静寂のカンボジア〜ロリュオス遺跡群
 
Roluos
 
 
ロリュオス遺跡群
 

  アンコール・ワットやアンコール・トムに先立つこと300年あまり、クメール王国の最初の王都はここロリュオスに置かれていました。シェムリアップから車で30分、国道6号線の南北に拡がる田園の中に遺跡が点在しています。  

 
ロレイ
 


   
煉瓦積み
最初に訪れたのは、6号線の北側に位置するロレイ。土を固めた人工の丘の上に、細長い祠堂が四基、東西南北に規則正しく配置されています。石ではなく小さな煉瓦(?)を何枚も積み重ねて造られており、周囲の田園風景ともマッチして素朴な印象を与えています。
   

   
僧院
祠堂と同じ敷地に寺院と僧坊がありました。白い寺院はやたら大きくて、24mmのレンズでも全体を収めるのはぎりぎり。比較的最近に建てられたようで、もちろん現役です。僧坊はミャンマーやラオスなどと似た板張りの簡素な造り。お坊さんの姿もちらほらしていましたね。子供もいたな。
   

 
プリア・コー
 


   
祠堂
6号線を挟んで南側に位置するプリア・コー。こちらは祠堂が三基ずつ計六基、横二列に並んでいます。平地に建っているためか、ロレイよりも小ぢんまりとして見えます。聞くところによるとアンコール遺跡最古の寺院だそうで、ということは、アンコール発祥の地と言えるのかもしれません。
   

       
 
産毛
祠堂の上部には、風に吹かれて飛んできた草が芽吹いていました。見た瞬間の第一印象は「ハゲ親父の産毛」。本当は風情があると言うべきなんでしょうけど……(笑)。
 
ナンディン
祠堂の前には聖なる牛ナンディンが、建物を護るように鎮座ましましていました。例によって妙にリアルで可愛く、つい撫でてしまいます。別にバチ当たりじゃないよね?
 
選挙ポスター
一ヶ月後は国会議員の総選挙。で、そのポスターがこれ。何を意味してるんでしょうね。教育改革でもするのかな。木に貼ってあるのがカンボジアっぽくていいですね。
 

 
バコン
 


   
参道
駐車場に車を停め、整備された参道を歩きます。道の両側には熱帯ならではの樹々が街路樹のように寄り添い、その間からときどき寺院が姿を覗かせます。さすがロリュオスの中心。つまり、かつての首都だっただけに、建物だけでなく敷地から計画された造りとなっているのです。
   

   
小学校
寺院の向かいはというと、これが学校だったんですね。しかも、青空教室ではなく建物の中です。勉強の邪魔にならないように、離れたところから望遠で狙ってみました。しっかり勉強して、立派な大人になれよ。未来を支えるのは君たちだ。カンボジアに来て一番「平和」を感じた場面でした。
   

       
 
ワット・バコン
境内の入口にはたくさんの草花に囲まれた寺院が。植物園?と思うほど色彩とりどりの花が咲いていました。熱帯の花っていいな。強い陽射しに良く映えていました。
 
ピラミッド
参道の向こうに整然とそびえるピラミッド型の寺院は美しいの一言です。ロレイやプリア・コーと比べて規模も大きく、「見た」という満足感を与えてくれること請け合いです。
 
クメールの窓
崩れかけているとはいえ、クメール様式の嵌め殺し窓にはつい目がいってしまいます。なんか好きなんだよね。実用性がないから自分の家に採用しようとは思わないけど。
 

   
基壇から
この寺院は五層の基壇を積み重ねた中心に中央祠堂がそびえています。登ってみると、これが結構な高さ。しかも360°、遥か遠くまで見渡せ気分爽快。地上とは視界の開け方が全然違います。といっても、周囲はすべて森に囲まれているんですけどね。寝そべって夜空を見上げたら、星が綺麗だろうな。
   

   
守り神
基壇の四方には象や獅子が段々に置かれています。外を向いていることから考えて、きっと魔除けなんでしょう。狛犬じゃなくて象や獅子というところが東南アジアっぽくていいですね。これも妙にリアルで、思わず撫でてしまいます。ほら、この可愛らしいお尻の丸みといったら。
   

       
 
遺跡修理
みんな汗だくになっての修理作業。壊れた石のピースをジグソーパズルよろしく嵌め込んでいきます。ときどき間違えて、大騒ぎでやり直してたみたいだけど。
 
清掃奉仕
境内の外では少年僧たちが庭掃除。砂埃がもうもうとする中の落ち葉集めです。こいつは嫌そうな顔をしてやってたな。我慢しろ。仏に仕える身だろ。これも修行なのだ。
 
国道6号線
首都プノンペンと北西部を結ぶ陸の大動脈。舗装状態も良く、政府が力を入れて整備しているのがよくわかります。交通量も少なく、高速道路のように飛ばせます。
 


   

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