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トップページ> 映画> DVDレビュー> 『アメリカン・スプレンダー』
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アメリカン・スプレンダー
American Splendor
監督: シャリ・スプリンガー・バーマン
ロバート・プルチーニ
原作: ハーヴィー・ピーカー
ジョイス・ブラブナー
脚本: シャリ・スプリンガー・バーマン
ロバート・プルチーニ
撮影: テリー・ステイシー
音楽: マーク・スオッゾ
出演: ポール・ジアマッティ
ホープ・デイヴィス
ジェームズ・アーバニアク
ジュダ・フリードランダー
マディリン・スウィーテン
2003年作品 アメリカ映画
上映時間:101分
2003年サンダンス映画祭グランプリ受賞
第61回ゴールデングローブ賞助演女優賞ノミネート
第76回アカデミー賞脚色賞ノミネート
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
不器用でも、我が道を往く。
よく「日本のアニメやマンガのレベルはすごく高い!」と
言われていますよね。日本人から見たらそうなのかもしれないし、
諸外国でもそういう点は認められているのかもしれません。
一方、アメリカのマンガ(コミックといったほうが正しい?)は
日本ではイマイチ馴染みが薄いような気がします。
親近感が湧かないというか、大雑把に見えてしまうというか。
アメコミ原作の映画なんかを観ても、同じことが言えるのも事実。
それまでフツーの市民だった人間が、ある日突然すごいパワーを
手にし、ヒーローとして活躍する(苦悩する)みたいなもの
ばかりで、「アメリカのマンガって、こんなやつばっか?」
みたいな感覚に陥ってしまいます。

でも、アメリカにもこんなマンガがあったんですね!

『アメリカン・スプレンダー』!

ダメ男のダメっぷりや、冴えない日常に起きる些細な出来事を
ありのままに(そして自虐的に)描くセルフ・ポートレートな
作品なんですねぇ。最近ではマンガをほとんど読まなくなった
オレのイメージでは、吉田戦車や西原理恵子、中川いさみ、
リリー・フランキーなんかに通じる作風なのかな?と思います。
(『アメスプ』のほうがずいぶん先に発表されていますが)
その原作者にして主人公であるハーヴィー・ピーカーの半生を
漫画的な手法を取り入れた斬新な映像と構成で描いた映画が
本作になります。

非常にいい映画でした。

サイドウェイ』でもダメ男っぷり全開で好演していた
ポール・ジアマッティが、ここでも素晴らしいヘタレ中年を熱演!
背中を見ただけで人格のすべてを物語ってしまえるような
あのなりきり方は尋常ではありません。
わたくし、この俳優さんを初めて認識したのが
マン・オン・ザ・ムーン』だったのですが、これからも
注目していかなければならないことを再確認した次第です。

そして、ハーヴィーの奥さん役を演じたホープ・デイヴィス。
ワンダーランド駅で』の美しいイメージとは真逆の
「自称:鬱病」なオタク中年女性の役柄なんですが、
これまた不思議なくらいハマっておりましたね。
っていうか、観ているうちにだんだん、奥さん本人の顔に
そっくりに見えてくるから、余計に不思議なんですよ〜。
メイクの力もさることながら、ホープ自身のなりきり度が
反映されている結果だと思いました。

この映画、マンガと実写の融合、
主人公本人へのインタビューと役者による演技の融合、
空想と現実の融合、みたいないろんな要素を混ぜ合わせて
映像化されている、非常に実験的な作品です。
で、登場する主人公たちのアタマの中も
一筋縄ではいかない複雑さを持ち合わせているため、
さまざまな意味でハードルの高い題材だったんじゃないかと
思いますが、ものの見事に整理整頓され、完璧にまとまって
いたなぁ、と、ジワジワ感動してしまいました。
posted on 2005.08.08
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