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■オレを助けようなんて思うな。
最後まで医者として生きようと決めたはずなのに、心ならずも1週間も謹慎させられている。
この時期の1週間がどれほど貴重か。酒を飲まずにはいられない。でも、そんな自分もいやでしかたない。
何も知らない倫子は自分を心配してくれる。
でも、彼女を自分に近づけてはいけないのだ。もちろん、自分は彼女に惹かれている。
彼女にとって自分は尊敬に値する医者に見えているらしい。それはうれしい。。。でも。
そこまでにしておかなくては。あくまで医者と看護婦。残された時間を医者として生きる自分には、その関係で十分のはずだ。

。。。彼女が出て行く。これでいい。。。それが彼女のためだ。でも。。。俺は。。。悲しみがこみあげる。
涙が流れる。支笏湖の写真を見る。もうすぐだ。きっともうすぐここに行けばこんな悲しみから逃れられる。それまでの辛抱だ。でも。。。死。。。怖い。自分は納得して死ねるだろうか。

一度は帰った倫子が再び戻ってくる。
。。。どうして。こんな状態では冷静ではいられない。
『先生が消えちゃいそうな気がして』
。。。どうしてそんなことをいうんだ。決心が揺らぎそうだ。。。
『涙を拭う温かいぬくもり』
倫子の温もりに触れたとき、直江は我に帰る。いけない。こんな自分を見られてしまった。こんなことではだめだ。
『私がそばにいます。だから』
彼女を突き放さなくては。
「オレを助けようなんて思うな」
『何があったんですか』
「関係ない。帰れ」

一人孤独に泣いている直江のもろさと、「俺を助けようなんて思うな」という悲しいまでの決意。
直江の涙を見て彼を助けたいと思う倫子の温かさと、「何があったんですか」と肩にかけたカバンをはずす決意。

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