1.  極限の一意性

収束列極限値は、存在するならば唯一つ。

 すなわち、
   anα (n→∞)  かつ anβ (n→∞) ならば、α=β







[文献]
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』定理1-1(p.7)
 ・杉浦『解析入門I』命題2.3(p.13)
 ・小平『解析入門I』§1.4-a(p.24)
 ・笠原『微分積分学』1.2命題1.7(p.9):証明付
 ・黒田『微分積分学』§2.5.2命題2.8(p.45)
 ・赤『実数論講義』定理5.2.1(p.118)


 ・斎藤『数学の基礎:集合・数・位相』2.5.3命題1(p.53):証明略。順序体一般において
 







→[トピック一覧:数列の極限の性質]
総目次


証明「極限の一意性」


  収束の定義から、
  anα(n∞)かつanβ(n∞)とは、すなわち、
  任意の(どんな小さな)ε>0に対して(でも)、
     | an −α|<ε/2 (nN1)、| an −β|<ε/2 (nN2) …※
  を満たすような、自然数N1Nが存在する、ということ。
  
  N=max{ N1, N}とする。
  |α−β||α−aNaN−β|
       ≦|α−aN|+|aN−β|   ∵|x+y||x|+|y|  
       <ε/2+ε/2=ε   ∵N=max{ N1, N}より※式成立   
  つまり、|α−β|<ε  
  εは任意の正数であり、0に届かない限り、プラスならば、
  どんなに小さくてもよいのであった。
  これはα−β=0を意味する。






[文献]
 ・
 ・笠原『微分積分学』1.2命題1.7(p.9):証明付
 ・赤『実数論講義』定理5.2.1(p.118)
 ・斎藤『数学の基礎:集合・数・位相』2.5.3命題1(p.53):証明略。順序体一般において


 

 



→[トピック一覧:数列の極限の性質]
総目次