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トップページ> 映画> レビュー> 2005年> 8月 |
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August, 2005 |
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愛についてのキンゼイ・レポート |
Kinsey |
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こういうテーマは奥が深すぎて… |
★★☆ |
人間の性行動について、初めて統計的な手法を用いて
調べた科学者、キンゼイ博士の生涯を描いた映画です。
実力・実績ともに充分な俳優さんたちがたくさん出演
していることもあって、前々から注目していたのですが…。
オレの場合、軽い「エッチ」な話なら
キャッキャ言いながら観れる雰囲気はありますけど、
いざ「性」についての映画だ!となると、
無意識のうちに思考回路が硬直するというか
突然モラリストに変身してしまう気がします。
これも、やはり日本の性教育の影響なんでしょうか。
っていうか、性についての教育を
学校でちゃんと教わった記憶はありません。
「第二次性徴」については教えてくれても
コンドームの使い方は教えてくれませんでしたし、
女性のカラダの仕組みについて、
男子にはほとんど何の知識も与えてくれませんでしたから。
で、そんな役立たずな学校の代わりに
いろんなことを教えてくれたのが、アダルトビデオですね。
特に裏ビデオというものは、すさまじいカルチャーショックを
中学生のオレに与えてくれたものです。
あのときのことは、今でも忘れませんからね。
すごい効果だと思います。
でも、ああいうビデオを見て「あ、これがそうなんだ!」と
納得してはいけないというのも事実としてあります。
みんな、AV男優がやることをマネしなきゃ
「フツー」じゃないんだ!と思ってしまうと
偏ったことしかできなくなってしまうわけです。
あ、話がすげぇずれてきた。
戻します。
今の時代なら、AV経由の誤った情報を鵜呑みにして
性生活を送ってしまう可能性も大きいですし、
ネットで検索すればいろんな情報が手に入るわけで
があるわけですが、
キンゼイ博士の時代(今から50年ほど前)は
そんな情報などほとんどない状況、しかも
宗教的な要素も深く関係してくる問題なだけに、
「オナニーは悪!」みたいなわけのわからん教えが
一般化していたようなんです。
それを、もっと生物学的・統計学的に整理して
みんなの実態を調べてみようとしたのが、この博士。
その志は素晴らしい!んですよ。
この人がいなければ、今の世の中はなかったんじゃ
ないかと思えるくらい。
でも、この人の探究心の深さというか暴走っぷりが
凡人の域をはるかに超えていて、なかなか理解できません。
あんた、ミイラ取りがミイラになっちゃってるよ!?
と教えてあげたくなったもんなぁ。
そんな、観客のオレが冷静沈着になってどーする?
本来なら学者さんが冷静でなければならないのに…。
ってなわけで、なかなか映画そのものを楽しむことができず…。
なんか残念。かなり残念。すごく残念。
オレ的にはとっても惜しい作品でした。 |
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posted on 2005.08.31 |
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▲TOP |
ヒトラー 〜最期の12日間〜 |
Der Untergang |
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日本でもこんな映画が作られないかな? |
★★★★ |
今年はちょうど、戦後60年にあたる節目の年として
テレビなどでも多くの特番やドラマが組まれていますよね。
そんな折、同じ戦敗国であるドイツから、
タイトルどおり「ヒトラーが生きた最後の12日間」を描いた
映画が届きました。
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これまで、少ないながらも「ドイツ(ヒトラー)の犯した
恐ろしい悪行」についての映画を観てきました。
(『シンドラーのリスト』、『戦場のピアニスト』など)
権力に傘を着て、人を人として扱わず、
人の死に対して何の良心の呵責もない加害者たちの
行いには、いつ観ても涙と身震いが止まりません。
でも、今まで観てきた映画の登場人物は
しょせん「権力を傘に着た」立場の者たちであり、
「権力」そのものの実態を見たことはありませんでした。
この映画は、独裁者ヒトラーの最期を見届けた
女性秘書が綴った回想を元に作られたそうで、
ヒトラーだけでなく、その周辺の権力者たちの行動や
心理についても、冷静に描いていたように思います。
(ゲッペルスなんて名前、聞いたことはあったけど
実際どんな人だったのかなんて、全然知らなかった…)
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で、オレがこの映画でアドルフ・ヒトラーを観た感想:
わけのわからん人だ…。
理解ができなさ過ぎて、ひたすら恐ろしさを感じさせる人だ。
ということでした。
戦争以外のことを考えてるときは
案外いい人じゃん!と思わせる人柄なのに、
いざ「総統」の立場として物事を考え出すと
途端に豹変してしまう。
「国民の命」と「自らの理想」を天秤にかけると
「理想」が第一になって、「国民」のことなんて
これっぽっちも眼中にないあたりが致命的ですね。
そして、ヒトラーを取り巻く人々の中でも
理解できる人と理解できない人が
クッキリと分かれていました。
敗戦が決定的になって自暴自棄になる人。
保身や生き残りに走る人。
なんとか血を流さずに収めようとする人。
不本意ながらも任務を全うしようとする人。
このへんは理解できます。
でも、どこまでいってもヒトラーのことを信じて
疑わないという人もいるんですね。
その代表例がゲッペルス夫人。
ゲッペルスという人もかなり狂信的に見えましたけど、
夫人はそれ以上に狂ってるとしか思えなかった。
あれほどまでにひとつの考えに執着してしまう人が
国のトップにいると、こういう結末になるんだなぁって感じ。
メチャクチャですわ。恐ろしいです。
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こんな、すごい映画、
日本では作られたことがあるんだろうか?
(どうやらあるらしいです。くわしくはこちらから。)
そんなことも考えます。
限りなくノンフィクションに近い、敗戦の真実。
学校では決して教えてくれない
こんな「究極の状況」を知るのと知らないのとでは、
その後の人生観が全然変わってくる。
それくらいのインパクトがあると思います。
特に若い人には。
今、日本人がこんな映画を作ることに意味がある。
オレはそう思います。
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日本では、来月総選挙が行われます。
独自のリーダーシップを発揮して、支持率も高い
小泉首相のやり方に審判を下す選挙だそうですが、
この映画を観てですね、思ったこと。
一国のリーダーたるものは、
どれだけ国民のことを考え、
どれだけ広い視野を持って物事を実行できるか。
それがいちばん重要な資質なんだな。
そして、そういう資質を持った人(や政党)を
オレたち自身がキチッと選ばなきゃいけないんだ!
※この戦争で、5000万人が命を落とし、
※ユダヤ人は600万人が虐殺されたという
※解説がありました。声も出ません…。 |
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posted on 2005.08.21 |
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▲TOP |
リンダリンダリンダ |
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監督: |
山下敦弘 |
脚本: |
向井康介
宮下和雅子
山下敦弘 |
音楽: |
ジェームズ・イハ |
出演: |
ペ・ドゥナ
前田亜季
香椎由宇
関根史織
三村恭代
甲本雅裕 |
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公式サイト(日本語) |
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どこにでもありそうな、キラキラした風景 |
★★★★☆ |
【出だしの部分】
とある高校の文化祭。
軽音部に所属し、バンドを組んでいる女の子たちは
そこでオリジナル曲をライブ演奏する予定だったが、
ギターの子が指にケガをしてしまい、さぁ困った。
困りついでにバンド内でケンカが勃発!
ヴォーカルまで抜ける始末。
そこで彼女たちは、新しいヴォーカルを見つけ、
ブルーハーツのコピーバンドとして
舞台に上がることを決めたのだったが…。
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『フライ・ダディ・フライ』的な青春も好きだし、
『ウォーターボーイズ』的な青春も好きだし、
『アイデン&ティティ』的な青春も好きですが、
この『リンダリンダリンダ』的な
「マッタリとした、でも実は熱い、みたいな青春」が
もっとも自分たちのものに近くて、手が届きそうで
でも、最も「できそうでできなかった」青春を描いて
いるのではないか、と、そう思うのであります。
なんか、いきなり結論っぽく書いちゃいましたけど…、
学生ってのは、こういう時間の過ごし方をするために
あるんだよなぁ〜(遠い目)と、我が身を振り返って
若干後悔させられたりもする、大変すがすがしい映画でした!
ま、オレが感じたこの「すがすがしさ」は
彼女たちが演奏していたザ・ブルーハーツの音楽が
大きく作用していたということもできると思います。
こう、なんっつうんでしょうね。
ブルーハーツって、真っ直ぐなんですよね。
ひたすら真っ直ぐなんです。真剣なんです。
小手先だけではごまかせない純粋さが必要なんですよ。
演奏するほうも聴くほうにも。
そういう姿勢が、青春ど真ん中の主人公たちの生き方に
すごーーくマッチしてるというか、
あの年代の人には、ブルーハーツのような音楽が
もっともストレートにココロに響くんじゃないかなぁと
改めて思いましたね。
あぁ、オレもバンドとかやれればよかったよなぁ…。
もちろん全曲ブルーハーツで!
なんだか、映画そっちのけでブルーハーツ絶賛論を
語ってしまいました。
ごめんなさい。ついつい。
劇中では、バンドのヴォーカルに
韓国からの留学生ソンさんが選ばれました。
ソンさんは日本語での会話もまだぎこちなく、
歌も決してうまくないという設定なのですが
そのぎこちなさや洗練されていない感じが
まさにブルーハーツにピッタリなわけで!
それよりも、歌詞がわからないのに歌に感動する純粋さや
友達をとことん大切にする情熱みたいなものが
炸裂していたソンさん。
いや、ソンさんを演じていたぺ・ドゥナさんが素晴らしかった!
ソンさん、サイコー♪
アンタの歌はハートにビシビシ伝わってきたぜ!
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と、映画の本筋についてはここまでにして。
ちょっと横道に逸れますが。
この映画で、オレは新しい才能に出会いました。
その名は、湯川潮音。
指をケガしたギターの子の役で出演していますが、
最近メジャーデビューを果たしたばかりの21歳。
(すでにインディーズで活動をされていたそうです)
ハナレグミやくるりの絶賛を受けるという、その歌声を
この映画の中で初めて聴くことができました。
こ、こ、これはすごい。
初めて、元ちとせの歌声を(生で)聴いたときの
感触と似ています。
あ、ビヨークだ…♪
と感じる以外は何も反応できず、ただただ
その歌声の美しさに吸い込まれていくかのようでした。
ものすっごいスケール感が、オレを包むんですよ。
この声は。今度CDもチェックしてみようと思います。 |
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posted on 2005.08.17 |
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▲TOP |
July,2005 | back number | September,2005  |
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