尾瀬の花 コース案内037
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 尾瀬沼:尾瀬沼東岸起点 



037:小渕沢田代分岐(大江湿原)小渕沢田代入口小渕沢田代

このコース案内は、逆方向の小渕沢田代→小渕沢田代分岐(大江川一ノ橋)のコース案内を兼用してます。


このコースの風景的見所は起点と終点のみで、途中の展望は全くありませんが、山野草はオオバタケシマランとギンリョウソウが特に圧巻です。
このコースには、公衆トイレ・ベンチなどは一切ありませんが、湧き水はあります。


沼山峠と尾瀬沼東岸の中間点にある
小渕沢田代分岐にはベンチ&テラスがあって、

分岐のベンチ&テラス

いつも賑わっておりますが、流石にGWの頃の残雪期には、全く人影もなく、

埋もれた分岐の標識

標識は半分埋もれ、ベンチ&テラスは全く見えず、

4月末の大江川一ノ橋

大江川三ノ橋のみが雪の中から顔を覗かせているだけです。小渕沢田代に向かう登山道は大江川三ノ橋を渡って左岸に行き、高層湿原の多い花の名所を通り過ぎて森に向かいます。

9月の大江川一ノ橋

ここは木道が湿原の上に置かれているだけで花に近づけ、しかも人通りが殆どないのに係わらず複線の木道ゆえ、リュックを一方の木道に置いて、屈んでマクロ撮影していても邪魔になる時が殆どないため、メーンルートでの撮影は避けて、ここで撮影されることをお勧めします。

この湿原には高山植物が多く、大江川三ノ橋脇にはミズバショウリュウキンカシナノキンバイオオバタチツボスミレ、ヤマドリゼンマイ、トリカブトなどが咲き、森に近づくにつれてワタスゲ、ワレモコウ、イワカガミ、タテヤマリンドウ、ニッコウキスゲなどが咲いています。

木道は森の中へ

湿原と森との境界にはミズバショウが多く、木々の枝が霜から守ってくれるので、ここのミズバショウは霜焼けが少なく、隠れたミズバショウ撮影地です。森の中に入ると直ぐに木道は終わり、オオバギボウシ、ギンリョウソウ、ゴゼンタチバナなどが目に入ります。

山道が始まります

全体としては緩やかな山土の上を登山道は通っていて、さほどの悪路の個所は少ないのですが、それでも根っ子の上を歩く個所が出てきたりしますが

ぬかるんだ個所には木道が敷かれ、全体としてはまあまあの登山道です。

ぬかるみの個所には木道

尾瀬の木は土が薄いのでしょうか、あまり根を張れず、よく根っ子ごと倒れている大木が見られますが、ここでも同様でした。

左:根っ子ごと倒れた大木

やがて深い森から明るい森へと変わっていきますが、そこは背丈より高いササが茂っていて、クマとの突然の遭遇が危惧され、クマ避けの鈴の必要性を感じます。

周囲は背丈より高いササ

たがて平坦な個所となり、木道も長く続いた所に出ますが、

そうなれば小渕沢田代入口が近く、間もなく分岐点の標識が見えてきます。

小渕沢田代入口(分岐点)

上の画像の分岐点を直進すれば、小渕沢田代鬼怒沼に至り、右折するとキャンプ場経由で尾瀬沼に至りますが、尾瀬の標識の中で鬼怒沼の文字が書かれているのは珍しいです。

小渕沢田代入口を過ぎても木道は続いていますが

小渕沢田代への木道

50mほどで小渕沢田代の西端に出て、そこには尾瀬でも高所に生えているミズバショウ群落があり、ここより高い個所のミズバショウを私は、富士見小沼の横しか知りません。

いずれにしても標高(1,820m)約が高いので、ここのミズバショウは7月になってからも十分に楽しめます。

入口付近のミズバショウ群落

ハイシーズンの土日でも殆ど他のハイカーと出会わない小渕沢田代には池塘もあり、オゼミズギク、ウメバチソウ、イワショウブ、キンコウカなどが特に多い所です。

小渕沢田代には、日本一高所にある鬼怒沼湿原や、尾瀬登山口:大清水に通じる登山道が貫かれていますが、全て通り抜けが困難な上級者コースで、一般的なハイカーは尾瀬沼方面から訪れます。

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