■ボート
直江は大学時代ボート部だったらしい(原作にはない)。直江と倫子の共通意識の中に「川」があることが分かり、倫子は直江とボートに乗る約束をする。その後、5話で倫子が直江を想ってボートに乗ったり、6話で直江が夜の川に漕ぎ出したり、8話で直江の誕生日にボートに乗せる約束をしたり、雨の中ボートに乗りに行ったりする。
そして最終話、支笏湖を訪れたとき、倫子は直江に「今度一緒に来るなら春がいいなぁ。そしたら今度こそ一緒にボートに乗りましょう」と言う。しかし、直江は答えない。8/9の誕生日までに練習して先生を乗せてあげると話す倫子には「楽しみにしてる」と約束していたのに、死を前にしたこのときはさすがに嘘はつけなかったのだろう。答えない直江は悲しすぎる。

そして、「そのときが来たら消える」と決めていたとおり、直江はボートに乗って湖に漕ぎ出す。最期のときまで彼はボートとともにあったのだ。