。
なぜ欽ちゃん?
と思いましたもんね、最初は。
それがどーでしょ?
今では、ウォレスの声は欽ちゃん以外ありえない!
としか思えなくなっています。
人間、イヤなことでもちょっとだけガマンすれば、そのうち
長所も見えてくるものなのです。(エラそうですけど…)
それから、今回の作品では一部でCGが使われているそうです。
今までは、この「ひとコマずつ粘土模型を動かしていく」という
超アナログな手法のみで作られていたシリーズに、デジタルが
入り込んできたということで拒否反応を示している人がいるかも
しれません。
が。
それも、些細なことだと思います。
CGといっても、単なる装飾に過ぎず、全編にわたって
粘土の魅力満載ではありませんか!
これぞグルミット!これぞアードマン!と拍手を贈るべきです。
5年間かけて作り上げられた、このすばらしい作品に感謝。 |
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posted on 2006.03.27 |
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ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女 |
The Chronicles of Narnia: The Witch, The Lion and The Wardrobe |
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監督: |
アンドリュー・アダムソン |
原作: |
C・S・ルイス |
脚本: |
アンドリュー・アダムソン
クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
アン・ピーコック |
音楽: |
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ |
出演: |
ウィリアム・モーズリー
アナ・ポップルウェル
スキャンダー・ケインズ
ジョージー・ヘンリー
ティルダ・スウィントン
ジム・ブロードベント
ジェームズ・マカヴォイ
リーアム・ニーソン
ルパート・エヴェレット |
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公式サイト(日本語)
第78回アカデミー賞最優秀メイクアップ賞受賞 |
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んーー、ビミョー。 |
★★☆ |
『ロード・オブ・ザ・リング』と並んで
児童文学界での大ベストセラーなんだそうですね、
この『ナルニア国物語』って。
映画化されるまでは、どっちの作品についても
タイトルさえ聞いた覚えがなかったです…。
ごめんなさい。
別の映画を観に行ったところ、満員で入場できなかったため
替わりにこの映画を観ることにしたんですけれども、
んーー、ビミョー。
第2次大戦下のイギリス。
田舎に疎開したペベンシー家の子供たちが
古い洋服ダンスに潜り込むと、そこは雪に覆われた別世界だった。
半馬半人のケンタウロスや半山羊半人のフォーンなど
伝説上の生物たちが住み、動物たちが人間の言葉で話す
不思議の国ナルニアで、白い魔女の支配から住民たちを救うため、
少年少女の冒険が繰り広げられていく。 |
というお話。
つかみは上々でした!
半山羊(ヤギ)半人のフォーン、タムナスさんが登場したあたりは
今後の展開にワクワクしたものです。
でもねぇ、その後は、なんかだんだん腑に落ちなくなってきた
というか、話が雑になった印象があったり、
お子様向けのテイストが鼻につく雰囲気が感じられたりして、
『ロード・オブ・ザ・リング』のような
圧倒的な迫力に欠けてるような気がしたんですよねぇ〜。
比べちゃいけないとはわかっていても、ついつい比べてしまう。
この映画の宿命みたいなもんです。
子供たちはとてもかわいくて(特に末っ子の女の子!)、
運命に翻弄されながらも一生懸命がんばっている様子が
すごく伝わってきましたし、悪役もバッチリ、
動物たちも愛くるしかったり、威厳があったり(ライオン!)、
よくできていたと思うんですけども。
やっぱ、肝心のお話がなぁ〜、ダメだとなぁ〜。
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本編とは関係ありませんが、
エンディングで流れた音楽ですね。
これが、ちょっとよかったです。
特に大トリを務めたのがティム・フィンだというところが
心憎いというかビックリ!
ニュージーランドに敬意を表しての人選でしょうか!
フィン兄弟らしい、いい曲でした〜♪ |
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posted on 2006.03.22 |
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フライトプラン |
Flightplan |
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監督: |
ロベルト・シュヴェンケ |
脚本: |
ピーター・A・ダウリング
ビリー・レイ |
音楽: |
ジェームズ・ホーナー |
出演: |
ジョディ・フォスター
ピーター・サースガード
ショーン・ビーン
ケイト・ビーハン
マーリーン・ローストン
エリカ・クリステンセン |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語) |
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ジョディ・フォスターがスゴイだけ。 |
★★☆ |
ひさしぶりのジョディ・フォスター主演作は
『パニック・ルーム』にも通じる、密室サスペンスです。
ただ、その密室となる舞台が"最新鋭のジャンボジェット機"
というところが、目新しいのかな?
夫を失ったばかりの女性航空機設計士カイルは、
6歳の娘とともに自分が設計したジャンボ旅客機に乗って旅立つが、
飛行中に機内で娘が姿を消す。
客室乗務員も乗客たちもカイルの娘の姿を見た記憶がない。
娘の存在はカイルの妄想なのか、それとも何者かの陰謀なのか? |
というお話であります。
この「妄想なのか、それとも陰謀なのか?」という点で
ジョディ・フォスターの存在意義というか、この女優のすごさ
というものをまざまざと見せつけられたような気がします。
この映画は、ジョディなくしてありえなかった!と断言できます。
役柄は『パニック・ルーム』とカブりまくりですが、それでも
観てる間はそんなことを忘れさせてくれるほど、素晴らしい演技
でしたねぇ。やっぱり芸歴40年の女優は違うわ。
そして、最近のハリウッド映画に欠かせない存在となりつつある
ピーター・サースガードとショーン・ビーンの役どころもかなり
ツボをついていたと思います。
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あ、あとは、大衆心理みたいなものの描写を物語の中に
うまく取り入れていた点はよかったなぁと思いました。
人の持つ「先入観」とか、他人に対する「無関心」とか
「長いものには巻かれろ」みたいな心理とか
さらには9・11以後の「人種差別」まで…。
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でも、まぁ、この映画で印象的なのはそこまでですね。
俳優陣のがんばりだけで、なんとかギリギリつないだ、って感じ。
肝心のサスペンス部分に関しては、なんつうか、ちょっとお粗末?
映画を観終わってから、いろんなギモンがフツフツと湧いてきました。
なんで?なんで??そんなの、あり??
わかりません。全然わかりません。誰か答えてーーー!!
くわしくはネタバレなので書きませんけど、
なんか消化不良なんですよ…。 |
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posted on 2006.03.13 |
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February,2006 | back number | April,2006  |