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トップページ> 映画> レビュー> 2005年> 7月
July, 2005
皇帝ペンギン
La Marche de l'Empereur
監督: リュック・ジャケ
脚本: リュック・ジャケ
ミシェル・フェスレール
音楽: エミリー・シモン
声の出演: ロマーヌ・ボーランジェ
シャルル・ベルリング
ジュール・シトリュク
【吹き替え版】
大沢たかお
石田ひかり
神木隆之介
公式サイト(フランス語)
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
生きてるだけでまるもうけ。 ★★★
いよいよ梅雨も明け、夏本番の季節がやってまいりました。
外はあちぃあちぃ、クソあちぃ。蒸しあちぃ。
そんなときにやるべきことは
クーラーの効いた映画館に行くこと。
そして、マイナス40℃の極寒のなかで生きる
皇帝ペンギンの一年を追いかけた、この映画を観ること!

これに限りますよ。これ。
清涼効果バツグン!

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ペンギンとひとくちに言っても
いろいろ種類があるらしいっすね。
今まで「ピングー」ぐらいしか興味の対象になってなかったので
知りませんでしたけど、その中でも皇帝ペンギンは
いちばん大きなサイズのペンギンなんだそうです。

・体長120センチ、体重45キロぐらい
・体中が羽毛に覆われ、くちばしや足、翼は
 体温が逃げないよう、なるべく小さくできている

んだって。
そんな皇帝ペンギンが、つがいになり、卵を産み、
孵化させ、子供を育て、海に帰るまでの過程を
8800時間に及ぶ撮影を経て映画化したのがこの作品。
すごいのひと言に尽きますね、マジで。

まず何がすごいって、ペンギンがまったく人見知りせず、
カメラの前でありのままの姿を見せているという点。
過酷な、ほんとに過酷な環境の中、
「生きる!」というただそのことだけにすべてを懸けて
歩いたり、腹で滑ったり、寒さに耐え忍んだり、
必死でエサを獲ってきたりしながら毎日を過ごす
ヤツらの精神的な強さ(と言うのか?)がすごいです。
ヤツらに比べたら、気温35℃くらいで"死にそうだ"と
弱音を吐いてる自分が情けなくなってきますね…。

そして、やっぱ、子供が無事生まれてくることの神秘、
無事大きく育てることの難しさ、素晴らしさみたいなものが
伝わってきました。

いやぁ、子供ってほんとにすごい!
親子のつながりって、ほんとにすごい!

最後に。
「生きてるだけでまるもうけ」という言葉を
あのペンギンたちに贈りたいと思います。
生きよう。最後まで精いっぱい生きようぜ。
posted on 2005.07.24
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フライ,ダディ,フライ
Fly, Daddy, Fly
監督: 成島出
原作: 金城一紀
脚本: 金城一紀
音楽: 安川午朗
出演: 岡田准一
堤真一
須藤元気
星井七瀬
愛華みれ
松尾敏伸
塩見三省
公式サイト(日本語)
原作小説レビュー
オレもゾンビーズに入れてくれ! ★★★★
オレの大好きな作家・金城一紀が映画化に際して
自ら脚本を手がけた渾身の青春映画!

家族円満、仕事も順調、平々凡々な毎日を送っていた
中年サラリーマン鈴木一。ある日、娘が暴漢に襲われ
大ケガを負ってしまった。その加害者は
ボクシングでのインターハイ・チャンピオンにして
父親が有名政治家という、鈴木にとっては手も足も出ない相手。
一度は泣き寝入りをせざるをえないとあきらめかけたところへ、
ふとしたきっかけで知り合った落ちこぼれ高校生グループ
ゾンビーズの助けを借り、娘の借りを返す&家族の絆を
取り戻すため、決闘を挑むことになる…。

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原作本はすでにだいぶ前に読んでおりました。
超ド級のおもしろさで、オレの心をわしづかんでいった
一冊でしたので、この映画化に関してもものすっごく
期待していたんです!

で、孤高のたたずまいを見せる高校生
朴舜臣(パク・スンシン)役を岡田くんが演じ、
中年サラリーマン鈴木一を、あのかっこいい堤さんが演じる
という情報を耳にして、本の中でのイメージとは
なかなか一致しがたいものがあったのも事実。
だいじょうぶかな?って感じでした。

けど!

まず、堤真一さんの熱演ですね!
本来なら(この映画にも出演していた)浅野和之さんとか
温水洋一さんなんかがやるとピッタリな鈴木一のイメージを
うまいこと自分なりにアレンジされてて、
「パッとしない、いまいち頼りがいのないお父さん」像が
しっかりと出ていたのにはビックリいたしました。
こんな鈴木さんなら、大ありです。
っつうか、ここまでおもしろく演じてもらえるとは
全然思ってなかったので、感動すら覚えましたね。
日本アカデミー賞もいただき!なのではないでしょうか。

そして、岡田くん。
オレの持つスンシンのイメージとはかなり違って
っていうか二枚目過ぎるのが問題かと思っていたんですが、
(いや、たしかに二枚目過ぎるのですが)
スンシンの醸し出す「鋭利な冷たさ」を誇張するよりも
より人間的な温かみを持ったキャラクターとして
演じてくれていたように思えます。これもちょっと意外な
展開でしたが、これはこれで、大ありでしたね!

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どんな映画でもそうだと思いますけど、
「どのエピソードを使って、どのエピソードは削る」
といった選択の良し悪しが作品の出来を大きく左右する
ことが多いと思います。特に原作本がある場合は
「あくまで本を重視する」のか、それとも、
「映画化のストーリーを原作とは別物として扱う」か
どっちにするかが難しいところではないでしょうか。
で、今回は原作者がそのまま脚本を書いているわけで、
本の持つ世界観が損なわれることはなく、また
本編のメインストーリーに焦点を当てて作られていたことが
よくわかりました。

そう。それはそれでいいんです。
本編と関係ないエピソードはカットする!
それは、映画化するには正しいやり方。

でも、そこでひとつ残念なことがあります。
それは山下の取り扱いについてです。
「史上最弱のヒキを持つ男」山下。
彼の最弱エピソードを
映画の中でもバシバシ入れてもらえたら
劇場内もドッと盛り上がったことでしょう!
そう考えるだけでニヤけてしまうオレなわけですけれども、
とにかく山下のキャラが変わっていたところが、残念でした。

あんなしっかりした山下なんて、山下じゃないやい!!

でも。でも。
トータルとして見て、大満足な一本!
ズバリ、2005年夏休み映画のダークホースでしょう。
posted on 2005.07.19
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宇宙戦争
War Of The Worlds
監督: スティーヴン・スピルバーグ
原作: H・G・ウェルズ
脚本: デヴィッド・コープ
ジョシュ・フリードマン
音楽: ジョン・ウィリアムズ
出演: トム・クルーズ
ダコタ・ファニング
ティム・ロビンス
ジャスティン・チャットウィン
ミランダ・オットー
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
ついにやっちまったよ…。 ★★
今、いろいろと芸能ゴシップでお騒がせのトム・クルーズが
マイノリティ・リポート』以来2度目のタッグを組む
スティーヴン・スピルバーグ御大と作った、古典的SF小説の
映画化リメイク版。

アメリカでは公開初日から
けっこうなペースでみんな観に行ったみたいですけど、

いや、あの、これは、いったい、どーなんでしょう?
オレ的には

アイタタタ〜、やっちまったよ、オイ!

というのが率直な感想なんですけども…。

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オレはですね、政治に興味がないわけではないんですが、
この映画を「政治や現在の世界情勢とリンクさせて観よう」
という視点を持ち合わせていなかったため、
ただの「すっげぇSF映画」を期待していましたよ。

えぇ、たしかにすげぇSF映画でした。
公開前には決して明かされることのなかった宇宙人、
NOVAの「異文化コミュニケーションやでぇ〜」と
大阪弁くっちゃべってたヤツにそっくりで、すごかった!
(ちょっとバカにしてます…)

えぇ、たしかに観ながらビクッとする場面は数知れず。
小心者のオレとしては、もし今ああいう状況になったら、
真っ先に死んでしまうだろうことを、はっきりと自覚した
次第であります。

が、しかし!
なんなんだ、このココロの空しさは…。
まるで、M・ナイト・シャマランの『サイン』を観たあとの
ような、この殺伐とした感じは、一体なんなんだ?
いや、この映画がシャマラン製だというのなら、
オレはたぶん納得できたはず。
「シャマランって、いつもこんな感じだもんねぇ〜」
なんつって笑い飛ばせたはず。

でも、いかんせんこれはスピルバーグ製。
スピルバーグ大好きっ子のオレとしては、
こんなんじゃ納得できねぇぜ、ダンナ。

っつうかさ、基本的なところなんですけど、
以前観た『タイムマシン』も当てはまるんだけどさ、
H・G・ウェルズさんの原作がいかにすごくて
オリジナル映画版がいかに偉大だか知りませんけど、
リメイク版は失敗が続いてるとは、思いませんか?
ハリウッドのおエライさん方、どうでしょー?

p.s.
トム・クルーズのキャッチボール姿を見る限り、
彼は野球がヘタクソである。
posted on 2005.07.09
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バットマン ビギンズ
Batman Begins
監督: クリストファー・ノーラン
原作: ボブ・ケイン
脚本: クリストファー・ノーラン
デヴィッド・S・ゴイヤー
音楽: ハンス・ジマー
ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: クリスチャン・ベイル
マイケル・ケイン
リーアム・ニーソン
ゲイリー・オールドマン
ケイティ・ホームズ
モーガン・フリーマン
キリアン・マーフィ
トム・ウィルキンソン
ルドガー・ハウアー
渡辺謙
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
バットマンとオレの関係。 ★★★☆
ティム・バートン版『バットマン』『バットマン リターンズ』は
映画館で観た記憶がないし、特に思い出もない。
覚えていることといえば、『バットマン』の音楽を担当したのが
プリンスで、あのサントラはかなり衝撃的だったなぁ、ってこと
くらい。

その後、バットマン役の俳優が替わり始めてから
何かと縁があるんですよ。聞いてください。

ヴァル・キルマー、ジム・キャリー、ニコール・キッドマン
などスゴいメンツを揃えながら、すげぇつまんなかった3作目
バットマン フォーエバー』。当時付き合っていた彼女と
「ほかに行くところがないから」という、実もフタもない理由で
観た映画です。その彼女とは長続きすることなく
終わってしまったので、いい思い出じゃないな…。

主演がジョージ・クルーニーに交替した4作目
バットマン&ロビン』は、敵役にシュワちゃんを迎えたものの、
これまた見事に撃沈、この映画を観たということを覚えている
だけでもすごいことだと思えるほどです。
たしか、これを観たのはクソ暑い夏でしたね。
元彼女と観に行ったんです。
このときは、その女の子といっしょにいること自体が苦痛で、
何とか時間をつぶしたい!という一心で、映画館に避難した
ようなものでした。(映画館なら会話しなくて済むから)
そして、映画自体も退屈なんだから、あとはもう寝るしか
ありませんよね。中盤は完全に寝てたはず。
いい思い出が、ほんとにありません…。

そんな、尻すぼみで退屈で
いい思い出のないバットマン・シリーズが
俊英クリストファー・ノーラン監督の手によって
完全リニューアル!
物語も設定もヴィジュアルも超現実路線で、
主人公ブルース・ウェインの苦悩や葛藤や
生身の体をフル稼働して戦っている姿をさらけだしてくれました。

ん〜、こういうバットマンなら、観る価値ありだわ!
少なくとも3,4作目よりは、ね。

今日この映画を観て思ったのは、
このクリストファー・ノーランの映画を観てると
自分が野茂英雄になった気分になるってこと。
なんっつうか、自分が投げた試合で自分が勝とうが負けようが
大げさに一喜一憂しないところ、温度の低いところで
常にまっすぐ野球だけに集中してる雰囲気ってのが
野茂に似てるなぁ、なんて思いました。

だから何だ!?っていわれると困るんっすけど…。
いや、これは大いにほめてるつもりなんっすけど…。

あと、それから思ったことといえば。

・謙さんの役が(騒がれたわりには)軽すぎたかな…?
・いつもならゲイリー・オールドマンがやりそうな役を
 今回はリーアム・ニーソンと入れ替わった感じがした。
 ちょっと新鮮だけど、ちょっと物足りない気も?
・ケイティ・ホームズは身長がデカい!しかもノーブラ!

ということぐらいでしょうか。
続編も作られるみたいですが、
ジョーカー役は誰がやるんだろう?
ケイティはほんとに外されるの?
ま、どっちにしろ、また観に行きたい作品には
なりそうですけどね。監督が替わらなければ…。
posted on 2005.07.01
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