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至仏山→山ノ鼻 |
006:至仏山〜高天ヶ原〜至仏山東面道〜山ノ鼻
私自身は「至仏山東面道は閉鎖すべき」と思っておりますが、現時点では通行禁止とはなっておりませんので、コース紹介として掲載します。東面道の下り(山頂→尾瀬ヶ原)は極めて危険であり、毎年何人かの滑落・転倒による怪我人が出ていて、東面道は通るなら上り(尾瀬ヶ原→至仏山)がお勧めですが、このコース案内は全コースの紹介をするコーナーですから、敢えて記載しますが、東面道下りは危険と再度、申し上げます。
最初に記載しておきますが、花を目的とした場合、東面道通行は全く意味がありません。山頂からちょっと下った高天ヶ原には山野草は多いものの、そこから下は人の通行で土砂が流出してしまい、従って山野草も全くない、荒れた悪路の連続ですから花は期待できません。花の名山:至仏山とは、鳩待峠〜至仏山のことで、至仏山〜尾瀬ヶ原:山ノ鼻ではないと思って下さい。
鳩待峠の標高が1,591m、尾瀬ヶ原が1,400m、至仏山が2,228m、至仏山と尾瀬ヶ原の両方を楽しもうと思ったら、鳩待峠→尾瀬ヶ原→至仏山→鳩待峠より、鳩待峠→至仏山→尾瀬ヶ原→鳩待峠の方が標高差を考えれば一見、楽に思えますが、実際は違います。
至仏山頂上には驚いたことに、湿原、それもミズゴケの多い高層湿原に生育するヒメシャクナゲが生えていて、しかもピンク色の花を咲かせているには驚かされます。
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ヒメシャクナゲ |
至仏山からは、晴れていれば、尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が正面に素晴らしい光景となって望めます。
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尾瀬ヶ原と燧ヶ岳 |
山頂から整備された木道が高天ヶ原と呼ばれる山野草の多い雪田まで続いていて、ベンチ&テラスも多く設置されていますので、
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ベンチ&テラス |
山頂から高天ヶ原の往復はお勧めです。高天ヶ原に多い山野草としては、タカネシオガマ、ハクサンコザクラ、タカネナデシコなどです。
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注意標識 |
環境省と群馬県による注意標識から下は、
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下山者 |
いよいよ蛇紋岩で茶色となった滑りやすい危険な登山道が始まります。
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木道のない蛇紋岩の悪路が連続 |
ところどころにベンチが設置してあるのですが、
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上・下ともベンチ |
木道のない、滑りやすい蛇紋岩の岩の上を降りていくのは、膝に負担が掛かって辛いものがあります。
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怖い鎖場 |
2ヶ所ほど、鎖が設置してある鎖場があって、
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また鎖場が出現(-_-;) |
鎖に掴まって降りる怖い個所となっています。
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水場 |
足の弱い家人のペースに合わせて歩いていましたが、約1時間ちょっとで水場に到着しました。
オヤマ沢の標識そばの水場と違ってここは管から流れ出ているので衛生面では問題がないのですが、蛇紋岩地帯ということでしょうか、水には濁りが少し混じっておりました。
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足元は不安な蛇紋岩地帯でしたが、晴れていたので景色は最高でした。これが雨が降っていたり、ガスが掛かっていたら、泣きたくなるような悪路の連続です。
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水路となっています |
やっと石畳の登山道に変わってきたのですが、湧水が中央を流れていて水路に変わっていたので、結局は木枠の上を歩くようにしたため、更にいっそう、辛い下りの連続となりました。
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ベンチがあるも無人 |
登山道の脇に立派なベンチがありましたが、誰も座ってはなく、皆さん、ただひたすらに下っておりました。
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水路? |
森林限界が近づいて来ても水路のような岩畳は続いていましたが、
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やっと木道が出現 |
暫く歩いていたら、やっと木道が始まり、スリップ止めの横木を打ち付けてある木道を下っていくと、
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階段の先が登山口 |
やがて階段が出てきて、その先に山ノ鼻側の登山口が見えておりました。登山口を通り過ぎて直進すると、研究見本園に出て、当日が晴れていたため、正面に燧ヶ岳が聳えている姿が見えておりました。
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研究見本園 |
山ノ鼻から東面道を登ると一時間ほどで森林限界を越えます。そのため未明に山ノ鼻を出発して東面道を登り、森林限界の上から尾瀬ヶ原の夜明けを撮影するカメラマンも多くいます。
高天ヶ原〜東面道登山口の間で、花が咲いていたのは登山口より少し上部の個所にあったオオバギボウシだけで登山好きなら別ですが、敢えて東面道を上り下りする必要もなく、東面道を利用するとしても、山ノ鼻からの登りを、お勧めします。東面道の下りは危険です。