静寂のカンボジア〜クバル・スピエン
 
Kbal Spean
 
 
クバル・スピエン
 

  長くポル・ポト派支配地域にあったため旅行者の立ち入りが禁じられていた幻の遺跡が、内戦の終結とともに公開されるようになりました。ただし、車を降りてから40分あまりハイキングをしなければなりませんが。しかも道の両側にはまだ地雷が埋まってるんだよね。  

 
幻の遺跡
 


   
ハイキング
他のアンコール遺跡は回廊や塔を登りますが、ここは山道を登ります。最初は子供の頃の林間学校みたいに元気いっぱいですが、徐々に辛くなってくるのが悲しいところ。年齢には勝てません。それでも、日本では普段は見ることのできない巨石がごろごろ転がっていたりして、飽きることはありません。
   

   
川の中の遺跡
旅行会社のパンフレットには「珍しい川の中の遺跡!」とあり、実際に見るまでは「それってナニ?」と思っていましたが、なるほど、これはまさしく「川の中の遺跡」としか言いようがありません。濡れながら彫ったのか、後で水を流したのか。今後メジャーになるにつれ、謎が謎を呼ぶのでは。
   

   
巨石信仰
川の上流にあるだけに、転がっている石はどれも大きなものばかり。そんな石にレリーフが刻まれているのです。モチーフはヴィシュヌ、シヴァといったヒンドゥーの神々。日本の道祖神に通じるものを感じさせます。体系だった宗教というよりは自然崇拝の影響が強かったんでしょうね。
   

   
天女の舞い
宙を行くアプサラが二体。でも彼女たちは空を飛んでいるのではなく、ときおり水飛沫を浴びながら泳いでいるのでした。本人たちはこのシチュエーションをどう思っているんでしょうね。きっとなんか変な気分なんじゃないかな。羽衣が濡れてからだにまとわり付いているかもしれないし。
   

   
リンガ
シヴァ神の象徴であるリンガはヒンドゥー遺跡によく見られますが、ここでは何本も川の中に並んでいます。といっても、高く屹立しているわけではなく、輪切りにされたみたいで平べったいし、配置も区画整理されているし、何だか碁盤みたいです。説明されるまでは魚の鱗かと思いました。
   

   
外人さん
観光地としてはまだまだマイナーなだけに、訪れる人はそんなに多くありません。ハイキング途中は誰にも会いませんでした。終点近くになって、やっと他のグループを発見。欧米系の一団です。白人は体力あるから、こんな坂道なんともないだろうと思いきや、意外と彼ら疲れてましたね。
   

   
終点
ハイキングがてらの遺跡観光でしたが、最後は滝に到着しました。振り返ればけっこうな山道だったな。日頃運動不足なだけにもう脚がパンパンです。ちょっと休憩して森林浴でもしましょう。水飛沫と相まって、きっとマイナスイオン出まくりのはず。疲れた心とからだを癒してくれますよ。
   

 
街角の風景から
 


           
     
同情するなら金をくれ
     
    「雷波少年」でもおなじみのデコボコ道を揺られていたところ、木陰から子供たちが飛び出してきました。車の窓をバンバン叩くその顔はまるで鬼のような必死の形相。運転手が小銭をやると途端に奪い合いが始まりました。    


   

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