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■きっと死ぬということはそういうことなんだろう。
石倉に「抱いてくれ」と言われた倫子に直江はこともなげに、「どうして抱いてあげなかった。抱いてほしいと言われたら抱いてあげればいいじゃないか。 」と言った。直江はさらにこう言う。
「死ぬからだ。石倉さんはもうすぐ死ぬ。死ぬ前に心から女性に抱かれたいと思った。安らぎを求めたのか,どうしてもそうせずにはいられなかった。
きっと死ぬということはそういうことなんだろう。どうしてもいやだというならそれはそれでしようがない。」
死を間近にした人間の思い。それは直江もよく分かっている。同じようなことを、直江自身も感じていたのかもしれない。だから彼には石倉の気持ちが痛いほど分かるのだ。

倫子は彼の言葉をまっすぐに受け止め、石倉を温かく包み込む。
その後で直江のところに行く倫子がいじらしい。「石倉さん とっても温かかったです」と報告する倫子。言われたからではない。自分の意志によってその行為の結果を受け止めている。そんな倫子を直江はやさしく抱きしめる。
死を前にした人間に対する倫子のやさしさに感謝し、心から愛しいと思い、この女性によって石倉だけでなく自分も救われると思う。彼女にはやがて悲しみを与えてしまうことになるけれど、彼女ならきっと分かってくれる。

倫子は直江の胸で泣いてしまうが、その涙にはいろいろな思いが込められている。生きることと死ぬこと。人間の温かさ。安らぎ。看護婦という仕事。そして、患者に対する直江の考え。
その涙を直江が拭う。4話で流していた直江の涙を倫子が拭ってあげたことがあった。そのとき倫子は直江の涙を拭い、やさしく抱きしめた。そして今度は直江が倫子の涙をぬぐって抱きしめる。倫子もあのときのことを思い出しただろう。何気ないことだけど、倫子の心は直江への愛でいっぱいになったに違いない。
倫子を抱きしめた直江の目にも涙が浮かんでいた。

 

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