150手近い大作。 でもくるくるだから大丈夫です。
3筋の飛香が、はがしてくれ、といっているような初形ですね。 といっても35とのような乱暴はさすがに無理。
急がば回れで、とりあえず金ずらしで追いかけましょう。
44金、55玉、54金左、65玉、64金左、75玉、74金左、85玉、84と、95玉、
最後96玉は97飛の1手詰。 95玉でも97飛と合駒を請求すると、歩合は二歩なので角合しかありません。
97飛、96角合、同飛、同玉、
ここが実は最大の山場。 あとで3筋の香を取れるように角を打つには・・・ 69角だ!
69角!、95玉、
これで玉を45まで戻せば、36角と香を取ることができます。
94と、85玉、84金、75玉、74金右、65玉、64金右、55玉、54金右、45玉、
36角には同香か、同桂ですが、いずれにせよこれまでの手順を繰り返せば取られてしまう運命。
桂を取られると75玉のとき87桂の1手詰なので、同香が正解です。
36角、同香、
この局面を初形と比べてみると
1)35香がなくなった
2)17飛がなくなったが、持駒に香がふえた
の2点以外は全く同じ局面。
97飛の代わりに97香とすれば同じ手順を繰り返すことができます。
『44金、55玉、54金左、65玉、64金左、75玉、74金左、85玉、84と、95玉、
97香、96角合、同香、同玉、
69角、95玉、
94と、85玉、84金、75玉、74金右、65玉、64金右、55玉、54金右、45玉、
36角、』 同香、 (34香がなくなった)
『繰り返し』 同香、 (33香がなくなった)
『繰り返し』 同桂、
香が全部取られたので、最後は同飛か同桂ですが、同飛だと次に取られてから飛打ちの1手詰。 同桂の方が延命できます。
『繰り返し』 同飛、
44金、55玉、54金左、65玉、64金左、75玉、87桂 まで147手
金ずらしによる香はがし、69角さえ発見できればむずかしいところもなく、くるくるにぴったりの作品でした。
ところが、35飛迄141手詰の解答が。 同桂のところ、同飛と取ってしまった? 恐ろしきかな慣性のワナ。
- 作者:
- 金知恵の輪×香はがしです。難しい所はないと思います。一段目の銀は持ち駒制限のためです。
本作、実は同じ趣向の作品が近藤真一さんにあり、いったんは返送したのですが、詰工房で近藤さんにお会いしたとき話してみたところ、こころよくご了解いただき、展示室で出題のはこびとなりました。
少し工夫すれば一段目の銀は省けるよとのアドバイスも。 近藤さんの作品もあわせてご鑑賞ください。 |