動物病院で遭遇した医療事故

判決概要



整合性のない判決
○ 前年、中村獣医師が診察した際に作成されていたカルテ(乙5)には、『ビーフ ×ダメ』と書き込まれてます。
  アニマルメディカルセンターらが、ポン太にアレルギーがあることを入院前から知り得ていたことは明確です。
○ また、アレルギーがあることを聞いていなかったとなれば、聞き出すことができなかった問診に不備があったこと
  になります。
判例からすると、いずれであっても過失が成立します。

「アレルギーがあると聞いたのは20日であるから、入院中に牛を与えたことは過失にならない。」という、この判断だけをみても、公正な判決ではないことが分かります。

                                             (乙5号証カルテより)
                     




医学知見からみても不合理な判決

東京動物夜間病院で、肺水腫の治療にラシックス(利尿剤)を静脈投与されたことにより過剰水分が排泄されて、体内の水和状態が正常に戻っていたにもかかわらず、アニマルメディカルセンターの土屋獣医師と中村獣医師は、大量のラシックスを処方し続け、更にスピロノラクトンという利尿剤を追加投与したことから脱水を起こして急性腎不全を発症していたことが、検査データから明らかです。



                                     (甲2号証検査データより)

糸球体濾過率が低下した病態を総称して腎不全といい
ます。
腎不全になると、糸球体で濾過されて体外に排泄されて
いるCRE(クレアチニン)の血中濃度が上昇することから、
血液検査で高い値を示します。
CREの正常値は0.5〜1.5r/dlです。


腎不全に罹患すると、血液ガス検査では代謝性アシドーシスを示します。
心不全に罹患した場合も、代謝性アシドーシスになります。

血液ガス検査において、PHが7.35より低い場合はとアシドーシス、
PHが7.45以上であればアルカローシスを呈しています。
PHが7.35より低く、HCO3が18ool/L未満だと代謝性アシドーシス。
21日深夜(22日0時)の血液ガス検査結果は、呼吸性アルカローシスです。


                            (乙3号証カルテより)
                           

ラシックスを投与すると尿比重は1.006〜1.020の範囲に低下します。
18日の尿比重が1.010であったのはラシックス投与後に尿検査を行ったためです。
検査手順を誤ることによって得たこの数値だけをもって、初診時から腎不全だったというのが病院側主張。
この病院側主張を医学的根拠なく容認した裁判所。
これが医療集中部の裁判官によるものなのかと、疑いが募るばかりの稚拙な判決です。




医療過誤増加の一因は裁判所に




 病院の本質が垣間見える
 アニマルメディカルセンター院長の意見書












アニマルメディカルセンターらの主張は、裁判中に
    僧帽弁閉鎖不全症だから肺水腫になった
    僧帽弁閉鎖不全症であったのだから心不全だった
    初診時から重度の心不全だった
と変わりました。もう一方でも、
    初診から腎原性腎不全と診断していた
    僧帽弁閉鎖不全症による腎原性腎不全だった
    腎前性腎不全と腎原性腎不全だった
    急性腎不全には禁忌である薬を投与したのは慢性腎不全だったから
    初診時から重度の慢性腎不全だった
と、裁判中移り変わりました。                                                                 ※ 腎前性、腎原性、腎後性は、
                                                                                                                                         急性腎不全のことです。


少しでも医学知識を持ち合わせていれば、検査データからみて理に合わない診断であり主張であることがお分かりになると思います。
また、誰もが、裁判中に診断名が変わることはおかしいと思われるでしょう。
しかし、裁判所はこの主張の変化を追及することもせずに、捏造されたカルテにさえ記載がなく、罹患していた形跡のない『心不全』『慢性腎不全』により死亡したと判断したという判決です。


東京地裁の判決にしても東京高裁の判決にしても、病院側がこう言っているのだからこうだったんだという内容でしかありません。アニマルメディカルセンターらの主張を認定する医学的根拠が示されていないのです。
そればかりか、重要な争点を争いのない事実として掲げるということで、判断することから除外するようなことまでして、過失なしとしています。
病院側の虚偽、捏造ばかりか、裁判官や書記官の隠蔽により真実が歪められ下された判決です。

裁判所の判断を要約すると、
    獣医師は誤った処方をしてもよい。副作用を生じても対処しなくてよい。
    獣医師の診断・治療の誤りでペットが死亡しても過失にならない。
    動物病院スタッフの不注意により、ペットが負傷しても過失にならない。
ということになります。

裁判官が裁判を公正に行わずに過失を見逃してくれるとなれば、獣医師らは医療過誤を反省しないばかりか、動物虐待を繰り返すことになるでしょう。
動物病院での医療事故増加の一因は裁判所にあるようです。






地裁判決 H21(ワ)6021

控訴審判決 H22(ネ)3306
干ニマルメディカルセンター事件


上告理由書

― 裁判経過ページを参照ください ―





















 参照文献要点一覧


 検査データ一覧表
   



























































渡邊泰章院長尋問調書
(平成22年2月18日/抜粋)
数年前からは犬にも一般的に行われ
るようになっている弁の置換手術もで
きない病院のようです。

高度医療と広告していますが…