その4

8/8(日)

標高1732mの地蔵峠から、1200m以下の田代まで爽快なダウンヒル。車が少ない事もあり、50〜60km/hほどで気持ちよく下っていった。前にいた車も道を譲ってくれて(峠の下りは自転車の方が速い)、いい感じ。今までさんざん上ってきた分、楽して前に進む。


地蔵峠からの下りの途中、これから走るのであろう道が見えるカーブがあったので、ブレーキをかけて止まった。山々に囲まれ、山肌を縫うように道が続いている。


荷物ありでの峠の下り。路面の状態がよかったので、全く問題なく走って行けた。何より車が少ないのが一番安心できる。マイナーな道を選んでよかった。


田代まで下りきると、ここから鳥居峠まで5kmほど緩やかな上り。時刻は14時頃で、一日で一番暑い時間帯。この道も日陰がぜんぜんなかったので、暑さでかなりまいった。


道が真っ直ぐ、遠くまで延びている景色というのが好きだ。この道のように電柱すらないなら最高。よく「北海道のような道」と形容するタイプの道で、普段生活している圏内ではこの手の道を走ることがないので、とても嬉しい。こういう道を走るために、旅に出かけてきたのだ。


道の両脇に青々と茂った野菜畑。緩い坂を、自分のペースでじっくりと走っていく。景色がスローモーションのように後ろに流れていく。気に入った景色があれば、すぐ止まってデジカメを取り出し、パシャリ。自転車のいいところだ。


しばらく走っていくと、鳥居峠(1362m)に到着。ここは群馬県と長野県の県境。先ほどの地蔵峠で長野県から群馬県に入ったが、ここで再び長野県に入った。地蔵峠は1000m以上も上ったのに対して、この峠は200mほどしか上っていないので、あまりきつい感じがしなかった。

次は菅平を目指すが、ここがそこそこ標高が高いので、そんなに上らないと思っていた。しかし、鳥居峠から予想以上に下った。これから上るんだから、あまり下らないでくれ〜とか思いながら下っていった。群馬県側は緩やかな上りだったが、長野県側は急な下り。10%近くあるのではないかと思うような激坂を下っていった。

そして、ここでは車が渋滞していて、車の列に混じってブレーキをかけまくりながら下っていった。途中、反対車線に座って休んでいるサイクリストがいて、さらに下っていくと、女性ライダーの後ろに男性ライダーが付き添って坂を上っているのが見えた。きっと、3人で走っていて、最初の男は先に上って休んでいたのだろう。


R406との交差点まで下ってくると、標高は1000m以下まで下がっていた。これからまたかなり上ることになる。地蔵峠の上りでかなり体力を消耗していたので、菅平への上りはちょっと気疲れしていた。坂を上り出す前に日陰で小休憩していると、後ろからロードとMTBに乗った2人組みが追い抜き際に「がんばってください」を声をかけてくれた。彼らに元気を分けてもらい、坂を上りだした。


菅平への上りは勾配がけっこうあり、地蔵峠で疲れた足にはかなりきつかった。所々で小休憩を入れつつ、じっくりと上っていった。車もそこそこ通っているが、気になるほどでもない。


しばらく上っていくと、ダムが見えてきた。菅平湖の菅平ダムだ。この辺りまでくると勾配も落ち着いてきて、気持ちに余裕が出てきた。菅平湖の横を走って少しした所にレストハウスがあり、そろそろエネルギー的にも体も限界に近かったので、遅い昼食休憩をとる事にした。

ここでカツの定食を食べていると、合宿で来ているのであろう中学生くらいのグループがやってきた。話を聞いていると陸上部の人たちのようだ。アイスを買ってソファで談笑していた。カツ定食がボリュームがありすぎて食べきれないでいると、外から「ゴロゴロ……」という低いうなり声。レストハウスのおばちゃん達が「あ、ゴロゴロきたね」と話していた。

話を聞いてみると、この辺りは山と言う事もあり、午後になると急に雷が鳴って、天候が崩れるのだそうだ。雷が鳴ると、それまで晴れていても急に強い雨が降ってくるという。それはたまらんということで、食べきれなかったカツ定食を残して、レストハウスを出発した。


空は、雲が多いが、今すぐ降ってくるという感じではなかった。しかし、確かに雷が鳴っている方向の雲は、色が怪しい。あの雲がやってきたら間違いなく雨に降られるだろう。ちょっと焦りながら残りの上り坂を走っていった。ちなみに、ここからS720iのデータは後半に移る。


菅平はにやってくると、そこら中にグラウンドやテニスコートがあり、大勢の中学生やら高校生やらがスポーツをしていた。ここはスポーツのメッカ。話には聞いていたが、実際に来てみると納得。グラウンドでないところは畑で、遠くにはスキーのゲレンデも見えた。


足はかなりくたくた。下りになるとホッとした。これから宿泊地の長野市街までは下り基調。もう上りはほとんどない。合わせて1800m以上も上ってきたのだ。その分下りを楽しませてくれてもいいだろう。


R406の下りは、路面状態もよく、道幅も充分あるために、爽快な下りを楽しめた。山々に囲まれた景色もよかったし、風を切って下るので暑さも和らいで気持ちいい。


下りの途中、山と山の間を陸橋で下る部分があって、その光景はかなり壮大だった。北海道の三国峠からの樹海の上を走る陸橋に比べたら規模が小さいが、それでも普段こんな道を走ることがないのでワクワクする。


遙か下には、これから下って走るのであろう道が見える。これからこの陸橋を走って、あの辺りまで下っていくのだ。車もそんなに多くなかったので、菅平からの下りはとても快適だった。

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