静寂のカンボジア〜アンコール・ワットの朝陽&プノン・バケンの夕陽
 
Sunrise of Angkor Wat & Sunset of Phnom Bakheng
 
 
アンコール・ワットの朝陽&プノン・バケンの夕陽
 

 
アンコール・ワットに昇る朝陽
 


  早起きをして朝の清々しい森の中へ。西向きの伽藍の背後から、ゆっくりと太陽が昇ってきます。  

       
 
夜明け前
日の出のだいぶ前から空は明るくなってきます。「限りなく透明に近いブルー」とはこんな感じでしょうか。空気が澄んでいて気持ちの良い朝です。
 
参道
西参道を歩いていくうちに建物と空の境目が徐々にハッキリしてきます。朝焼けが五つの塔のシルエットを浮かび上がらせると、アンコール・ワットの一日の始まりです。
 
聖池
昼間の撮影ポイントは朝もやっぱり絶景でした。池に映り込むシルエットがどこか墨絵のよう。太陽の位置は季節によって変わり、夏は中央祠堂の真後ろから昇ります。
 

   
観測者たち
聖池の前が特等席。ひとりでしみじみ味わうも良し、仲間とワクワク待つも良し。やがて、ときどき歓声と拍手が湧き起こり始めます。背の高さや見る角度によって太陽が現れる瞬間が変わってくるため、日の出は何度か訪れるのです。池の周りを一周してみると、さらにいろいろな情景が楽しめます。
   

       
 
ご来光
そして祠堂の右肩が割れたかと思うと、光の槍が目に突き刺さりました。ホント、「太陽が昇る」というより「光の刃で切りつけられた」みたいでした。
 
シルエット
逆光の中、祠堂の五つの塔が少しづつ存在感を高めていきます。暗くて細部がわからないため黒く大きな塊という感じで、昼間より迫力を感じました。
 
朝まだき
静かな水面に咲く蓮の花。まだ明けきらない空は霞がかかったようで、何だかとても気分が落ち着きました。朝ならではの楽しみ方。オススメです。
 

 
プノン・バケンから見る夕陽
 


  夕陽の名所といえばここ。夕方になると丘の麓はバスやらバイクタクシーやらで一杯になります。  

       
 
登山道
プノン・バケンへは岩がごろごろする坂道を登っていきます。一日歩き回った挙げ句のこの上りは結構きつい。みんなよく頑張るな。ハアハア言ってる人も多いけど。
 
森に埋もれる
プノン・バケンから見えるのは夕陽だけではありません。緑の樹々に埋もれるようにひっそりと、アンコール・ワットの中央祠堂が佇んでいました。ちょっと印象が変わります。
 
カウントダウン
陽が沈むのはあっという間。油断してると見逃してしまいます。と思って早めに行ったら、今度はなかなか沈まない。これでは振り上げた拳の降ろしどころがないな。
 

   
遺跡
そういえばプノン・バケン自体が貴重なアンコール遺跡のひとつです。でも観光客は夕陽に気をとられ、お土産屋はそんな観光客の気を引こうと必死で、誰もあまり見てくれません。可哀想です。日没までまだ少し時間があったので、基壇をぐるりとひと回り観光しました。
   

   
プノン・クロム
プノン・バケンからは、ともにアンコール三聖山に列せられるプノン・クロムを見ることもできます。はるかトンレサップ湖のほとりに忽然と突き出たこの小山は、麓が霞んでいることもあって、まるで緑の平原に浮かぶ蜃気楼のようです。さすが、飛鳥三山とはスケールが違います。
 

       
 
デートスポット
夕陽と反対の遺跡の東側は人気も少なく、愛を語り合いたいカップルにはうってつけの場所です。象のタクシーの待機場所になっていることさえ厭わなければ。
 
西バライ
アンコール時代の巨大な貯水池、西バライ。あまりの大きさに彼方が霞んで見えません。夕陽の前のひとときに雄大な眺めを押さえておきましょう。アンコールって凄いな。
 
観測者たち
頂上はご覧の通り。居場所を確保するだけでも大変です。これ自体、インドネシアのボロブドゥールにも似たなかなかの祠堂なのですが、明らかに土台と化しています。
 

 
地平線じゃない
時が満ち、西の地平線に太陽が沈んでいきます。と思ったら、地面の手前で欠け始めるではありませんか。雲があるのか屈折のせいなのか、何と夕陽は空中に沈んでいくのでした。ところで、日本と違い帰り道には街灯などありません。暗闇の下り坂を駆け降りることになるので、足元には気をつけて。
   


   

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