曾良の細道

 河合曾良。
 芭蕉翁の大切な弟子の一人だが、句作の技量ではあまり評価はされていない。それはまあ、仕方のないことだろうが、「奥の細道」の旅においては、曾良の献身的随行なくしては旅そのものが成り立たなかったのではないか、とも言われている。
 曾良は、克明な「奥の細道」の旅のメモを残した。そのメモがなかったら、この旅どころか松尾芭蕉という偉大な芸術家の人物像を知ることもできなかっただろう。
 河合曾良。
 目指した文学者としての道では大成できなかったが、彼が残した「セクレタリー」としての実績は、日本史上、いや世界の歴史上の最高峰として、燦然と輝いている。この人、尊敬しちゃう。(^0^)

 あ、あ、違う、違う。ここでは曾良さんの、秘書役としてのハイレベルな技量を検証しようというわけではなく、俗人σ(^^)が見た曾良さんに焦点を当てて「奥の細道」を眺めてみようと思う。

曾良の細道 ところ 「おくのほそ道」採録句
旅立ち 深川 剃捨て黒髪山に衣更
かさね  那須野 かさねとは八重撫子の名成べし
托鉢 殺生石 卯の花をかざしに関の晴着かな
福島 福島  
仙台 仙台 松島や鶴に身をかれほとゝぎす
卯の花に兼房みゆる白毛かな
尿前 尿前   
尾花沢 尾花沢 蚕飼する人は古代のすがた哉
出羽三山 出羽三山 湯殿山銭ふむ道の泪かな
象潟 象潟  象潟や料理何くふ神祭
波こえぬ契ありてやみさごの巣
酒田 酒田  
越後路 越後路  
山中 山中温泉 行行てたふれ伏とも萩の原
全昌寺 全昌寺 終宵秋風聞やうらの山
その後2    
その後3