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実は「オーストラリア料理」の定義は非常に曖昧です。一般には、各国料理のエッセンスを生かした新しいスタイルの料理が「オーストラリア料理」と呼ばれています。「オーストラリア料理」とはどんなものかについてざっと説明します。INDEX
オーストラリア料理の種類
モダン・オーストラリア料理
ネイティブ・オーストラリア料理
ブッシュ・タッカー
オーストラリア料理のスター・シェフ関連ページ: [オーストラリア料理とは何か] [オーストラリア料理がおいしい理由] [オーストラリアの食事処]
オーストラリア料理の種類「オーストラリア料理」には実は2種類の大きな分け方があります。1つは「モダン・オーストラリア料理」と呼ばれる、各国料理の食材や調理法を取り入れた新しい料理。もう1つはアボリジニが食材としていた、オーストラリア大陸に古くから存在する動植物を使って調理する「ネイティブ・オーストラリア料理」というものです。
モダン・オーストラリア料理と呼ばれる料理は、数年前から定着し始めたと思います。私が初めてオーストラリアを訪れた10年近く前は、今ほどの料理のバリエーションはありませんでした。お店の数としては、圧倒的にモダン・オーストラリア料理のお店の方が上です。ネイティブ・オーストラリア料理のお店はシドニーに何軒かありますが、他の都市ではほとんど見られません。
ちなみにオーストラリアの庶民の味としてはやはりバーベキューを挙げておくのがいいでしょうか。オーストラリアはかなり辺鄙なところにもバーベキュー・コンロが整っていて、あちらこちらでバーベキューを楽しむことができます。
モダン・オーストラリア料理現在のオーストラリアの料理界を引っ張るシェフたちが開拓している料理の分野です。定義付けは難しいですが、どこかの国の食材や調理法の影響を受けていることが普通で、たとえばシドニーの超有名店「Tetsuya's」の料理は、French-Japaneseスタイルのモダン・オーストラリア料理として紹介されています。
モダン・オーストラリア料理のレストランは、シドニーやメルボルンのような大都市に多く存在しています。このジャンルの料理を体験するなら、シドニーを訪れるのがベストでしょう。日本の物価感覚からすれば格安といってもいいような値段で、「鉄人」の料理を楽しむことができます。
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ネイティブ・オーストラリア料理オーストラリアで最も有名なレストラン(チェーン)としては「レッド・オーカー・グリル Red Orcher Grill」というお店があります。元々はアデレードに本店がありましたが、現在はケアンズに本店を移し、アリススプリングスとメルボルンにもお店を持っています。
このジャンルの料理の特徴としては、先に書いたようにオーストラリア大陸に元からあった動植物を使っていることが挙げられます。定型的な食材としてはカンガルーやエミュー、バラマンディ(淡水の白身の魚)などがあります。
料理のスタイルはシェフによって様々で、シドニーのライベリーズRiberriesのシェフ、ジャン・ポール・ブルヌゥトゥーはフレンチの料理法をベースにした料理、エドナズ・テーブルEdona's Table IIのシェフの料理はモダン・オーストラリア料理に通じるものです。
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ブッシュ・タッカーネイティブ・オーストラリア料理はこのブッシュ・タッカーをヒントにしていると言ってもいいでしょう。直訳すればブッシュ(オーストラリアの自然)の食べ物(ごちそう)とでもなるでしょうか。我々からすればただの雑草に見える植物や、昆虫、動物が食材となります。
ブッシュ・タッカーの有名なものとしては、ウィッチティ・グラブという蛾の幼虫があります。アボリジニは生で食べるそうですが、我々が体験する時はあぶったものがいいでしょう。見た目は芋虫そのものですが、食べてみるとこってりとした中身にクリスピーな皮のバランスがよく、おいしく食べることができます。栄養的にも非常に優れているそうで、高タンパクの食べ物だそうです。
オーストラリアの国営放送ABCの作った番組で「ブッシュ・タッカーマン Bush Tucker Man」という有名なシリーズがありますが、この番組はビデオも発売されており、実際にどのようにして食材を確保し食べるかが紹介されています。
※ウィッチティ・グラブ試食体験記はこちらからどうぞ
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オーストラリア料理のスター・シェフ日本では「料理の鉄人」という番組が放映されていましたが、オーストラリアにはこの番組に登場していたような「鉄人シェフ」がたくさんいます。何をもって「鉄人」というかは私も定義できませんが、彼らに共通するのは、すでにある食材や調理法を新しい組み合わせで結び付け、新しい料理を創り出すという点です。
Tetsuya'sのシェフ、「わくだてつや」さんの有名なディッシュとして、オーシャン・トラウトの料理があります。これはオーシャン・トラウト(マス)を低温調理したものを、刻み昆布で味付けしています。前菜には和食の食材を使ったものもあり、まさにFrench-Japaneseと呼ばれるにふさわしい、繊細でありながら大胆な組み合わせをしている料理を楽しむことができます。
モダン・オーストラリア料理の有名シェフとしては、アデレード・ヒルトンのグランジGrangeのシェフ、チョン・リュウ氏も有名です。つい先日(2001年6月上旬)は東京のヒルトン・ホテルで、彼の創作料理を楽しむ会が開催されました。料理は素材の組み合わせが大胆で、まさに「無国籍」を感じさせるものです。コース・メニューのお皿にあわせたグラスワインを供するというのも、GrangeやTetsuya'sがはしりだったかと思います。
関連ページ: [オーストラリア料理とは何か] [オーストラリア料理がおいしい理由] [オーストラリアの食事処]