エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.180
2002年11月23日 土曜日

アブサリア神父のメッセージ
聖地の状況に関する2つのニュース
トワーヌ・ファン・テーフェレンによるベツレヘムだよりNO.39
Dr.マリア.C.コウリーによる外出禁止令下に置かれたキリスト教村」
「黄金律」 サミア.コウリー
「子どもへの報復」 ウリ・アブネリ
「ミツナの勝利を私たちの共通の勝利に」 ゲルション・バスキン

親愛なる友人、兄弟、姉妹の皆さん、
 ほぼ全パレスチナ領域が再び占領下に置かれ、閉鎖され、外出禁止令が発動されています。イスラエル軍が8度目のベツレヘム侵攻を行い、神学校があるベイト・ジャラを含め全域において完全外出禁止令が敷かれています。先週の金曜日、ある神学生の聖職授与式に参列しなければならなかったのですが、その日の朝イスラエル軍が町に侵攻し外出禁止令を発動しました。それでも、式は神学校内で執り行われましたが、式には新しく助祭となった神学生の仲間たちしか参列することはできませんでした。彼はこの日のためにこの13年間神学校で勉強をしてきたにもかかわらず、残念な事にその日が外出禁止令発動の日と重なってしまいました。彼を聖職に任命をした司祭はアマンの主任司祭で、聖職授与式の前日にやってきたのですが、彼もまた侵攻・外出禁止令下の状態で捕らえられてしまいました。すぐにヨルダンに戻らなければならなかったので、地域から出られるよう私たちが軍と交渉をしなければなりませんでした。

 ベツレヘムの町そのものも外出禁止令下にあり、特に1ヶ月後にクリスマスが控えていることもあり、聖堂が再度包囲攻撃に遭わぬよう戦車が生誕教会の周囲を取り囲んでいます。どうやら今年もまた、クリスマスを侵攻下で迎えることになりそうです。聖地のフランシスコ会属管区長であるジョバンニ・バティステッリ神父は、待降節を始めるにあたり、伝統にのっとっておごそかにベツレヘムの町に入ってくることになっています。以前はベツレヘムの住人全員がその行事に参加していたものでしたが、聞くところによると、バティステッリ神父は何人かのフランシスコ会司祭や修道士と共に静かに町に入ってきたそうです。神父が明日の日曜日のミサに参列できることを願っています。

 先週の月曜日は、私たちの村もまた一日外出禁止令下にありました。村から2キロ離れた交差点でイスラエル入植者の女性が殺されたため、その後軍が外出禁止令を発動し、村を完全に閉鎖してしまったのです。村の唯一の入り口である場所に行くためには、山道をさらに20キロも車で走らなければならなくなってしまいました。入植者たちは交差点にテントを張り、7日間の喪に服しています。その後、彼らがそこを立ち退いてくれるといいのですが。なぜなら彼らがそのままその場に残り、定住してしまうこともあるのです。そうなると私たちの村が乱されてしまうだけでなく、私たちの土地や共同体が没収されてしまうことになるからです。

 先週の火曜日、ホーリー・セパルカー(復活の教会)のイギリス人の一行が訪ねてきてくれました。彼らがタイベに来るには、20キロも回り道をしなければなりませんでした。この土地での生活がどのようなものであるかを目の当たりにして、彼らは非常に驚いた様子でした。このようなことがこの地球上で起きていようとは、ましてや第三千年期の始めである今、このようなことが起きていようとは信じられない思いでいることでしょう! 私たちの強みは、このような状況にあっても我慢強く立場を守っていけることです。特に、新しい方法を見つけ自分たちの生活を継続していくことができます。つまり、私たちは創造力豊かな人間であり、世界の他の人々と同じように生きていきたいと思っているのです。
           

ラエド・アブサリア神父



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