1995年12月13日発売 東芝EMI TOCT-9265〜9269
1996年12月11日再発売
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「在庫一掃」ここに極まれり。東芝EMI の全曲収録BOX。 オリジナルそのままではなく、各曲を4つのタイプに分けて収録しているのがポイント。それにオリジナル・カラオケ集を加えて、計5枚セットとなっています。 各カラーにコンセプトがあるのかは明記されていませんが、おおよそ次のような特色と思われます。 ORANGE:ポップな曲、シングル曲 個人的には「RED」を愛聴しています。「GREEN」も「Let's Go!」「The Rover」の濃密な演奏をじっくりときける楽しみがあり、興味深い内容ではあります。 しかし、全体としてみた時、低調な内容であるのは否めません。まず、曲の組み合わせ方。たしかに「自分ならこうする」というのは人それぞれにあるでしょうし(実際に自分でやってみるとなかなか楽しいものでした)、全曲を収めなければならないという制約もあったのでしょうが、『SUMMER LOVE』のインパクトの後だけに、いまひとつ統一感が弱いです。 ヴァージョンの取り上げ方もどこか一貫性を欠いています。「スキャンダル」「Million Secrets of JAZZ」「It's a Wonderful World」がオリジナル版を無視してリミックス版だけを収めているのは不満です。それなのにどういうわけか、名アレンジの傑作『Sunny Side』からはわずかに1曲(それも違いがわかりづらい「DEEPER」new version…)。 また、この手の企画のセールスポイントである未発表テイクはたったの2曲。しかも、「微笑みについて」の差異は微妙ですし、「LOVE VISTA」に至っては1分少々のインスト曲という、大してありがたみのないものです。 もうひとつの「売り」であるはずのブックレットも、歌詞カードに詳細でないディスコ&バイオグラフィが付いただけの内容。権利の関係からなのかもしれませんが、田島のグラビアがないのは致命的です。しかも名前に反してモノクロ印刷なのは、お粗末とさえ言いたくなります。 もしあなたが「これを買えば東芝のオリジナル・ラヴは全部揃う」と考えているなら、安くなったQ盤ですべてを(『セッション』『Sunny Side』込みで)揃えるべきです。もちろんカラオケ盤が欲しいのなら、話は別なのですが…。 |
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