030_2:白尾山〜(皿伏新道)〜皿伏山〜大清水平湿原〜尾瀬沼
このコース案内は、片方向のみの案内(富士見峠→尾瀬沼):往復案内となっています。
このコースの見所・撮影ポイントは、
・コース中にある7つの湿原、特にマイクロ湿原と大清水平湿原の高山植物
・大清水平湿原の遅咲きミズバショウ
・アヤメ平方向・日光白根山方向・尾瀬沼方向・燧ヶ岳の光景
このコースには4ヶ所のベンチがありますが、水場・トイレはありません。
富士見峠〜白尾山、尾瀬沼〜大清水平湿原はお勧めしますが、白尾山〜皿伏山〜大清水平湿原はお勧めしません。
白尾山山頂から尾瀬沼に向かうと
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燧ヶ岳と赤丸:皿伏山 |
正面に燧ヶ岳が聳え、白尾山から見る燧ヶ岳は、柴安グラと俎グラがネコの耳のようになって見えていて、その下には、名前のように皿を伏せたように平らな皿伏山が見えています。
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針葉樹林を通る木道 |
白尾山から皿伏山へのルートは、針葉樹の林の中を通る木道となっていて、皿伏山のなだらかな姿と相まって、快適なコースと思えますが、
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奈落の底に落ちるような道 |
暫く木道の上を歩いて進むとやがて、奈落の底に落ちていくような猛烈な下りに到着し、木の葉が積もった岩だらけの急坂の悪路ですから、スリップしないように降りて行くのが大変です。
底と思われる低地に降りきると、そこに標識がありますが、距離・時間が書いてなく、残雪期以外には、あまり役に立たない標識です。
周りは深い森で、秋に通るとブナ・カエデは見事ですが、見上げる梢の先の紅葉で、紅葉狩りといった感じではありません。この辺りにはセンノ沢田代があり、昔は一ノ瀬休憩所辺りに降りられる登山道もあったと聞いていますが、今は湿原は見えず、一ノ瀬へのルートもなくなっています。
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ブナ、カエデの紅葉 |
やがて前方に上り坂が見えてきて、いよいよ皿伏山に登るようですが、お椀のようになだらかに見える皿伏山も、白尾山側は結構傾斜があり、ジクザグにコースをとって登っていきます。
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ブナの大木の間を通ります |
コースにはブナの大木が目立つようになり、足元にはツルリンドウ、ゴゼンタチバナが目立つようになってきます。ジグザグになった登山道を登っていくと、
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皿伏山の頂上 |
一際、ゴゼンタチバナが多いと感じる個所の先にベンチが見え、そこが皿伏山の頂上です。頂上は大木と潅木に囲まれ、全く見通しが利かなく、頂上に到達したとの感激も沸かず、ベンチに座っても疲れは取れるものの、景色は見えず、面白くはありません。
頂上から尾瀬沼へのコースは、白尾山側とは違って平坦で、落葉が厚く積もってフワフワした快適な登山道ですが、相変わらず遠くが見えず、通るハイカーの数が圧倒的に少なく、その上、踏み跡がつきにくいフワフワした道ですので、特に残雪期には、コースが殆ど分からない危険な個所となっていて、ルートファインディングが大切となってきます。
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落葉が厚く積もった平坦な登山道 |
緩やかな下りを続けて行くと前方に、木道が設置されている湿原が見えてきて、ツルコケモモ、アカミノイヌツゲ、ツルツゲなどが見られます。
また森の中を登山道:皿伏新道は通り、少し先でまた木道のある湿原に出て、中ほどに白い標識が見られますが、距離・時間の表示はなく、方向のみが記載されていました。
湿原の先はまた木々が多い林・森が続いていて、相変わらず緩やかな下りですが、途中でミズバショウが登山道の中・脇に生えていました。
20分ほど歩くと前方に、大きな湿原:大清水平湿原が見えてきました。
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大清水平湿原 |
大清水平湿原は、よく、大清水湿原と間違えられますが、大清水湿原は群馬県側の尾瀬沼への登山口:大清水にあるミズバショウ中心の低層湿原で、大清水平湿原は尾瀬沼と皿伏山山頂の間にある高層湿原です。
大清水平湿原は周囲を森に囲まれ、森の中に孤立した湿原で大きく、2ヶ所にベンチが設置されています。ここは標高が1,725mほどで尾瀬沼の1,670mより高いので、ミズバショウが7月にでも見られる湿原として有名で、湿原の皿伏山側と尾瀬沼側の2ヶ所にミズバショウの群落があります。
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平坦な大清水平湿原 |
湿原を通り尾瀬沼側の入口まで来ると、そこには前記したようにミズバショウの群落があり、その先はまた森で、秋には紅葉・黄葉が楽しめます。
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尾瀬沼側の入口 |
そこからは急激な下りの小岩だらけの悪路となり、木々の間から尾瀬沼に突き出した半島が見えるようになります。半島の左奥に見える空き地は、沼尻平湿原です。
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尾瀬沼 |
急激な下りを降りていくと眼下に、大勢の人が通り過ぎていく尾瀬沼南岸道が見えてきます。
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尾瀬沼南岸道 |
尾瀬沼南岸道には標識があり、左は小沼経由で沼尻、右は三平下で、ここは皿伏新道分岐となります。
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皿伏新道分岐 |
前記しましたが、皿伏新道でお勧めできるのは、富士見峠〜白尾山と、皿伏新道分岐〜大清水平湿原で、
白尾山〜皿伏山〜大清水平湿原は下記の理由でお勧めしません。
1:見るべき花が殆ど無い。
2:通るハイカーの数が極端に少なく寂しい(クマとの遭遇の危険性が高い)。
3:展望が全く無い深い森が続き、撮影対象の風景が無い。
4:急峻な悪路が多く、転倒の危険がある。
5:皿伏山の尾瀬沼側は平坦で、残雪期にはルートを見失いやすい。
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