関数の極限値どおしの演算に関する諸定理の証明









lim
f(x)  =A 、  lim
g(x)  =B  とすると、
xx0
xx0
【1. sum-difference limit theorem
   →証明 

【2】
  (c定数) →証明 

【3. product limit theorem
    →証明 

【4. quotient limit theorem
  A≠0で、
      →証明 

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【1. sum-difference limit theorem】の証明 

 仮定:
 は、定理
      「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
       x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xnx0 )に対しても、
       数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
 より、{ xn }を、 x0収束する任意の数列(ただし、xnx0 )として    …@
                      …A
 と言い換えられる。
  Aと、数列の極限値の和についての定理から、
  
  {f(x)+g(x)}全体は、xの関数であるから、h(x)とおくと、   …B
  
  と言い換えられる。
  これは、@より、定理
  「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
  x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xnx0 )に対しても、
  数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
  を使って、
   
  と言い換えられる。
  Bでh(x)に置き換えたところを元に戻して、
   

 【文献】
  ・吹田・新保『理工系の微分積分学』p.20、
  ・神谷・浦井『経済学のための数学入門』p.69.]


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(2)の証明

 仮定:
 は、定理
      「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
       x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xnx0 )に対しても、
       数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
 より、{ xn }を、 x0収束する任意の数列(ただし、xn ≠ x0 )として    …@
                      …A
 と言い換えられる。
  Aと、数列の極限値の定数倍についての定理から、
  
  { cf(x)}全体は、xの関数であるから、h(x)とおくと、   …C
  
  と言い換えられる。
  これは、@より、定理
  「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
    x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xnx0 )に対しても、
    数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
  を使って、
   
  と言い換えられる。
  Cでh(x)に置き換えたところを元に戻して、
   

 【文献】
  ・吹田・新保『理工系の微分積分学p.20
  ・神谷・浦井『経済学のための数学入門p.69.


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【3. product limit theorem】の証明


 仮定:
 は、定理
      「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
       x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xn ≠ x0 )に対しても、
       数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
 より、{ xn }を、 x0収束する任意の数列(ただし、xn ≠ x0 )として    …@
                      …A
 と言い換えられる。
  Aと、数列の極限値の積についての定理から、
   
  { f(x)g(x)}全体は、xの関数であるから、h(x)とおくと、   …D
  
  と言い換えられる。
  これは、@より、定理
   「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
    x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xn ≠ x0 )に対しても、
    数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
  を使って、
   
  と言い換えられる。
  Cでh(x)に置き換えたところを元に戻して、

   

 【文献】
  ・吹田・新保『理工系の微分積分学p.20
  ・神谷・浦井『経済学のための数学入門p.69.]



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【4. quotient limit theorem】の証明 


 仮定:
 は、定理
      「xx0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
       x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xn ≠ x0 )に対しても、
       数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
 より、{ xn }を、 x0収束する任意の数列(ただし、xn ≠ x0 )として    …@
                      …A
 と言い換えられる。
  Aと、数列の極限値の商についての定理から、
  
  { g(x)/f(x) }全体は、xの関数であるから、h(x)とおくと、   …E
  
  と言い換えられる。
  これは、@より、定理
  「x → x0 のとき、f(x)A収束するための必要十分条件は
    x0収束するどんな数列 { xn }(ただし、xn ≠ x0 )に対しても、
    数列 { f ( xn ) }がA収束することである」
  を使って、
   
  と言い換えられる。
  Cでh(x)に置き換えたところを元に戻して、
      

 【文献】
  ・吹田・新保『理工系の微分積分学』p.20、
  ・神谷・浦井『経済学のための数学入門』p.69.]



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reference

岩波数学辞典(第三版)』.項目166(pp436).
吉田耕作・栗田稔・戸田宏『平成元年3/31文部省検定済高等学校数学科用 高等学校 微分・積分 新訂版』啓林館、pp.28-33.
小平邦彦『解析入門I (軽装版) 』岩波書店、2003年、pp.78-9。
吹田・新保『理工系の微分積分学』学術図書出版社、1987年、pp.20-23.
神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、p.95.
和達三樹『理工系の数学入門コース1・微分積分』岩波書店、1988年、pp.27-28.
杉浦光夫『解析入門』東京大学出版会、1980年、pp.57-63.
高橋一『経済学とファイナンスのための数学』新世社、1999年、pp.32-36;42-44.
住友洸『大学一年生の微積分学』現代数学社、1987年、p.124。
Chiang, Fundamental Methods of Mathematical Economics: Third Edition, McGraw Hill,1984. pp.145-147.
Fischer,Emanuel.Intermediate Real Analysis(Undergraduate Texts in Mathematics),Springer-Verlag New York Heidelberg Berlin,1983,pp. 228-231; 238-239.
Lang,Serge.Undergraduate Analysis(Undergraduate Texts in Mathematics),Springer-Verlag New York Berlin Heidelberg .