かつて数年間線形代数の授業を担当していました。 基礎理学課程という教育学部の理学系の課程の1年生が 対象でした。ストラング著「線形代数とその応用」産業図書に 沿って授業を展開していました(残念ながら高価な本なので テキストにするには忍びなかった)。この本の線形代数の 扱いが私は気に入っており、以後多くの人にいい本だと 勧めています。ただ残念なことにいくつか不満のある箇所もありあす。
例えば、掃き出し法で行列の逆行列を求めるガウス・ジョルダン法の説明が 粗いので、 ガウス・ジョルダン法なんでやねんを作らざるを えませんでした。
あるいは行列式の扱いが冗長すぎる気もします。もっと簡潔に 行列式とはどういうものか、 どのように使うのかを手軽に理解できるようにと思い、 行列式虎の巻 を作りました。
日常語でもよく使う「次元」という言葉の意味について いろいろ考えさせようと思い、次元について を作った時もあります。
「命題の否定」がうまくできない学生が増加している模様です。 これがうまくできないと、例えば背理法を全く受け付けない ことになり、数学の授業のほとんどの場面で何をやっている のかさっぱりわからない状態となることでしょう。 「これではまずいな」と思い、 命題の否定の特訓用の 演習問題 を作ってみました。
「集合、写像、命題」は、教育学部基礎理学課程2年生用の 「集合と位相」を内容とする授業の前半に扱っていました。 「集合、写像、命題」のみで位相が入っていない試験・レポート 問題のファイルは一つしか残っていません。
以下の作品は「フラクタル」の授業で提出してもらいました。 いずれもとなった作品です。 半沢弘光君の作品 は6種類のサンプルの中から1つ選び、next を繰り返し押せば フラクタル図形が現れてきます。 鈴木祥広君の作品 は特に素晴らしく、type で sample# を指定し、PushMe を 繰り返し押せばフラクタル図形が現れてきますが、 行列の成分 a,b,c,d や定数ベクトルの成分 e,f の値を自由に変えることができいろいろ 実験も可能になっています。でも「ズームイン機能が欲しいなあ」とか 「使い方の説明があればなあ」などの欲も出てきます。これらの我が儘な 欲求を満たしてくれたのが、 沼 晃介君の作品です。かなり質の高い仕上がりになっています。 試験免除で合格
次なる目標は「コラージュ定理」でしょうね。来年度に誰か作ってくれないかな・・・ (むろん、上質であればそれだけで「優」ですけどね)。
与えられたトピックに関する画像が世界中から集まってくる Internet Ray Tracing Competition (IRTC) というものがあります。 1997年には 「Physics&Math. 」 というトピックでの画像も 募集しています。2000年度、2001年度と2年間行った ワークショップ「芸術の中の数理」では、チームを作り、 この中から作品を選び研究する、という内容の授業にしました。 研究成果はここにあります。
ワークショップ「騙されないための論理学」では 「詭弁」を題材に取り上げました。詭弁は未だ学問には昇華していないようですが、 誰にとっても一生逃れられないものだし、 詭弁について頭をまとめておくと就職試験などで役に立つ、という直接的な効果もあるよう なので、是非とも取り上げるべき題材のように思います。 2002年度も同じ内容の授業を行う予定です。