私の白い影論
私の疑問
皆はこう考える
ロケ地探訪
中居の不思議
NN病日記
サイドストーリー
バイブル
感想はこちらへ
TopPageへ
公式HPへ

 

  


■彼女がああいう女性になった理由がわかりました。あったかくて強くて。お母さんがいらっしゃったからですね。
「あの子がしっかりしているかどうかわかりませんけど,頑張りやだとは思います。あとは先生に見つけていただきたいから,やめておきます。」
倫子の母清美は明るく言った。

『がんばりやか。そうだな。確か離婚したと言っていたから,ずっと二人で暮らしてきたんだろう。
お母さんも看護婦だし,きっと母親の姿を見て自分も看護婦になろうと思ったんだな。
おかあさんには彼女が支えだっただろうし,彼女も母親のこの明るさに包まれて暮らしてきたんだろう。
いい親子だな。』

直江は,おかあさんがいたから彼女があったかくて強い女性になったんだと言った。
『あったかくて強い』おそらく直江先生が倫子の一番好きなところ。
直江の心を動かし,直江が一番すがりたいと思った部分。

「今日,病院に行って直江先生に会ってきたわ」
「なんで? 北海道のことは私がちゃんと話したじゃない」
「だって,心配だったんだもの」
「もう。。。先生はなんて言ってた?」
「支笏湖は北海道で一番好きな場所なんですって。だから倫子を連れて行きたいのね」
「それで?」
「それだけよ。あんまり時間もなかったしね。
 。。。直江先生,いい人みたいね。ちゃんと私とお話ししてくれたし。
 おかあさん,二人のこと信じるわ。だからいってらっしゃい」
「ありがとう」

直江の死を聞いて『私じゃだめだったの?』と泣きじゃくる倫子に,清美は言った。
「お母さん見たから。直江先生が倫子のこと話すときの顔。先生も倫子のこと愛してた」
原作にはない清美がこのドラマに登場する意味はここにある。この台詞のために。
『直江先生が倫子のことを話すときの顔』これは清美以外見ていない。

『彼女ならわかってくれる』そう小橋先生に言ったときは背を向けていた。
『彼女の春みたいな笑顔だ』そう三樹子に言ったときは『笑顔』が主語だった。
直江先生が倫子のことをまっすぐ面と向かって話すのは清美に対してだけなのだから。

 

HomeHPへ  
<<Back   Next>>

ご意見、ご感想はこちらまで
All Rights Reserved, Copyright (C) 2001,2009,S.K.