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アマチュア無線の周波数

アマチュア無線で運用できる周波数はたいへん多く、周波数ごとに様々な特徴があります。
周波数帯(バンド)別の特徴について紹介します。

     


LF(長波)帯

135kHz帯
<135.7kHz〜137.8kHz>
新規配分(2009年3月30日施行)された周波数で、アマチュアでは初の長波になります。
CWと狭帯域データのみの利用となります。
電波特性は長波ラジオが参考になると思います。
1波長が2000mを超えますので、アンテナ設置が課題となります。



MF(中波)帯
 

1.9MHz帯 (160mバンド) [3アマ免許以上]
<1810kHz〜1825kHz/1907.5kHz〜1912.5kHz>
電信(CW=モールス信号)専用のバンドで、3級以上の資格が必要です。
昼間は地表波による伝搬が中心で、夜間帯は電離層反射で遠くまで飛びます。
AMラジオとほぼ同じ周波数帯ですので、AMラジオの電波の飛び方に似ています。

1波長が160m
もありますのでアンテナの設置が困難です。運用にはかなりの熟練が必要です。
      

*1810KHz〜1825KHzは2000年4月にアマチュアに開放。


HF(短波)帯


        

3.5/3.8MHz帯 (80mバンド)
<3500kHz〜3575kHz,3599kHz〜3612kHz,3680kHz〜3687kHz>
<3702kHz〜3716kHz,3745kHz〜3770kHz,3791kHz〜3805kHz>
1.9MHz帯とよく似た性質の電波です。夜間帯、特に夕方と早朝によく飛びます。
3.5MHz帯が国内外のCWと国内のSSB、3.8MHz帯が海外とのSSB交信に使用される慣習があります。
このバンドも
1波長が80mと長いのでアンテナの設置が困難ですが、短縮された垂直型アンテナもあります。

*2008年4月28日にバンド幅拡大。

    
7MHz帯 (40mバンド)
<7000kHz〜7200kHz>
HF帯の中で最も人気のあるバンドです。
もちろん海外交信もできますが、一日中国内の遠距離交信が盛んです。
狭いバンド幅に多くの局が集中しますので、1日中大混信状態です。
運用にはテクニックが必要ですが、アマチュア無線の醍醐味を最も味わえるバンドです。
1波長が40mもありますが、短縮アンテナ等各種が発売されていますので、
工夫次第で狭い敷地やマンションでも運用可能です。


*2009年3月30日にバンド幅拡大。
    
10MHz帯 (30mバンド) [2アマ免許以上]
<10100kHz〜10150kHz>
電信(CW)専用のバンドで、2級以上の上級資格が必要です。
1982年に開放された歴史の浅いバンドです。
電波が安定しており遠距離通信に向いています。交信には熟練した技術が必要です。
1波長は30mです。

     
14MHz帯 (20mバンド) [2アマ免許以上]
<14000kHz〜14350kHz>
DX(特に海外交信)のメインバンドです。運用するには2級以上の資格が必要な上級局専用のバンドです。
電波も安定しており海外交信には欠かせない国際バンドです。
このバンドを運用したいために上級資格を取得する人が多いのです。

  
18MHz帯 (17mバンド) [3アマ免許以上]
<18068kHz〜18168kHz>
1989年に開放された新しいバンドです。運用には3級以上の資格が必要です。
14MHzに似た特徴があり海外交信に向いています。
運用者が少ないので混信が少ない穴場のバンドです。

   
21MHz帯 (15mバンド)
<21000kHz〜21450kHz>
HFの入門バンドとして人気があります。
バンド幅が比較的広いので7MHz帯に比べ混信が少なく初心者でも運用が容易です。
国内交信と海外交信の両方が可能ですが、電波は不安定で時間帯や季節によりコンディションが変化します。
特に太陽の黒点活動の影響を受けます。
1波長は15mとHF帯の中では短い方なのでアンテナ設置も容易です。
  
24MHz帯 (12mバンド)
<24890kHz〜24990kHz>
18MHzと同様に1989年に開放された新しいバンドです。
電波伝搬の特徴は21MHzと次に紹介する28MHzの中間的な特徴があります。
コンディション次第で遠距離交信も可能です。
HF帯の中では最も運用者が少ない(人気の無い)バンドです。
逆に運用者が少ないというのは混信が少ないということにもなり、
ローパワーでも遠距離交信の機会がある穴場のバンドです。ただし市販のアンテナが少ないです。

   
28MHz帯 (10mバンド)
<28MHz〜29.7MHz>
HF帯で一番高い周波数でバンド幅も広い。HF帯で唯一FMモードによる交信が許可されている。
電波伝搬は最も不安定で普段の運用者は非常に少ない。
しかし太陽活動が活発になってコンディションが上昇するとDX交信も可能となる。
また夏場を中心に電離層で突発的に発生するスポラディックE層(Eスポ)による遠距離交信も楽しめる。
不安定さが魅力でもあり熱心なファンも多い。29MHzのFMは根強い人気がある。
1波長は10mと短いのでモービルでの運用も容易である。


    

VHF(超短波)帯

50MHz帯 (6mバンド)
<50MHz〜54MHz>
普段の運用者は少ないですが、昔はアマチュア無線の入門バンドでした。現在も根強い人気があります。
通常は見通し距離による交信が中心でFMラジオに似た特徴があります。
太陽活動が活発(約11年周期)になると地球の裏側との交信も可能となる場合があります。
毎年春から夏にかけて頻繁に発生するEスポによる遠距離交信が盛んに行われています。
またメテオスキャッター(流星散乱)や赤道横断伝搬などの異常伝搬が最も発生しやすいバンドとしても人気があります。
バンド幅も広く、昔のAMモードによる交信も残っていますし、FMモードによる遠距離交信も可能です。
運用者のマナーもよく、古き良き時代の雰囲気が残っている唯一のバンドです。

1波長は6m
と短く、アンテナ設置も容易です。
TVI(テレビ受信障害)を発生させやすいバンドとして敬遠する人がいるのも事実ですが、
最近の無線機は性能が良いので、十分に調整した設備であればほとんど問題はありません。

   
144MHz帯 (2mバンド)
<144MHz〜146MHz>
現在の入門バンドでもあり、FMモードを中心に利用者が最も多い。
SSBモードでは熱心な運用者が多い。Eスポによる遠距離交信も可能だが発生頻度は非常に少ない。
見通し距離による実用的なバンドである。
1波長は2mで小型アンテナでOK、無線機の種類も多く安価なのでFMモービル局が非常に多い。
そのため免許を持たない不法局が最も多いバンドでもある。
昼間はほとんど不法モービル局に占領されており、夜間や休日にアマチュア無線家が出てくる。
都市部では大変混雑しており、マナーの悪さに閉口するバンドでもある。



    

UHF(極超短波)帯

430MHz帯
<430MHz〜440MHz>
地方では運用者が少ないが、都市部(1・2・3エリア)では入門バンドとなっており利用者も多い。
周波数帯が広いので、144MHz帯の混雑から逃れてきた利用者も多いようです。
見通し距離(50Km程度)による交信が基本です。
ダクト現象による遠距離交信(1000Km以上)も報告されていますが、非常に稀です。
友人とのラグチューなどのんびりとした交信に向いています。
それでも都市部では混雑しており、不法モービル局や仕事の業務連絡をする不届き者も多くいます。
利用者が多いのでいたずらや妨害をされることもありますが、144MHz帯に比べればマナーは良い方です。
1波長は70cmなので小型アンテナや利得の高いアンテナの設置が容易です。
無線機の種類も多く安価(144MHz帯と組み合わさった無線機が主流)です。
144MHzと組み合わせて衛星通信が楽しめます。
また、全国各地に設置されたレピータ(中継局)も利用できます。

   
1200MHz帯
<1260MHz〜1300MHz>
バンド幅が40MHzと非常に広いため様々なモード(電波型式)が利用できますが、運用者は非常に少ないです。
電波は光とよく似た性質となり、遠くへは飛びません。直進性が強くビル反射や山岳回折が起こります。
パケット通信等のデータ通信やATV(アマチュアテレビ)の運用者もいます。
また430MHz帯同様にレピータも利用できます。

1波長は25cm
と非常に短いのでアンテナは精度が要求されます。様々な実験・研究に適したバンドです。
無線機も多く市販されていますが、比較的高価です。
高い周波数はケーブル等の伝送ロスが大きい為、本格的な運用には高度な設備が必要です。
そのため高齢者の運用が多いのも特徴(要するに暇とお金が必要)です。

   
2400MHz(2.4GHz)以上の周波数帯
2.4GHz、5.6GHz、10.1GHz、10.4GHz、24GHz、47GHz、75GHz、143GHz、249GHz帯
と多くのバンドがアマチュア用に開放されています。
しかし、市販の無線機は殆ど無い(10GHz以上は皆無)為、運用者は数えるほどしかいません。
運用するには無線機やアンテナを自作するしかありません。
様々な可能性のあるバンドですので、自作や実験・研究が好きな技工派向けです。
*電波の分類上3GHz〜30GHzはSHF(マイクロ波)、30GHz〜300GHzはEHF(ミリ波)


電波の区分
周波数 呼び名 使用例
3kHz〜30kHz VLF (超長波) オメガ、標準電波
30kHz〜300kHz LF (長波) アマチュア無線、長波ラジオ、標準電波(電波時計)
300kHz〜3000kHz MF (中波) アマチュア無線、AMラジオ(中波放送)
3MHz〜30MHz HF (短波) アマチュア無線、CB無線、短波ラジオ
30MHz〜300MHz VHF (超短波) アマチュア無線、VHFテレビ(1-12ch)
FMラジオ、航空無線、各種業務無線
300MHz〜3000MHz UHF (極超短波) アマチュア無線、パーソナル無線、特定小電力
UHFテレビ(13-62ch)、各種業務無線、携帯電話
3GHz〜30GHz SHF (マイクロ波) アマチュア無線、衛星(BS,CS)テレビ放送
30GHz〜300GHz EHF (ミリ波) アマチュア無線、レーダー
300GHz 以上 赤外線、可視光線
紫外線、X線など
 
 電波とは電磁波の中で周波数が3kHzから3,000GHzまでのものをいいます。




無線資格・免許

電波型式(MODE)


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