静寂のカンボジア〜トンレサップ湖
 
Tonle Sap Lake
 
 
トンレサップ湖
 

  遺跡観光のスケジュールが半日空いたら、南へと足を伸ばしてみましょう。シェムリアップから車で30分あまり。琵琶湖の10倍以上という、この「カンボジアの心臓」抜きには何も語れません。  

 
湖畔
 


   
堤防
シェムリアップから南へ下る一本道は、やがて舗装路からダートへと変貌し、気がつくと堤防になっていました。このままどこまでも、は行けません。湖に突っ込んでしまいます。乾季だからいいものの、雨季にはこのあたりもとっくに水没しています。とすると、この道の果てはどうなっているんだろう。
   

   
観光ボート
堤防をどんどん下って行くと、やがて右側に運河のような水路が見えてきます。岸には観光用に屋根を取り付けたボートがずらり。というか、屋形船だな、こりゃ。私たちを見つけると船頭さんが声を掛けてきました。さあ、クルーズに出かけてみるか。でも、まだ湖っぽくないな。
   

 
水上生活
 


   
代表的な家屋
水上生活といっても、ミャンマーのインレー湖のように完全に水の上に浮いているわけではありません。雨季の増水に備えて高床式にしているのです。乾季だとほら、土台が見えるでしょ。このあたりはまだ湖の周縁部なので、地面からの高さもそれほどではありません。
   

   
行商
それでも水路が道路代わりですから、移動の際は舟を漕いでいきます。しかし、驚いたことに行商の人が舟で各戸を巡ってくれるのです。いわば御用聞きの三河屋さん。便利ですね。と言っても、舟に積める程度のものしか売ってないんですけど。冷静に考えれば、そりゃそうだよな。
   

   
商店
そんなわけで、たまには自分で舟を漕いでお店に出かけましょう。ここは雑貨屋の他に喫茶店も兼ねていて、何人かのお客さんがカウンターで飲んでいました。ひょっとしてアルコールも出るのかな? 帰りは飲酒運転になっちゃうけど大丈夫なんでしょうか。ともあれ、社交場なのは間違いない。
   

       
 
昼寝
船をつなげて屋根を掛けただけの家もあります。柱と柱を結べばハンモックの出来上がり。暑いときは風通しの良い日陰でひと寝入りするのが一番。うーん、優雅な暮らしだ。
 
水没
堤防をどこまでも行くと、ご覧の通りいつしか嵌まってしまいます。乾季にはちゃんとした道だったのにね。さらに雨季になる前に脱出しないとまずいんじゃないの?
 
お風呂
湖が生活の場だということがよくわかりますね。もっとも、子供にとっては風呂なのか単なる水遊びなのかは見ていてもよくわかりませんでしたが。楽しければいいか。
 

 
湖中央
 


       
 
いざ
水上家屋が切れる頃から一気に視界が拡がります。ここからがいよいよ湖本番。何が我々を待っているのか。インレー湖のときもそうだったけど、なんだかワクワクします。
 
プノン・クロム
遥か彼方に見えるのはアンコール王朝の南の砦だったプノン・クロム山。頂上からの眺めは絶景だという噂なので、時間があったら登ってみて下さい。遺跡もあるよ。
 
水没その2
水中樹ではありません。もちろん乾季には土から生えていたものです。けっこうシュールな眺めだな。逆に言うと、この高さまでしか水は来ないということですね。
 

   
船の家
幽霊船発見。洪水で逃げ遅れたノアの箱舟か、座礁したタイタニックかと思いきや、よく見ると中には人がいました。失礼しました。でも、こんなところでどうやって暮らしているんだろう。魚は獲れるかもしれないけど、商店は遥か彼方だし行商が訪ねてくるとも思えないし。
 

   
これは海に違いない
湖じゃないよ。海でしょ、これ。だって、どこまて行っても陸地が見えないじゃない。360°すべてが水平線。あるのは水と空ばかり。エンジンを切って波に揺られていると、波音の他は何も聞こえず、解放感の傍ら何だか無性に不安になってきます。これで水深はわずか4〜5mだというから驚きです。
   

 
休憩小屋
 


   
生き物の楽園
観光に疲れたら、少し戻って水上あずま屋でひと休み。と思ったら、ここも観光ポイントのひとつだったんですね。他と違って鉢植えの植物で埋め尽くされた船は、ケージに水鳥が羽ばたき、猿が走り回る。少年のペットなのでしょう、ご丁寧に首輪まで付けていました。うーん、不思議な店だ。
   

   
生け簀
東屋には船倉を利用した生け簀も。湖の真ん中であるにもかかわらず、わざわざ魚を養殖しているのです。餌をやると奪い合うようにバシャバシャと跳ね、けっこうコワイ。さながら獲物に群がるピラニアみたいです。誤って生け簀に落ちたら、容赦なく食べられてしまうんじゃなかろうか。
   

     
観光の目玉
だが、しかし。それだけではない。店に入るとうさぎや爬虫類も飼っているのです。中でも目玉は巨大なニシキヘビ。このようにサービス(?)で籠から出して触らせてくれます。毒はないと思うんだけど、そこは蛇、たちどころに絡み付いてきます。脚なんか締めつけられてるよ(左)。断っておきますが、けして怖がっているわけじゃありません(右)。蛇ってけっこう重いんですよ。長くてバランスがとりづらいし。そうそう、忘れてたけどここにはカンボジア・シルクなどのお土産も売っています。ジュースもあります。というか、本業はこっちなんだけど。
     

   
やめられない、とまらない
店のママさんが湖で採れた小海老の塩茹でを出してくれました。皮を剥いて柚子胡椒の効いたタレにつけて食べるのですが、これがウマい。昼食後さほど経っていないはずなのに、食べ始めたらもう止まりません。かっぱえびせんも真っ青のクセになる味です。ついついお代わりしちゃいました。
   


   

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