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トップページ> 映画> レビュー> 2005年> 10月
October, 2005
春の雪
Snowy Love Fallin' In Spring
監督: 行定勲
原作: 三島由紀夫
脚本: 伊藤ちひろ
佐藤信介
音楽: 岩代太郎
出演: 妻夫木聡
竹内結子
高岡蒼佑
大楠道代
榎木孝明
石丸謙二郎
宮崎美子
及川光博
田口トモロヲ
岸田今日子
若尾文子
公式サイト(日本語)
同情の余地なし。 ★★
儚くも美しき恋愛
永遠を約束されたはずの二人に、
その悲劇は静かに訪れる…

運命に翻弄される男女の悲哀を描く
せつなくも美しい
究極の恋愛物語がいま始まる

というのが、この映画の宣伝文句でございますが、
映画を観終わって、ひとこと物申す!

ちょっと待てぃ!!
この物語の、どこがそんなに「はかなく」「美しい」のだ?
この物語の、どこが「運命に翻弄されて」いるのだ?

そうじゃないではないか!
これは、ワガママで幼稚なボンボンの青年・清顕が
自分の好きな女の子・聡子に告白ひとつもできずに
自ら話をややこしくさせて、最終的に
とんでもない破滅への道を突き進んでしまった
究極のジコチュー恋愛映画ではないですか!?

もう、ちょっとカンベンしてくださいよ〜。
こんな映画じゃ泣けませんよ〜。
近くの席からは女性のすすり泣く声が聞こえましたけど、
この映画のどこが泣けるポイントだったのか、
教えてくださいよ〜。オレには全然わかりませんでした。

だって、
こんな男女に同情の余地なし!
自業自得!
最初から最後まで空回りしっぱなし!
オトコがバカなだけなんだもん。
もうね、あんなヤツに感情移入なんてできないし。
アイツの考えてることがわかんなかったし。
それに付き合うオンナもバカだと言わざるを得ないし。
「悪いことだとわかっているからこそ燃える恋心」を
表現したいということはわかるけど、この映画から
それに対する魅力を感じることはできませんでした。

なんか、映画うんぬん以前に、
三島由紀夫大先生の書いたお話自体が
理解不能であった、ということになりますかね。結局。

-----

そんな理解不能な物語については抜きにして
この映画を振り返ってみると、すばらしい点もありました。

まずは、何といっても竹内結子!
好きな人にはトコトンついてゆく、大正女の芯の強さ、
女性の情念の強さ、少女からオンナへの瞬間的な変貌を
これ以上ないほど見事に演じていたと思いました。
これまでも、その実力を散々見てきましたけど、
この映画で、またひと皮むけちゃいましたね!
日本アカデミー賞、獲れると思います。

そして、この映画最大の魅力といえば、その映像美。
台湾から著名なカメラマンを呼んできたそうですけど、
なんか、こう、淡〜く、はかな〜い、浮世離れした感じが
すごくキレイでして、
「この映画、人物が一切出てこなければいいのに!」
と思ってしまったぐらい…。

あと、脇役陣も適材適所、すばらしい存在感で
主人公たちを引き立ててましたね〜。
榎木孝明さんの重厚な貴族の雰囲気、
大楠道代さんの気品漂う悪女っぷり、
岸田今日子さんなんて、カンペキなバアさんでしたし、
若尾文子さんの、あの美しさったら、ありませんぜ!

-----

と、これだけ魅力的な要素がたくさんあったのに
物語に対して拒否反応を示さざるを得なかったのは、
やはり主人公・清顕の薄っぺらさが原因。
彼の存在だけが、この映画の中でひたすら異質でしたから。
この異質さは、演出上、意図して作られたものなのか
それとも妻夫木くんの平板な演技から来るものなのか、
原作を読んでいないオレには、判断できかねるところでは
あります。

でも、オレの中の「妻夫木くんOK」サインには
黄信号が点灯しました。そろそろ限界だわ…。

p.s.
それから、エンディングテーマ。宇多田ヒカル。
曲自体はいいと思うんですけど、映画には合ってない。
まったく合ってないと思います。
日本映画には、こういうパターンが実に多い。
映画の雰囲気を、最後の最後で一気にぶち壊すパターン。
これもカンベンしていただきたい。
posted on 2005.10.30
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私の頭の中の消しゴム
A Moment To Remember
監督: イ・ジェハン
脚本: イ・ジェハン
音楽: キム・テウォン
出演: チョン・ウソン
ソン・イェジン
ペク・チョンハク
イ・ソンジン
パク・サンギュ
キム・ヒリョン
公式サイト(日本語)
甘く切ない正統派。 ★★★
なぜか、秋になると印象的な「感動もの」の映画が
多いような気がする、今日この頃。
日本のテレビドラマ『Pure Soul』をリメイクした
韓国産の号泣・感動ものである本作を観てまいりました。

社長令嬢の美人ユジンと、
建設現場で現場監督をする、気性の荒い肉体派(かつ美青年)
チョルスが、忘れられない出会いと再会を機に恋をし、
結婚をし、幸せな日々を送っていた。
そんなとき、ユジンにアルツハイマー病の宣告が…。

という、『きみに読む物語』と『解夏』を足して2で割った
ようなお話なのでありますが。

これが案外イケる映画なのであります。
ひたすら甘く切ない映画なのであります!
物語の細部についてはクビをかしげたくなるところも
時々あったり、最後のほうはヤケに駆け足で進んでしまったので、
唐突な点もありました。でも、そんなことをモロともせず
主人公2人に焦点を当てまくり、
「2人の幸せとは何か?」を美しく描いておりましたからね。

ま、これはこれでアリなのかなぁ、って感じ。

でも、ほんと、主人公の2人が美しかった!
すばらしい熱演でした。
特にチョルス(♂)役のチョン・ウソンって俳優さん、
初めて見たんですけど、オットコ前やなぁ〜!!
男の中のオトコですよ、理想のオトコでしたよ。
ただ優しいだけじゃなくて、荒々しい中に垣間見える優しさ
というのが、より一層印象に残るものでした。
(むかしの日本男児って、こんな感じだったんですかね?)

あんなオトコになりたい気もするし、
なれないとは思うけど(すごく弱気なオレ)、
あんな人、実在するんだろうか?って感じ。

ん〜、でもなぁ、もしこの映画みたいな状況が
ほんとに訪れたとしたら…なんていう
恐ろしいことを考え出すと、寒気がします。
涙が出ます。最終的に思考停止です。
"いっしょにいた時間が幸せであればあるほど、
不幸が訪れたときの衝撃は大きいものになるんだろう"と
想像はできるんだけど、実感はできないし、したくもない。
そんなモヤモヤが晴れません。

あの2人は、あのあと、一体どういう人生を歩むのか?
とても気になるところです。
posted on 2005.10.24
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同い年の家庭教師
My Tutor Friend
監督: キム・ギョンヒョン
原作: チェ・スワン
脚本: パク・ヨンソン
出演: クォン・サンウ
キム・ハヌル
コン・ユ
キム・ジウ



現在、主要なリンク先が見当たりませんでした。
ギリギリセーフかな。 ★★☆
相変わらず、オバちゃん密度が濃厚な韓国映画。
クォン・サンウ(略してKSW)主演の2002年作品も
例外ではありませんでした。
現在、DVDが発売されている時期に
なぜか劇場公開してたので、なんとなく観てみました。

20歳で高校5年生の主人公キム・ジフンと
その家庭教師をやるハメになった
同い年の女子大生チェ・スワンが巻き起こす
ラブ・コメディ作品です。

こういうジャンルの韓国ものを観るのが初めてだったので
若干戸惑いました。それに加えて、
"え?どこが笑いのポイント?"みたいなところで
オバちゃんたちが手を叩いて笑ったりするもんだから
余計についていけない場面も何度かあったりして…。

でもね!
オレの目から見て、クォン・サンウくんはかっこよくない!
容姿はかっこよく見えなかったんですよ。
以前からそう思ってた。
(ファンのみなさん、ごめんなさいね)
かっこよくないんだけど、この映画を観てると
だんだん「いいヤツ」に見えてきた気がします。
しっかりやってるな!って感じで。好感度アップ。

そして、その好感度アップにも一役買っていたのが
ヒロイン役のキム・ハヌルさんでしたね!
彼女はよかった。
この子も、最初はまったくパッとしない地味な役柄を
物語が進むにつれて、どんどん魅力的に見せる
すばらしい雰囲気を持ち合わせていました。

「なんか、どっかで見たことあるよな、こういう子」と
思わせる親近感があるんですよね。
「よく見たら、この子、かわいいじゃん!」みたいな
男心のツボをうまく押さえてるような魅力があるのよ。

この子のおかげで、この映画は辛うじて救われてました。
ギリギリセーフ!

-----

映画的には、中途半端な感じが否めなかったけど、
まぁ、軽〜い気持ちで観れば、それなりに楽しめそうな一品。
クォン・サンウファンにとっては、
演技の遍歴を確認するのにうってつけかも!?
posted on 2005.10.10
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シン・シティ
Sin City
監督: フランク・ミラー
ロバート・ロドリゲス
脚本: ロバート・ロドリゲス
フランク・ミラー
音楽: ロバート・ロドリゲス
ジョン・デブニー
グレアム・レヴェル 、
出演: ブルース・ウィリス
ミッキー・ローク
クライヴ・オーウェン
ジェシカ・アルバ
ベニチオ・デル・トロ
イライジャ・ウッド
ニック・スタール
ジョシュ・ハートネット
ロザリオ・ドーソン
ブリタニー・マーフィ
アレクシス・ブリーデル
カーラ・ギグノ
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
コミックと映画の、新たな融合 ★★★☆
アメリカン・コミックの映画化は、山ほど行われています。
ネタ不足が懸念されているハリウッドでは、これからも
どんどん続けられていくことでしょう。
で、今までの映画化では、あくまでも
「映像表現としては、"映画"のほうが優れてる。エライんだ」
という、至極ごもっともな感覚で作られてきたと思うんです。
最近では、『スパイダーマン』シリーズや『ハルク』などで
劇中にアニメのコマ使いを意識した映像が導入されて
いたりしましたけど、それも多少のエッセンス程度な扱い。
ある意味、コミックはおいしいどこ取りをされていたのかも
と思います。

あ、『アメリカン・スプレンダー』は
映像とコミックが絶妙なバランスで融合していたんだった!
これも絶賛されていましたね、そういえば。

この『シン・シティ』は、もっと本格的に
コミックと映像の新しい表現方法を生み出したんじゃないでしょうか。
「コミックそのままを実写で表現する」ことに成功してましたから!

これはいくら文字で説明してもわかんないと思います。
ましてやオレの説明なんかじゃ絶対に伝わらない!
興味がある方は、ぜひ映画館でご覧ください。

もう、ものすごいです!

前編ハードボイルドでエグい描写が満載で、
カーラ・ギグノの美乳が見られる以外は
気持ちが落ち着くヒマもありません。
(そんなところで和んでるオレって、いったい…?)

でも、このエグさが終始一貫していて、
このキャラは断固こんなヤツなんだ!という説得力が
ガンガン伝わってくるため、問題なんですよね。
(『オールド・ボーイ』も、そして一連のタランティーノ映画も
 同じような感じです。)

っていうか、このコミックの世界観の中に
あまりにすんなりと入れたことがすごいな!と思ったわけ。
原作者が、一切の妥協なく、映画を監督し、
(ジョージ・ルーカスのように)自らスタジオを経営し、
映像について一切の自由を確保している監督が
自ら撮影・編集できているという点が、
この映画の成功のキモだったんだろうと思います。

終始圧倒されっぱなしの124分!
posted on 2005.10.02
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チャーリーとチョコレート工場
Charlie And The Chocolate Factory
監督: ティム・バートン
原作: ロアルド・ダール
脚本: ジョン・オーガスト
音楽: ダニー・エルフマン
出演: ジョニー・デップ
フレディ・ハイモア
デヴィッド・ケリー
ヘレナ・ボナム=カーター
ノア・テイラー
ディープ・ロイ
クリストファー・リー
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
ダニー・エルフマンはブリジット・フォンダの旦那。 ★★★★
ティム・バートンとジョニー・デップ、この二人が
タッグを組むのは、もう何度目でしょう?
独自の世界観が世界中で楽しまれているバートン監督と
あんなにかっこいいのに、ちょっとヘンな役柄でもなんでも
こなしてしまえる貴重な才能、ジョニー・デップ。

本作でも、その魅力フルスロットルでしたね!

まずは、ジョニー・デップですわ。
ちょっとどころか、相当ヘンなウィリー・ウォンカを
何のためらいもなく演じている姿は、賞賛に値します。
こんな役、ほかに「やりたい!」って言う人いたのかな?
そして、彼以外に、この役がハマる俳優が、今、この世に
存在するんだろうか?とまで考えてみましたが、
答えは

「ジョニー・デップしかいないんだろうな、きっと」

-----

そして、この映画のもうひとつの、というか最大の魅力は
ダニー・エルフマンの音楽ですね!
この映画を一足先に観てきた先輩からの感想で
「サントラが欲しくなった!」ということを聞いていたんですが、
いや、もう、まったくもって、そのとおり!

サントラ欲しいです♪

あの、ウンパ・ルンパの超キョーレツな存在感を
さらに際立たせているのが、音楽でしたから!
(それにしても、あのウンパ・ルンパ役のおっさん、
 ありゃ一体何者よ!?おもしろすぎるぜ。)
ダニーは、かれこれ20年以上も前に"オインゴ・ボインゴ"
というバンドを結成、自らヴォーカルとギターを担当する
バンドの中心人物だったわけですが、
(ちなみに、実際に聴いたことはございません)
なんか一風変わった芸風(?)だったみたいですよ。
で、そんな彼のヴォーカルが、本作でついに炸裂!
「オインゴ・ボインゴって、こんな感じだったのかな?」なんて
想像したりしましたが、実際どうなんでしょうね?
(オレの好きなアーティストでいうと、
 ジェリーフィッシュと似てるかなぁ?)

もう、音楽を聴いてるだけでめっちゃ楽しくて、
それだけですでに満足してしまったフシもあります。
いや、それ以外も楽しかったですよ。
こういうおとぎ話、大好きです。

映画のちょうど真ん中あたりで寝ちゃったけどね…。
カラダが言うことをきかなかったのよ。
posted on 2005.10.02
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