詰ガエルさん、久々の登場。これまで高度な趣向をくるくるとして楽しませてくれた詰ガエルさん(くる展No.108、No.117、No.121)、さて、今回は。
99馬の配置が接近型の馬ノコの予感。
持駒に桂4枚あるので、桂を使いながら近づく馬ノコでしょうか。
初手は銀を動かして空王手するしかなさそう。 26から27の入玉を阻止して、16銀が好位置です。
それでも26玉なら44馬の一発。
また24玉は23とと角が取れて簡単なので34玉の一手です。
16銀、34玉、
ここで89馬、44玉、88馬、34玉となれば普通の馬ノコで近寄れてしまうので、89馬には43玉と下がって抵抗。
35桂と打たせてから44玉とすれば、88馬、34玉で飛車の利きが止まっているので78馬と行けません(45歩合で逃れ)。
打ったばかりの桂が邪魔駒になっているんですね。
この桂をどう消すか、そのヒントは初形にありました。
そう、25銀、35玉となれば初形に戻って、馬が99から88に移動しています。
これで1サイクルが判明しました。
89馬、43玉、35桂、44玉、88馬、34玉、25銀、35玉、16銀、34玉、
桂はまだ3枚あるので、あと3回楽しみましょう。
78馬、43玉、35桂、44玉、77馬、34玉、25銀、35玉、16銀、34玉、
67馬、43玉、35桂、44玉、66馬、34玉、25銀、35玉、16銀、34玉、
56馬、43玉、35桂、44玉、55馬、34玉、25銀、35玉、16銀、34玉、
桂はなくなっても、馬が近づけたので収束に入れます。
45馬、43玉、
52銀不成、同玉、63馬、61玉、51と、71玉、72馬、同玉、
73歩成、71玉、72歩、81玉、85飛、92玉、82飛成 まで59手
51とに同玉は11飛成まで。 大活躍の馬が退場して、15の飛車が最後に動いて詰上り。
作者 「1サイクルで桂を1枚消費する馬鋸です。
くるくる展示室No.115の菅野さんの作品を見て、持ち駒消費型の馬鋸を金以外の駒でも出来ないかと考え作りました。」
馬ノコは、馬、玉、馬、玉の基本の4手以外は様々な手順が組み込めるので、合駒を入れたり別の趣向と組み合わせたり大きく発展しているジャンルですが、玉を動かすだけのシンプルな馬ノコでも、まだいろいろな可能性があることを示してくれた一局でした。
玉を動かすのは歩や香を使うのが普通で、まれに向きを変えて金や銀を使う作品もありますが、桂を使ったのは本局が初めて。
桂は歩や香と違って玉で取らせにくい位置になるので、どう消すかがポイントで、本局では飛の空王手で銀を往復させることで、スマートに桂を消去しています。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 長谷繁蔵さん:
- 変化の25飛・11飛成を見つけて解決。52銀良し、キレイな収束でした。
- ぬさん:
- 馬鋸に桂の邪魔駒消去のアクセント。
収束が長いのはくるくるとしては若干マイナス。
- 山下誠さん:
- 桂馬を消費するスマートな馬鋸。最後は玉に体当たり。
- Pathfinderさん:
- 桂馬消費型の馬ノコは初めて見ました。
- S.Kimuraさん:
- 収束が難しかったです.
飛車を横に活用するとは思いませんでした.
- 小山邦明さん:
- 桂打ちを繰り返しながら馬ノコを構成する手順は面白かったのですが、最後の桂を打たずに37手目を54銀成にすると早詰になるように思います。
63銀を61銀の配置に変更すれば解決すると思います。
4回目だけ56馬に44玉と逃げた解答でしたが、それではご提示のように早いので、それまでと同様43玉と逃げるのが正解です。
実質的に解けているので正解として扱いました。
- 隅の老人Bさん:
- 桂を犠牲に馬が階段を登る。馬鋸にも色々なバリエ−ションがありますね。
馬を捨てての収束も、易しく楽しくで、「くるくる」らしいです。
- 占魚亭さん:
- 今回の5作中のベスト。銀の動きが良いですね。
- 池田俊哉さん:
- 穴に落ちた玉を桂で引っ張り出しながら馬鋸が近づいていく。
あと5枚くらい桂があれば往復できるのに(笑)
遠ざかるのは、桂の中合を消すのが難しそう。
- やぶいりさん:
- 72馬に最後のお勤めお疲れ様と言いたい
- 嵐田保夫さん:
- 飛車の空王手と馬鋸の動きで一味変わった組み合わせは新鮮。
- 名無し名人さん:
- 打った桂の邪魔駒消去を含んだ馬鋸とは面白いですね。収束もうまいと思います。
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