LET'S TRY KING OF HOBBY.

アマチュア無線とは何か

アマチュア無線は趣味の王様

アマチュア無線家のことをハム(HAM)と言います。ハムは昔からキンク・オブ・ホビー(KING OF HOBBY=趣味の王様)として親しまれてきました。ハムは年齢・性別・職業を問わずみな平等で、幼児から高齢者まで多くの仲間が世界中にいます。電波を通して偶然に出会った見知らぬ人々と気軽に話しをして友達になれる。このような体験はアマチュア無線でしか味わえないものです。

アマチュア無線は自宅からだけではなく、モービル(車・船など)に無線機を積んで移動しながら交信することもできるし、携帯型のハンディ機を持ち歩いて街中や山の頂上などから交信することもできます。
また、電信(モールス信号)を使った古典的な通信の技をみがいたり、最先端のコンピュータやデジタル技術を用いたパケット通信、FAX、SSTV(画像)、ATV(アマチュアテレビ)等の文字・画像通信。人工衛星や月面反射を用いた宇宙通信などアマチュア無線といっても様々な楽しみ方があります。

アマチュア無線とは「金銭上の利益のためではなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務をいう」と定められています。なんだか難しそうですが、要するに仕事や競技会・各種イベントなどの業務連絡には使用してはいけないということです。アマチュア無線の基本はあくまでも個人的な訓練・実験・研究です。それに人と人とのコミュニケーションが加わった科学的な趣味です。




世界一のハム大国

日本は世界一のハム大国です。日本のアマチュア無線局数はピーク時の1994年で約136万局。世界第二位はアメリカ合衆国で約65万局、第三位はドイツで約7万局となっています。
しかし、最近はどんどん減り続け、2000年度には89万局と激減してしまいました。これは携帯電話やインターネットの著しい普及が最大の原因と思われます。
アマチュア無線を単に仲間との連絡手段として利用していた者にとっては携帯電話や電子メールの方が確実です。でも本来のアマチュア無線は携帯電話やインターネットとはまた違った楽しみがあります。いつどこの誰と出会えるかわからない緊張感とワクワクした気持ち。思いがけない遠距離交信が成立したときの喜びなどハムの魅力はたくさんあります。







ハムの魅力

携帯電話の普及で無線の魅力が薄れたと思っている人も多いようですが、アマチュア無線は携帯電話とは目的も性質も異なります。その違いについて説明します。

●知らない人と友達になれる
アマチュア無線は特定の相手(仲間や知り合いの局)を呼び出すこともできますが、CQ呼び出し(どなたでも応答してくださいという意味)で偶然に電波を聞いていた知らない人から応答があり、新しい友達になれるのです。
携帯電話で知らない人に電話をして「友達になりませんか」なんて言ったら不審者扱いされるのが普通です。でもアマチュア無線では不特定多数に対するCQ呼び出しが当たり前なのです。



●アマチュア無線は皆が平等
アマチュア無線の世界では、年齢・性別・職業・国籍等によって差別されることはなく全く平等です。無線上では年齢や職業などについては聞かないのがマナーとなっています。だから同年代に限らず、老人と小学生が無線上で親しくなることもしばしばです。
相手が芸能人や政治家などの有名人であっても外国の国王であっても全く対等な立場で話しができるのです。
無線では必ずコールサイン(呼出符号)を言わなければならないので、それにより出所が明らかになるので発言には責任を持つことになります。だからインターネットのように匿名やニックネームで誹謗中傷や無責任な発言をされることは無いのです。


●友達の輪が広がる
携帯電話では通信内容は他人が聞くことはできないのでナイショ話しもOKですが、アマチュア無線では1対1の交信でもその内容はすべてのアマチュア無線局が聞くことができるのです。だから話しを聞いていた他の人が会話の内容に興味があったりして次々に応答してくるのです。3人以上がマイクを回しなから同時に交信することもできます。
アマチュア無線では相手が知り合いであっても、誰が聞いているかわからないので、他人の悪口やナイショ話しは禁物です。



●通信料が無料
一般電話もインターネットも利用すればその都度通信料金がかかります。特に携帯電話で長電話を毎日続ければ1カ月数万円の電話料金を支払うことになります。
アマチュア無線は何時間しゃべっても通信料はかかりません。外国でも毎日でも24時間続けてしゃべってもタダです。かかるのは無線機の電気代と年間500円の電波利用料(最近できた税金のような制度)だけです。だから暇な時に知り合いの局を呼び出してラグチュー(気軽に話すこと)している人も多くいます。


●災害に強い
地震・台風などの大規模災害や戦争・暴動などの騒乱時には一般電話も携帯電話も使用できない可能性が高いのです。電話が集中すればパンクしてしまいますし、中継アンテナや電話局などの設備に被害がおよべば電話機を持っていても通信することはできません。
その点アマチュア無線は中継アンテナや基地局を必要とせず、無線機同士で直接交信できるのです。だから災害時の通信手段としてもアマチュア無線は有効なのです。実際に阪神・淡路大震災では電話回線が壊滅状態の中でアマチュア無線が大活躍しました。


●機器の改造が自由
携帯電話もCB無線・パーソナル無線・その他の仕事用の業務無線も規格が決められており無線機器を改造することは禁止されています。
その点アマチュア無線は機器を自由に改造することができます(もちろんアマチュアの周波数以外で送信することは禁止ですが、改造はOKです)。それはアマチュア無線の目的そのものが実験・研究だからです。そのために無線工学や無線法規を勉強して国家資格が必要なのです。国家資格が必要な趣味というのは他にないでしょう。そのあたりが、キング・オフ・ホビーといわれるところでしょうか。
昔(昭和30年代まで)は、市販の無線機は殆んど無く、無線機やアンテナを自作するしかなかったのです。現在は多くの無線機器が市販されていますが、今でも無線機や周辺機器を自作して運用しているハムも多いのです。





teatime     ハムの語源   
 

 アマチュア無線家のことをハム(HAM)と言います。私も子供の頃から疑問に思っていたのですが、なぜハムというのでしょうか?ハムといえば一般的には、肉の加工品とかねずみのハムスターを思い浮かべますが・・・
 主な説は・・・

1.アマチュア(AMATEUR)のAMをとって、語呂をよくするために頭にHを付けた。

2.大根役者(英語でhamという)からきたもの。演技が下手な役者、つまり大根役者のことを英語でハムといいますが、無線のアマチュア=素人という意味合いから、アマチュア無線をハムというようになった。

3.米国で20世紀初頭に仲間同士で無線通信をしていた3名(Hyman, Almy, Murry)の頭文字を採ってHAMとした。


 上記以外にも諸説ありますが、真偽の程はよくわかりません。特に3番目の3名の無線通信の件は非常に具体的な説で、法制度の整っていなかった時代に船舶無線との混信が問題となり、米国議会で取り上げられ、電波法が定められるきっかけになったというものです。もし真実なら米国議会の議事録に載っているわけですから、それが確認できれば決定的です。新聞にも記事が載っているそうです。でも、私は議事録も新聞も見たことはないし、引用された記事も知りませんので、これも具体的すぎて逆に疑問です。誰かが創作した可能性もあります。興味のある人は、20世紀初頭の米国の議事録や当時の新聞記事を調べてみるとよいでしょう。

 アマチュア無線連盟の関係者によると、個人的な見解ですが、大根役者が有力ではないかということです。私も大根役者に一票というところですかね。
結局は諸説あるが、よくわからないというのが事実のようです。
ハム(ham)は国語辞典にも英語辞典にも、「豚のもも肉の加工品、大根役者、アマチュア無線家の俗称」と記載されています。
とにかく、ハムはアマチュア無線家を指す言葉として世界的にも定着しているので、あまり深く追求しなくてもよいのかもしれません。



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