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第9話 彼に残された時間

■ストーリー
小橋は直江のレントゲンを持ち出し、彼の病状を知る。それはあとどれくらい生きられるのかということも含めて。小橋は直江に入院を勧め、「君に生きてもらいたい」と言う。これまで事あるごとに意見が対立してきたが、小橋は直江が助からない病に侵されていることを知ったとき、彼のこれまでの言動を思い出し、「だから彼はそう言ったのか」と合点がいったことだろう。そしてなおさら彼に少しでも長く生きてもらいたいと思ったはずだ。
でも、直江はフロノス以外の治療を断る(もっともフロノスさえ手に入らなくなる状況になっているのだが)。
【最期まで医者であり続ける】このことの厳しさ、つらさ。直江先生はどうしてそんなに強くいられるんだろう。

三樹子はあがいている。精神的にダメージを受けている。愛する人を失うことの恐怖で、なんでこんなことに、助ける手だてはあるはず、私にできることはないの? と混乱している。
その混乱が事故を招いた。その直前、直江は激痛に襲われ、最後のフロノスを握り締める。

三樹子の手術の後、直江はマンションで子供の頃の川の思い出を語り出す。「川」は二人の共有イメージ。
倫子は「川は自分の行きたいところに連れていってくれる。私がボートに乗った川は先生のところに連れてきてくれた」と言った。そうか、だから直江先生がボートに乗った川は倫子のところに連れていったんだね。
【直江が本当に行きたかった場所】
思いがけず雪が降ってきた。倫子が「北海道も雪なんでしょうね」と言う。雪と北海道。。。『今話さなくては』
【久しぶりに北海道に帰ってみようと思っていた。一緒に行かないか】
フロノスが尽きてから、彼の激痛を抑えるのはモルヒネだった。モルヒネには治療効果は期待できない。彼の病状は進行している。今日の手術もやっとだった。医者としての自分は既に限界にきているのかもしれない。だからもうすぐ支笏湖に行かなくてはならない。
死に場所は支笏湖に決めているが、それまで倫子には何も悟られたくない。できるだけ、自然に北海道に行くことを言わなくては。そして、できることなら。【最後まで一緒にいたい】
喜ぶ倫子と複雑な表情の直江。うれしいと言って泣く倫子を、直江はどんな思いで見つめたのか。

■感想
三樹子との関係について倫子に話そうとした直江先生だけど、倫子は聞かなかった。すごいなぁ。私ならどんなことでも聞きたいと思うけど。
直江先生は思っていたとしても、『愛している』とは決して言わないだろうと思っていたが、まさか小橋先生に対して、倫子を愛していると言うとは思わなかった。 死を前にして、身にまとった固い殻が壊れてきたのかもしれない。彼は自分の思いを表に出すことなどしないと決めていたから。

■ツボ
今回の手術の場面、直江先生はかっこよかった。耳が出ていないから? なんだろうなぁ。これが本来の外科医の姿だよな。男って感じ。臨場感もあった。細身のはずなのに小橋先生と並んでも遜色ない。

直江先生、何気に「涙」が浮かんでいるところがよい。 小橋先生と話しているとき、窓の外に見ているときに後ろ姿だけど目がキラっと光った。

ピンポーンとやっておきながらドアをどんどんたたく倫子。ドアまでたたいて名乗るとは何を考えているのかと意味不明だったが、病院で別れるとき足をひきづっているのを見たので心配だったんだろう。

最後のシーン、キスする前の倫子の顔と、意識を失った直江先生を抱きとめる顔とがまったく違う。あどけない顔と大人の顔。 竹内結子恐るべし。

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