■いやならやめればいい。後悔するくらいならはじめからやめておけ。時間の無駄だ。
1話で「行田病院にちょっとがっかりした」と話す倫子に直江が言った言葉。
繰り返しドラマを見ていると、セリフも大体分かっているし、「ああ、ここはこういう気持ちがこめられているのよね」と自分なりに解釈ができているところが多いのだが、先日、このセリフを聞いて、新しい解釈が浮かんできた。
今までは、まさに直江が倫子を突き放した言葉で、「ぐずぐず言うなよ」「僕には関係ない」みたいな、半ばあきれたような意味だと思っていた。
しかし、新しく考えたのは、「この頃の直江は、きっと何をするのにもこう考えて決断していたんだろうな」ということ。
特に「時間の無駄」という言葉。彼には時間がなかったのだ。やりたくもないことに時間を費やしている場合ではない。だから、「自分のすべきことは何か」「後悔はしないか」そういうことをいつも考えて行動していたんだと思う。
一見、冷たい言葉。思いやりなんかない言葉。でも、本当は彼の信念というか考え方が端的に分かる言葉なのだと思った。
直江がこの言葉を言う前に、倫子が「命とか軽く見ていませんか」などと言ったことを考えると、いっそうこの言葉の意味が違って見えてくる。
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