ライナーガオー

 ギャレオン内部に秘匿されていたデータから建造された列車型ガオーマシン。基本的には前部車両、および後部車両の二両編成からなるが、これらは短時間であれば作戦上必要に応じて分離して各車両が独立して稼動することが出来るように設計されている。沖縄等の離島を除く日本全国に張り巡らされた鉄道網に沿って、その軌道上及び周辺における作戦行動を主任務とする。主に路線上に沿った索敵行動や、各車両の両端に装備された現存するあらゆる車両との連結を可能にする可変型万能連結器による輸送、目標拿捕、事故車両の救助等が想定されている。
 ガオガイガーへの合体時には両肩と両上腕部を構成する。
 空力効果と使用実績に優れた500系新幹線を模しているが、最高走行速度は526km/hに達し、また車輪幅を自在に変更できるゲージ可変装置によって日本国内はもとより全世界のあらゆる鉄道路線上を問題なく走行できる。これは規格がまちまちな世界中の鉄道線路にくまなく対応できる車両を、と開発が進められていたシステムであるが、車輪幅を変更する可変装置が台車全体の強度を下げるために高速走行時の負荷に耐えられないという理由から、特急レベルの列車に対しては採用が見送られていた。Gストーンとそれに伴うオーバーテクノロジーによりもたらされた新素材G装甲によって初めて高速車両への搭載が実現している。
 Gストーンによる内部機関で駆動するために、外部からの電力供給は必要ないが、緊急時にはパンタグラフを展開して送電線から電力供給を受けられるようになっている。線路外を走行する事も一応想定されてはいるが、路面とライナーガオー自身の駆動輪破損が激しくなるため滅多に敢行はされない。また底面部にブースターが装備されているが、これは飛行のためというよりファイナルフュージョン時における跳躍、および一時的な浮遊のためである。飛行装置としては不充分ではあるが、その後EMトルネードに乗ることで合体軌道に入ることができる。
 対EI−02追跡任務や対EI−04、08捕捉作戦、対EI−16戦における専用貨車を用いたディバイディングドライバー輸送において一定の実績を残したが、一方で線路上およびその周辺にのみに運用領域が限定されることの問題点が浮き彫りになっていった。本来偽装的な意味合いもある列車型という形態が、その運用範囲を極めて狭いものにし、かつガオガイガーへの合体時におけるGパワーの腕部への供給、変換という機能を内蔵したために機体に武装等の追加的機能をも殆ど付加できない事、他のガオーマシンのようにガイガーに装着してその運用機能を拡充できない事、そしてゾンダーの活動領域が次第に拡大し、作戦が巧妙化していった事がライナーガオーから活躍の場を急速に奪っていった。特に海上移動に関してはステルスガオー、あるいはステルスガオーUマルチパイロンによる拘引を必要とすることが、ライナーガオーの限界を如実に示す事例となっている。
 結局、機界31原種殲滅までは総体としてのガオガイガーの改良や補修に力が注がれたため、ライナーガオーの改良は先送りが繰り返されたが、ギャレオンがマモル少年と共に地球を去った後ガオファイガー・プロジェクトによって立案されたライナーガオー改良計画は、列車型からロケット型へとコンセプト自体を変更するという根本的機体構造への変更が加えられる事となったために、必然的に大掛かりなものとなった。結果的にライナーガオーUは3機の新ガオーマシンの中で、後継機が殆ど一から新たに設計、建造された唯一の機体となっている。
 ガオファイガー完成後は更なる後継機の研究開発のための中国・科学院航空星際部に移送され実験機として運用、保管されていたが、2007年夏、イオンコーティング実験中に突如として帰還を果たしたマモル少年(実際には彼のレプリジンと後に判明)の手により強奪される。その後はマモル少年のレプリジンの私的戦力として運用され、最終的には彼を中核としたスターガオガイガーとして日本・京都におけるガオファイガーとの決戦に投入されるも、敗北。白いギャレオンや他のガオーマシンともども完全に破壊された。

  分類 G−stone Drived Gao Machine
   型式 ガオーマシン
   全長 24.6m
   重量 55.4t
   内臓タンク総量 5.2t
   GSライドクラス 機密
   主動力 Gドライブ
   構造 Gボックスキャストフレーム
   出力 50000kw(約75000馬力)
   補助飛行システム ジャンプスラスター
   飛行システム推力 120t×2
   最大走行速度 526km/h
   バリア防御システム Gパワーバリアシステム
   物理防御システム レーザーコーティングG装甲
   搭乗可能人員数 4名
   特殊装備 万能連結器
   備考 万能連結器により、あらゆる車両と連結可能。各種ツールの専用輸送貨車を牽引する。