■彼女とのこと話してなかったな。
三樹子の手術の後、直江は倫子に自分と三樹子との関係を話そうとする。
2話で三樹子に長野時代のことを質問され、「昔のことは忘れた」と言っていた直江が昔の女性関係を倫子に話そうとするのは何故だろうか。
もちろん、倫子が何も知らなければあえて話はしなかったと思う。倫子が「自分と三樹子との関係」を知っているようだから話そうと思ったのだろうか。
倫子は直江のマンションに来た三樹子を見ているし、何より三樹子自身から二人の関係について聞かされていた。
『三樹子さんだったら先生を救えるんですか』
倫子が自分に向かってそういったことで、直江は倫子が何か知っていることを悟った。
そう言われたとき、直江を倫子を拒絶したが、その後は倫子の想いを受け入れている。
それ以来、三樹子のことについて倫子は何も聞かないが、何か誤解しているかもしれないと思ったのだろうか。
倫子が何も聞かなかったのは、
『それでもいい、そんなことは関係ない、先生のそばにいられればいい』
ただそれだけ思っていたから。
『先生には私のほかにも女性がいるし、今だっていて当然だ。でも、先生は私を受け入れてくれた。
そばにいてほしいって言ってくれた。私はそれで十分。』
直江は何を言おうとしたのだろうか。
「彼女とのことは否定しない。しかし、もう終わったことだ。」と言いたかったのではないかと思う。
ただ、直江先生に、これ以上の言葉は期待できないのではないかな。
多分、彼が一番言いたいのは、「今は君だけだよ」ってことで、彼女との関係そのものを話そうとしていたわけじゃないだろうから。
それから、倫子に「何でも話す」と約束していたから。直江は自分の病気と最期のこと以外は倫子に話そうと思っていただろうから。倫子に聞かれたらなんでも。
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